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overを辞書で調べると沢山の意味が載ってますが、海外ドラマを見る時に頻繁に出てくるのが、この克服のoverです。ドラマの中では、恋をして失恋したり、家庭や健康の問題が出てきたりと、話を面白くするために、登場人物たちは様々な問題に直面させられます。各エピソードごとにくっついたり離れたりするのもしょっちゅうです。そんな困難を乗り越えた時に使うのがこのoverです。個人的には、問題などにずっと悩まされていたけど、吹っ切れて前向きになるイメージがこのoverからします。そこで、実際の生きた使われ方を、ドラマの様々なシーンから拾って見てみます。ここでは、人をoverするパターンと、事をoverするパターンに分けて見てみます。

Over 人

Glee

エマは付き合いだしたウィルを驚かそうと、部屋に侵入し、素敵な夕食を作ります。そこへウィルの元妻テリーが忘れ物を取りに現れます。テリーが妊娠を偽ったため、二人は破局になった過去があります。エマがウィルと決めた二人の曲のことを話すと、テリーはそれはプロムの時の二人の思い出の曲だと匂わせます。調べた結果そのことが事実と知ったエマとウィルの会話が次のシーン。「心のどこかで、まだ彼女のことが忘れられないのね」とウィルに言うエマです。ここでは、元妻を乗り越えてない=まだ引きずっている=忘れられない、と言う感じです。「引きずってる」の方がより良い訳かもしれません。

エマ: I wanted to surprise you on Wednesday. Terri came by and, um, Told me about the prom... About the song.

ウィル: Emma, I-I have no feelings about this night anymore. I didn't even remember the song.

エマ: No. I know. I know, not consciously. But somewhere inside, You're still not over her.

Glee/Season 1/Episode 14

Gilmore Girls

Gilmore Girls最終エピでは、ローレライとルークは破局状態のまま。そんな二人を見てローリーは、ルークはまだ未練がありそう、と分析しますが、母ローレライは、私のほうがもう吹っ切れたと言います・・・。残り30分ほどでこのドラマ終了ですが、果たして纏まるのでしょうか?(笑)

ローリー: maybe you guys just need more time.

ローレライ: More time, I've given him all the time in the world. Every time I'm venerable or I say something or do something like the song he doesn't do anything.

ローリー: Well he's always been a little slow to respond.

ローレライ: Yeah I don't want to make any more excuses you know.

ローリー: I just don't think he's over you.

ローレライ: Well it doesn't matter, I'm over him.

Gilmore Girls/Season 7/Episode 22

Over 事

The Big Bang Theory

このシーンは、

What's Wrong With You? と What's Wrong? の違い - ドラマの中の英語

で紹介したハワードのuncoolの直後のシーン。レナードは、もうペニーのことは気にしないと言ってから、もうそれ(ペニーとの別れ、失恋)は克服したとします。ここは、itをherに置き換えても意味はほとんど同じですね。

ハワード: What's wrong with you? You can't hang out with your roommate's ex. That's totally uncool.

レナード: No, it's fine. I don't care. I'm over it.

The Big Bang Theory/Season 3/Episode 20

13 Reasons Why

バレンタインの夜にマーカスに裏切られたハンナに翌日声をかけるザック。ハンナは昨日のことはもう乗り越えたと前向きです。ここでは、失恋というより、マーカスに弄ばれたことを指す感じ。13の理由の一つです。

ザック: Listen, about last night.

ハンナ: It's okay. I'm over it.

13 Reasons Why/Season 1/Episode 7

最後に

こんな感じでoverには何か障害を「乗り越える」の意味がありました。そう考えると、get overに全く同じ意味があるのは当然というところ。でも、単にbe overの方がよく使われる印象です。実生活であまり使う機会はないかもしれませんが、海外ドラマでは必須のボキャブラリーですね。調べていたら、I'm over the moon.というのも出てきてニヤリとしました。これは月を克服するではなく、ハッピーということですね。でも、月に恋していて、遠距離のため(!?)失恋したと考える人が気持ちを切り替えれば、I'm over the moon.と乗り越えるの意味で言うかもしれません(笑)