海外ドラマで「Aye, aye, Captain」ジョークが使われる場面
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「Aye, aye, Captain」ジョーク
海外ドラマなんか見ていると、不意に「Aye, aye, Captain」と相手に返事するパターンがたまに出てきます。もちろん、相手は「船長(キャプテン)」でもなんでもないのに・・・
実はこれ、一種のお約束ネタ、テンプレギャグなんですね。そこで今回は、この返事がどういった場面で使われるのかを海外ドラマのシーンを通して見ていきたいと思います。
「Aye」の意味
と、その前に、「aye」(ayとも書く)について補足しておきます。これは肯定の「Yes」の意味で、よく船乗りの間で使われていますね。
aye
はい、同意。質問への同意や肯定を表現する単語。
yes; yea; a word expressing assent, or an affirmative answer to a question.
そして、発音がアイ。海賊なんかが船長の指示に「アイアイサー」と返事するのを、聞いたことがある人もいるんでないかな。そのアイがこの「aye」なんですね。だから、「Aye, aye, Captain」は「了解、船長」と言うことです。軍隊の下級兵士が上官に「Yes, sir」というの同じですね。海の上だろうと陸だろうと、上官の命令は絶対なのです(笑)
海外ドラマでの「Aye, aye, Captain」
これを踏まえて、海外ドラマで「Aye, aye, Captain」が使われる場面を見ていき、どんなお約束が裏に隠れているのか調べてみます。
『ビッグバン★セオリー』から
シェルドンは物理の難問と格闘中。ホワイトボードを手で作った望遠鏡で覗いて、何か新しい知見を得ようとしています。そんなシェルドンの奇行に疑問を持つペニーに、手を飲み込んだアリゲーターを探していると茶化すレナード。これはフック船長のことですね。シェルドンはと言えば、いつものように重箱の隅を突っつきます。アリゲーターでなくクロコダイルと訂正し、茶化すならちゃんと事実に基づけとレナードに説教。これにレナードは、「Aye, aye, Captain」です。つまり、フック船長の話題で、上から目線で言われたので、「了解、船長」と皮肉で返したんですね。ちなみに、ここで、アリゲーターとクロコダイルの違いですが、辞書によるとどうも産地みたいです。台風とハリケーンの違いみたいな感じでしょうか。
ペニー: What is he doing now?ペニー: What is he doing now?
レナード: Hmm, he’s either isolating the terms of his formula and examining them individually, or… looking for the alligator that swallowed his hand after Peter Pan cut it off.
シェルドン: Captain Hook’s hand was eaten by a crocodile, not an alligator. If you’re going to mock me, at least get your facts straight.
レナード: Aye, aye, Captain.
レナード: Aye, aye, Captain.
『ギルモア・ガールズ』から
ルークが船旅に行くことを聞いて、行くまでの間海事用語を使ってあげようとするローレライに、それを無碍なく拒否するルーク。ローレライは「Aye, aye, Captain」と引き下がります。ここも、海関連の話題に、断定調の否定ということで、ルークの有無を言わさぬ感じを船長に見立てたんですね。あと、海事用語を使うなということなので、最後っ屁的な意味もあります。
ローレライ: Oh, you preparing for the big boat trip huh.
ルーク: Yep.
ローレライ: Wow you want me just to talk in nautical terms till you go.
ルーク: No.
ローレライ: Aye, aye captain.
ローレライ: Aye, aye captain.
『SUITS/スーツ』から
『スター・トレック』ファンのハーヴィー。カーク船長こそが真の男と言って会話を打ち切り、マイクの偽りの法律問題(女性関係)でなくハーヴィー自身の本当の問題に取り掛かると宣言。部下のマイクは不承不承、船長つながりで「Aye, aye, Captain」です。
ハーヴィー: Captain Kirk. He wins a no-win situation by rewriting the rules.
マイク: You’re a Trekkie.
ハーヴィー: Hey. Captain Kirk is the man, okay? I don’t want to hear another word about it. Now, enough with your fake law problem. Let’s deal with my real one.
マイク: Aye aye, Captain.
マイク: Aye aye, Captain.
『シリコンバレー』から
リチャードに警告を発するジャレッド。このままじゃ仲間が一人また一人と敵になると。それを「mutiny(上官への反乱)と言いたいのか?」と例えるリチャードに対し、「Aye, captain」でその通りと答えるジャレッドです。mutinyは船員などが起こすのが一般的なので、海繋がりで「Aye, captain」なんですね。
ジャレッド: Aye, captain.
まとめ
以上、海外ドラマの中の「Aye, aye, captain」が使われる場面をまとめると、
- 話題が海関係
- 相手が船長のように指示し、それに肯定する
この2つが揃ったときに使われるっぽいですね。ユーモラス、または皮肉的に聞こえます。
ただ残念ながら、リアルでこの条件に遭遇する確率はかなり低そうな感じ(笑) でも、心の片隅に留めておけば、他の番組で使われたときに混乱しなくて済みそうです。もちろん、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』の中では、普通の意味で使われるのは言わずもがな(笑)
こういうネタって、ある意味お約束になっているので、知らないとクスリとも笑えないんですよね。よく英語学習をする日本人向け煽り文句で「外国で映画館に行っても、周りが笑ってるのに自分だけ笑えてない。そんな英語で本当にいいの?」的なのがありますが、逆にお約束を知ってると笑えたりもするので、個人的に少しピントがボケた煽りに感じます。
いずれにしても、海外ドラマを毎日見てれば、お約束も英語力も自然と身につくので、マジおすすめですよ。それでは〜
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