インディアン関連のイディオム、Indian Summer, Indian Giver, Bury the Hatchet
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北米先住民を指すインディアンってよく考えたらひどい呼称ですよね。全然インドじゃないんだから。日本に同じことが起きたと考えるとその酷さが分かります。マルコ・ポーロが日本に来てたと仮定しましょう。でも本人はそこはモンゴルだと思ってるんです。だから日本人のことをモンゴル人と呼びます。そして、それをヨーロッパに持ち帰って、全世界が日本人をモンゴル人と呼ぶようになる・・・。なんて理不尽な話だ(笑) だからインディアンって表現もあまり使われなくなってますよね。ジプシーも似た話でした。でも、今までそう呼ばれてきたからか、インディアン関連の英語表現はちゃっかり残っちゃってます。今回はそんなボキャブラリーを見ていきます。
Indian Summer / 小春日和
Indian summerは晩秋の暖かい日が続く期間を指すんですね。日本の小春日和。この表現って結構いろんな教科書に載っているんですけど、意外や意外、海外ドラマでは以下のシーンでしか使われていませんでした(笑)
次のシーンは、天気ネタでスモールトークしている最中。「まだIndian summerだと思ってた」というのに応じて、「(インディアンが履く)モカシン靴は脱ぐべきみたいね」というのは、なるほどうまい返しです。これは女性の会話ですが、男なら「こんな暑いならモヒカンすら剃るべきだな」とかどうかな。
-I thought it was still Indian summer.
-Then I guess I should take off my moccasins.
Sex and the City/Season 4/Episode 18
Indian Giver / 贈った物を後で取り返す人
友達からプレゼントを貰ったとします。でも、二三日したらやっぱ返して、と言ってくる人のことをIndian giverと英語では言うんですね。インディアンにそういう事例が多かったからなんでしょうか? ちょっと失礼な表現に響きますが・・・。
次のリック・アンド・モーティでは、犬に賢くなるデバイスを装着したところ、自分自身で様々な発明をして、人間と同様の能力を持つまでになります。父は「遊びはオシマイ」とデバイスを外そうとしますが、娘はそれをIndian givingと言って非難。最初に知恵を授けて、後で都合が悪くなってそれを取り戻すのは、まさにIndian givingです。でもここでは、デバイスを外すのが正解だったみたいですよ。最終的に人間を支配するまでになってしまうので(笑)
父: Fun's over.
娘: Whoa, Dad, you can't, like, endow a creature with sentience and then rip it away.
父: Why not?
娘: I don't know. It's Indian giving.
Rick and Morty/Season 1/Episode 2
Bury the Hatchet / 和睦する、矛を収める
bury the hatchetはインディアンの風習からきてるイディオムです。仲直りするときはhatchet(斧)を土に埋めるんだそうです。同じ武器を使った表現「矛を収める」と訳すとしっくり来ます。
次の『ビッグバン★セオリー』のシーンでは、シェルドンとハワードが駐車場を巡って争います。最終的に二人は和解しますが、そのセリフでbury the hatchetが使われています。ちなみに、一見すると、toの後ろなのにing形になっていて文法的におかしい気がしますが、このtoは不定詞でなくtoast to(〜に祝杯を上げる)なんですね。だから、「和解に乾杯」と言ってるだけ。こういうの四択問題になってると自分は簡単に引っかかります(笑)
ハワード: I'd like to propose a toast. To burying the hatchet.
シェルドン: To burying the hatchet.
The Big Bang Theory/Season 6/Episode 9
最後に
今回はインディアンに関連したボキャブラリーを見てみました。小春日和から発想したのバレバレですね(笑) インディアン自体が軽蔑的な響きがあって使われなくなると、Indian giverなんかの表現も同様に使われなくなっていくのでしょうか。それはそれでちょっと悲し気が。
ちなみに、インディアンと言えば、海外ドラマではカジノのオーナーとして登場することが多いですよね。あれはなんでだろうと調べたら、次のような説明が。
Because these areas have tribal sovereignty, states have limited ability to forbid gambling there, as codified by the Indian Gaming Regulatory Act of 1988.
つまり、インディアンが住んでる場所(reservation)は部族に主権があって、州法の効力が制限されるんだとか。だから、法律で禁止・制限されているギャンブルを大々的にできるんですね。
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