『メンタリスト』の番組宣伝ポスター
The Mentalist [Credit: CBS]

海外ドラマのエピソードタイトル

海外ドラマでつくづく不憫だと思うのは、各エピソードに付けられたタイトル。誰も注目しないし、そもそもあるのかどうかすら認識されていない気がします。ネトフリなんかで連続で見る時はシーズン1のエピソード1、エピソード2、・・・というように見ていくわけですから、しかも親切にも自動的に次のエピソードに跳んでくれるわけで、タイトルなんて気にしないのが普通の世の中なのかもしれません。でもそんな趨勢に抗いたい天邪鬼の私は(笑)、海外ドラマの各エピソードタイトルも結構面白いんだぞということを広めるため、今回から数回に分けてエピソードタイトルをテーマに記事を書いていきたいと思います。

『メンタリスト』の場合

まず第一回目は刑事モノの『メンタリスト』。このドラマはタイトルが面白いことに気付くきっかけになった記念碑的ドラマ。以下、適当にピックアップしたタイトルを見ていきましょう。監督や脚本家が知恵を振り絞った跡が見て取れますよ。

シーズン1のエピソードタイトル

シーズンエピソードタイトル
11Pilot
12Red Hair and Silver Tape
13Red Tide
14Ladies in Red
15Redwood
16Red Handed
114Crimson Casanova
122Blood Brothers

まず、最初のタイトルが「Pilot」なのはお約束パイロット版でテレビ局に売り込むためですね。そこからがオリジナルのタイトルですが、何か気付いたことはありますか?

そう、全部red、関連なのです。このドラマでは、レッド・ジョン(Red John)がラスボスみたいなものだからですね。その名前にあやかり赤。ドラマ自体刑事モノなので、「red-handed(現行犯)」も当然考えられるタイトルです。こんな感じで英語イディオムの勉強にもなる。途中でredだけでは飽きたのか、「crimson(深紅)」なんて変化球も。bloodも「血」だけに当然赤を連想させますね。

シーズン2のエピソードタイトル

シーズンエピソードタイトル
21Redemption
22The Scarlet Letter
210Throwing Fire
215Red Herring

シーズン2からは遊び心が加速。「redemption(贖罪)」なんてredを含む単語だったり、scarletは「緋色」の意だし、「red herring(おとり)」なんてイディオムまで現れます。これは燻製ニシンから転じて囮の意味。犯人をおびき寄せるのです。

シーズン7のエピソードタイトル

シーズンエピソードタイトル
71Nothing But Blue Skies
73Orange Blossom Ice Cream
76Green Light
713White Orchids

メインテーマだったレッド・ジョン編が終わってからも、最終シーズン7のタイトルを見て貰えれば分かる通り、赤に拘らない色シリーズを続けていて、最後のエピソードは花の白ランで〆ました。こういった制作側のこだわりがタイトルを通して伝わってきますね。

メンタリストの全エピソードタイトルは、wikipediaリンク先にある各シーズン毎の記事⤴️に詳しく載ってます。海外ドラマエピソードタイトルもなかなかおもしろいと感じてもらえたら幸いです。

なお、日本ではエピソードタイトルをサブタイトルと呼びますが、これは実は正しくありません。詳しくは以下の記事を。それでは〜


そもそも、何故こんなことになっているのか?↓