海外ドラマを観てるとよく「How dare you?」という表現にぶつかります。意味は日本語訳すると「よくもやってくれたな」とか「何考えてるんだ」ですね:

how dare you

他の人の行動に対する怒りや不快を表現するのに使われる。

Used to express indignation and shock at another person’s actions.

海外ドラマでの「How Dare You?」

ただ、それ以上の感情・憤りが込められていることも多い気がします。 そこで、海外ドラマの実例から、どのくらいの感情のほとばしりがあるのか見て確認してみましょう。

『ジ・オフィス』から

YouTubeに「How dare you」をちょうど使ったシーンがありました。ジム(いけめん)とドワイト(めがね)が電話セールスのロールプレイをします。営業役のドワイトが客に名前を尋ねると、客役のジムはButtlickerと名乗ります。それが本当の名前かどうか聞くドワイト。というのも、buttは尻、lickerは舐める人。つまり、日本語訳だと「尻舐め夫」的な名前だからですね。すると、自分の名前に疑問を持たれたジムは「How dare you?」です。ビジネスで客の名前に注文付けるのはNGですよね(笑) 日本だと、馬場さんに「ばばって・・・(笑)」とか言う感じかな。そりゃー失礼なわけで、「なんだと?貴様?よくも言ってくれたな!」の反応になるわけ。ちなみに、buttlicker自体にはごますりの意味があります。asskisserなんかと同様。

『ブレイキング・バッド』から

場面は全ての悪事が露呈したウォルターが我が娘を誘拐して逃亡したところ。妻のスカイラーに電話を掛け、感情を爆発させます。妻にstupid bitch言うてはります(笑) 「How dare you?」にスカイラーは「I’m sorry」と言うのが精一杯。ここは 盗聴されていることを承知で、自分だけに罪を着せるため迫真の演技。「よくも裏切ってくれたな!」とスカイラーは何も知らない風を装っているのですね。

ウォルター: You stupid bitch. How dare you?
スカイラー: I’m sorry.
『ブレイキング・バッド』で、娘を誘拐したウォルターは妻スカイラーを電話越しに脅す
Breaking Bad [Credit: AMC]

『ベター・コール・ソウル』から

ケトルマン夫妻の隠してあった横領金を盗み出すジミー。翌日ケトルマン家に訪れ、お金を盗んだことを匂わせます。大慌ての夫妻は金が失くなってること知り、ジミーに詰め寄り、ケルトマン夫人が「How dare you?」です。「よくもやってくれたわね」って感じ。ここのbig-timeは「非常に」の意味

ジミー: you two… you’re criminals, big-time.
ケルトマン夫人: How dare you?
『ベター・コール・ソウル』で、ケトルマン夫妻は金を盗んだジミーに食って掛かる
Better Call Saul [Credit: AMC]

『ギルモア・ガールズ』から

結婚式が間近で仕事も手に付かないスージーに結婚式の招待状ができたとローレライが知らせます。早速チェックすると名前がSusie St. Jamesと間違ってました。ローレライが担当者を電話で呼び出し、激怒するスージーにヒステリックになるなとアドバイスをして受話器を渡しますが・・・。スージーの第一声は「How dare you?」と喧嘩腰でした(笑)

スージー(受話器に): How dare you do this to me? You’re ruining my wedding. It’s the most important day of my life. It’s my life, not ‘Susie St. James. ’ Are you listening to me?
『ギルモア・ガールズ』で、スージーは電話口で怒鳴る
Gilmore Girls [Credit: The WB]

『ビッグバン★セオリー』から

ラジのことを心配したペニーはラジの彼女に一言物申します。それを伝え聞いたラジは「よくも彼女をambush(待ち伏せ)してくれたな」と大激怒。それは「I’m so mad at you」からも分かりますね。

ラジ: I’m so mad at you. How dare you ambush my girlfriend at the gym?
『ビッグバン★セオリー』で、ラジはペニーに大激怒
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

最後に

今回は相手の行動への怒りを表すフレーズ「How dare you?」についてでした。

名前を疑われての「How dare you?」、妻へのstupid bitchからの「How dare you?」、数億円が盗まれての「How dare you?」、結婚式の招待状の名前が間違えられての「How dare you?」、彼女を待ち伏せされての「How dare you?」と5パターン見ましたが、どれも相当の憤りが秘められているのが分かります。ちなみに、他人が自分の妻・彼女のことをbitchと呼ばれて「How dare you?」なんかもよくあります。家族に対するinsultは耐えられないのはどの文化でも一緒。初対面の人に失礼なこと言われたら「How dare you」と言ってみるのも悪くないかも(笑) それでは〜


dareの3パターン↓