A Way with Wordsに「アメとムチ」の話

いつものようにポッドキャスト『A Way with Words』を聞いていたら興味深い話が。それは「carrot and stick」という英語のイディオム表現について。日本語だと「アメとムチ」と訳されますが、英語だと「人参と棒」なんですね(笑)

意味はもちろん、善い行いにはアメ、悪い事したら鞭です:

carrot and stick

(イディオム的)同時に行われる良い振る舞いの報酬と悪い振る舞いの罰。

(idiomatic) The simultaneous rewarding of good behavior and punishing of bad behavior.

馬の前に人参をぶら下げる構図は「アメとムチ」ではない??

この英語よろず相談ラジオ番組の質問者は、このイディオムは、イメージ的によくある「馬の鼻先に棒でぶら下げた人参とそれを食べようと走る馬」のイラストから来てると考えます。

馬の前に人参をぶら下げる
"Europe 1916", an anti-war cartoon by Boardman Robinson

でも、そのシチュエーションってよく考えてみると、「アメとムチ」の意味とは全く違いますよね。報酬(人参)は決して与えられないし、罰(棒で叩く)も与えられない。馬は永久に食べることができない人参の方向に向かって走るだけです。だから、どうして「アメとムチ」の意味になったの?というのが質問者の知りたいこと。なるほど、確かに不思議ですね。私も知りたい(笑)

「アメとムチ」の語源

結局、ポッドキャストの言語学者の回答は、元々、報酬(人参)と罰(棒で殴打)を使い分けて馬を進ませるという比喩的表現があって、後からイラストが出てきたってだけみたいです。なんだ、イラストは後付かよw 紛らわしい。

そう考えると、日本語の「アメとムチ」はなかなか混乱のない表現なんだなと感心しました。それでは〜