英語の映画・テレビ番組レビューによくある批評パターン(1)
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映画・TV番組総合サイトのIMDbでもRotten Tomatoesでも、レビューを読んでいるとある種のパターンがあることに気づきます。特に批判的なもの。叩く時の方程式とでも言うように。そこで今回は、自分が気づいたそんなパターンを少し見ていこうかと思います。この方程式に則れば、辛辣なレビューを書けるようになるのは間違いなし。
首にしろパターン
はい、これは低評価のレビューを見ると必ずある黄金パターンです。脚本家がターゲットにされることが多い。この系統のレビューを読むと分かるのは、音楽・役者等他の部分は問題ないのに、ストーリー”だけ”ダメなときなど。そのだめな部分を交換することによって完璧に一歩でも近づけたいという強い思いが垣間見れます。まあ、役者なんかは途中で替えられないので、矛先が自然と裏方に向かうんですかね・・・と思って調べたら、役者も途中でreplacedされているみたいですね(笑) ということは、首にしろと言う価値はあるのか。ちなみに英語で首・解雇はfireです。
The 100
The 100は高評価と低評価が極端に別れてる作品。こういう番組のレビューを読むのが面白い。解雇しろと名前が上がっているのは音響さんみたいですね。2番目のレビューに、酔っ払って脚本書いたってありますが、これもたまに出てくる言い方。クスリでラリって書いた脚本とか。
-I really think they should have fired the sound crew a good two seasons ago for such poor quality of sound.
-To my surprise, and huge relief, the series began changing course. They must have fired a few writers, or maybe they quit writing while drunk, because suddenly it all changed.
-Hire some new sound engineers and fire the music guy!
Lost in Space
これまた宇宙もの。こっちは科学的考察がダメダメで脚本家を首にという意見。そういえば、『ロスト・イン・スペース』ってエピソード4くらいまでしか見てないやw
-I hope they fire all the writers and start over.
-Whoever wrote this should be fired.
-If this makes it to season two it will be because someone decided to fire all the writers and hire some real talent.
タイトルをモジるパターン
オリジナルのタイトルをモジって腐すのもたまに見かける。そして、レビューのタイトルにするのが典型的。従って、レビューを書く時にタイトルを何にするか迷ったときは、このパターンが使えないか考えるのが良いと思う。しかし、このモジリパターンには致命的な穴がある。それは、他の人にそのネタを使われたらもうおしまい。二番煎じになってしまう。そこは要注意。レビューとは言え、オリジナリティは必要不可欠。
早速このパターンのものを鑑賞してみましょう。
13 Reasons Why
『13の理由』は「どうぞタイトルで遊んで下さい」と製作者が言ってるかのごとくモジリやすい題名(笑) まあ、原作からしてこのタイトルなだけなんだけど。作り手側としては、こういうモジリやすいタイトルはやめたほうが良いのかもね。
13 Reasons WHY you should NOT WATCH this.
13 Reasons why I became a drama Queen
13 Reasons Why You'd want to slap the sh*** out of Hannah !!!!
How to Get Away with Murder
このドラマ、邦題は『殺人を無罪にする方法』だけど、get away withは犯した罪から逃れる、ただで済むという意味。だから、どちらのレビューも「変装してるソープドラマ」、「不愉快成分」から逃れる方法という意味。そして、その方法はこの番組を見ないこと、とレビュアーは言ってるわけです。この番組がそうだから。
-How to Get Away with Being a Soap in Disguise
-How to get away with so awful elements...
The Handmaid's Tale
『ハンドメイズ・テイル』からはウィットの効いたモジリ。TailをSnailとし、韻を踏んでますね。そして、Snailはカタツムリだから・・・そう、話の展開が遅いってわけ。特にシーズン2はボロボロに叩かれてます。
-"The Handmaid's Snail"
絵の具が乾くのを見ているパターン
番組の視聴体験を何か別のものに例えるのはよくある手法だけど、その”別物=絵の絵の具が乾くのを見ている”というのがお馴染みのパターン。つまり、何も起こらずツマラナイってこと。それにしても、何故大勢の人がこの表現を使うんだろう。最近始まった番組のSharp ObjectsとCastle Rockから該当表現を拾ってみます。
Sharp Objects
該当部分を訳すと、絵の具が乾くのを見ている方がマシだ、絵の具が乾くのを見ているようだ、サスペンスに満ちてる?君が絵の具が乾くのに興味惹かれるならね。日本語の同様の表現ってなんだろうなあ。
-Won't watch the 2nd episode as i would rather watch paint dry.
-Like watching paint dry
-Masterful? Hardly. Authentic? Yes but not in a good way. Suspenseful? Only if you're intrigued by paint drying.
Castle Rock
キングの原作に登場した街が舞台のドラマでも、展開がスローのためこの批評パターンの餌食に(笑)
-It had so much potential in my eyes but it was like watching paint dry.
最後に
今絶賛放映中の『ベター・コール・ソウル』を上記方程式に無理やり当てはめ、架空のレビューを作ってみます。自分が本当にこう思っているわけではありませんので、あしからず。
レビュー題:Better Call Off(取りやめるべき)
本文:This show is for those who love watching paint dry, simply because nothing will happen on the screen even if you pass out for a good 10 minutes. No doubt the writers make up this shit while stoned. They should fire those morons and hire some talented guys. Even a junior-high-school kid can do better. (この番組は絵の具が乾くのを見るのが好きな人にオススメの作品だ。何しろ10分間まるまる意識を失っていたとしても、画面上ではその間何も展開されないから。脚本家はクスリでラリりながら話を捻出したに違いない。今すぐ彼らを首にして、新しい脚本家を雇うべきだろう。中学生でももう少しマシなプロットが書けるはずだ。)
あ、結構それっぽくなった(笑) でも我ながらメッチャ辛辣。絶対★1の評価w これなら、本当にIMDbでレビュー書けそうかもね。
今回紹介した以外にも定型パターンは数多と思いますが、今思いつくのはこれだけ。また気づいたら記事にまとめたいと思います。
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