「○○ Do Not Bite」の意味

動詞「bite」にはいろいろ面白い使われ方があって、「Bite me」でムカつくとか、「It bites」で「最悪ー」とかいった表現はいつか紹介したいのですが、今回紹介したいのは「○○ don’t bite」の「噛んだりしないから」。はい、そのまんまですね(笑) 海外ドラマでは相手が躊躇したりや怖気づいてる時に「大丈夫、心配しないで」という意味でよく使われるフレーズ。

「○○ Do Not Bite」の例

例えば、友達に詩の朗読会に誘われたとしてください。「えー、どうしようかなー」と躊躇するとします(詩を嗜んでいない普通の人なら)。そんな時に友達がこのセリフを言うんです:

大丈夫だって。噛んだりしないから

意味は、「ひどい目にあわせない、不快にさせない、何も問題ない」ということですけど、英語では何故か「bite」を使って「噛まない」で表現するんですね(笑) 

我が子がシャイで友達の誕生パーティーに行きたくないと言い出したら、「誰も噛まないから行きなさい」と送り出す母親とかが典型的。結局、「噛み付くような者は居ない=危害の心配はない=安全、心配なし」ってことなんでしょうけれど、噛む(bite)という動詞チョイスが面白いと思いませんか?

それでは海外番組ではどんな感じでこの「○○ do not bite」使われるか、見て行きます。

海外ドラマの例

『ブレイキング・バッド』から

禁酒会(Alcoholics Anonymous)の会合の一コマ。自分の体験を語るのをためらうアンドリアに主催者が「噛んだりしないから」。怖くないよってことですね。

アンドリア: Yeah. My name is Andrea…
主催者: We don’t bite. No judgements. You can be as open and honest as you wanna be.
『ブレイキング・バッド』で、禁酒会に参加したアンドリアは言いよどむ
Breaking Bad [Credit: AMC]

他にも、恐る恐る拳銃を持つウォルターにハンクが一言「噛んだりしないよ」。ここではまだウブなウォルターです(笑)

ハンク: Hey, it’s not gonna bite you.
『ブレイキング・バッド』で、拳銃を恐る恐る触るウォルターにハンクが噛まないと言う
Breaking Bad [Credit: AMC]

『ウォーキング・デッド』から

『ウォーキング・デッド』でも、総督が「グループに参加しても誰も噛んだりしない」とアンドレアに勧めます。この世界ではゾンビが実際噛むので、「ゾンビと違って噛まない」という意味も含む面白い表現になってますね(笑)

総督: You know you can join in. They don’t bite.
『ウォーキング・デッド』で、総督がグループに参加するようアンドレアに勧める
The Walking Dead [Credit: AMC]

『メンタリスト』から

ジェーンが身内のサーカスを訪れるエピソード。警察が苦手な男に、「噛まないから」とリズボンを紹介するジェーンです(笑)

ジェーン: This is my good friend Teresa. She doesn’t bite.
『メンタリスト』で、知り合いのサーカスの男にリズボンを紹介するジェーン
The Mentalist [Credit: CBS]

最後に

今回は日常英会話でよく出てくる「○○ do not bite」という言い回しを紹介しました。 こんな感じで、躊躇する相手に「噛んだりしないから」が結構使われるんですね。実際、私もアメリカ人にこの表現でとあるグループへの参加を進められたことが一回あります。海外ドラマでこのフレーズを知ってたので、実際「噛む」と勘違いしませんでしたが(笑)

皆さんも英語の勉強会への参加に迷ってる友人がいたら、この表現「噛んだりしないから」を使って誘ってみてはいかがでしょうか?

あ、でも、学生時代の友人が久しぶりに連絡を寄こし、「噛んだりしないからセミナーに来てみない?」というのには注意してくださいね。選挙・宗教・ねずみ講あたりが十中八九ですので(笑) それでは〜