英語で「Wall Wall」みたく同じ単語を2度繰り返す表現
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英会話で同じ英単語を2度繰り返すパターン
このトピック「同じ英単語を2度繰り返す」は海外ドラマを見始めて最初の頃に既に気付いて、以前から取り上げたかったんですけど、説明が結構難しくて躊躇してたんですよね。だって、この題名読んでもなんのことか分からないもんね(笑)
ということで、良い例に出会うまで控えてたんですけど、先日これを説明するのにピッタシなものに出会いました。それが「wall wall」です。繰り返して二重になってますね。
トランプの「wall wall」の意味
皆さんは米国トランプ大統領がメキシコ国境に「壁」を建てようという事実は知ってると思います。そして、その予算獲得のため、2019年1月現在政府機能を半ば停止してる状態です。多分、今アメリカの国立公園行っても閉鎖されているんじゃないかな。報道によると、それでも中に入る人がいて、ゴミの山なんだとか・・・。
さて、そんな状況ですが、数日前にトランプ大統領の周辺が折れる様子を見せ始めました。本物の「壁(wall)」じゃなくてもいいと。違法入国の「障壁(wall)」となるものに予算をくれるなら政府機能停止を解除すると譲歩しだしたんですね。ここでいう障壁は、国境パトロール員の増加やドローンでの監視等の違法入国の抑止(deterrence)になるもの。それは結局、いつものようにトランプが癇癪(tantrum)を起こしてポシャったんですけど、その時CNNのコメンテーターが次のようなことを述べたんです:
トランプの「wall wall」を建てたって、入ってくる奴は必死なんだから入ってくるよ。それに、違法入国者の大半は観光ビザで入ってきたあとのビザ切れ不法滞在じゃん
ここで意図的にwallを2回繰り返したんですね。これが冒頭に述べた「同じ単語を2度繰り返す表現」の意味です。この「wall wall」のニュアンスって分かりますか?
実は「壁の方のwall」って意味なんです。
つまり、その時点で単語「wall」には2つの意味合いができています:
- 物理的な壁(wall)
- 抑止となる障壁(wall)
ですね。このコメンテーターは「wall wall」と二度繰り返すことで、1番の「壁の方のwall」と言ってたわけです。
でも、これだけだと2番の方の「wall」を指し示す方法がないように思えます。でも大丈夫。前後のコンテキストから話者がなんの「wall」を意味したいのかは大体わかります。
「doctor doctor」の意味
別の例をもう一つ(どの海外ドラマの例かは忘れてしまいました)
友達にお願いされて初対面のデート(blind date) に行くとしましょう。乗り気じゃなかったけど、相手が「お医者さん(doctor)」と聞いて渋々って感じでね。指定されたレストランに行くと、あら残念、オタク系の男が待っているのです。そして相手の自己紹介を聞いてビックリ。大学で応用物理学を研究しているのだとか。そこで一言
あなたって「doctor doctor」じゃないわけね
この場面も「doctor」に2種類の意味合いがありますよね:
- お医者さんのdoctor
- 博士号持ちのdoctor
だからここは、「お医者さんの方のdoctorじゃないわけね」というニュアンスになります。
「now now」の意味
最後にもう一つの例。
母親から今買い物に行くように頼まれたとします。安請け合いでOKして、見てる最中のテレビ番組が終わる15分後に行くことにします。テレビを見てると、母親が部屋に入って来るなり、あなたにこう言うんです:
母: 買い物「今」行ってきてって言ったじゃない。なんで行かないの?
あなた: 「今」って「今すぐ」のことなの?
これを英語にしたら「now now」になるのは分かりますよね。母親のnowは「今すぐ」なのに対し、あなたが思ってたnowは「これから」と少し差があったのです。
ちなみに、「now now」を辞書で引くと、相手をなだめる意味が出てきますね。
いずれにしても、この同じ単語を2回繰り返すことで「○○の方の○○」と曖昧な点をなくせる表現、日常会話では結構出てくるようですね。
ただ、これを海外ドラマの字幕から検索するのが至難の業なので、今回は実際の海外ドラマのセリフは割愛です。名詞だけでなく、形容詞でも複数のニュアンスがある時は2回繰り返すことで「○○の方の」を意味できます。
最後に
ということで、今回は「同じ単語を繰り返す表現」の紹介でした。これを自力で使いこなすのは少々難しいですが、海外ドラマを英語で見てれば必ず出てくる表現ですから、注意してみると良いかと思います。こういうのって意識しだした途端出てくるのがよくあるパターンだったりしますよね(笑) それではー。
追記
English Language & Usage Stack Exchangeで、この「同じ単語を繰り返す表現」が取り上げられていました。検索ワードが分からず時間がかかりました(笑) ちゃんと認識されているんですね。
この記事に出会うまで、「chop-chop」や、「so-so」「fifty-fifty」といった、繰り返して一語になる英単語に何度泣かされたか・・・(笑)
なお、質問者が例で出しているのが『となりのサインフェルド』なのが面白いですね。やっぱし、テレビ番組は英語の勉強になるんだなあ。
なお、一番スコアが高い回答によると、学術論文では「contrastive focus reduplication」や「double-construction」と呼ばれるみたいですね。その論文のpdf名が「salad-salad.pdf」のところで爆笑(笑)
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