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『セックス・エデュケーション』の「Satsuma」

久しぶりに新しい海外ドラマを見始めました。ネトフリの『セックス・エデュケーション』。オカンが性カウンセラーをやってる影響で、主人公オーティスが高校で性カウンセラーのバイトをし始める内容。アメリカナイズされた高校でイギリス英語が話されるので少し不思議な感じの海外ドラマ。舞台はどこなんだろう? まだエピソード3までですが、思春期のさまざまな性の悩みが垣間見え、なかなか面白いですね。

さて、そんな『セックス・エデュケーション』を見ていたら、突然日本語が出てきてビックリ。それが表題の「Satsuma」、さつま、薩摩?!。一体どういう意味か、分かりますか? 場面は次のシーン。パーティーにお呼ばれされ、おめかしする黒人エリック。全身オレンジでキメます。鏡の前でイケてるか尋ねると、オーティスは「Satsumaみたい」のつれない返答なんです。

エリック: How do I look?
オーティス: Like a satsuma.
『セックス・エデュケーション』で、鏡で身だしなみをチェックするオーティスとエリック
Sex Education [Credit: Netflix]

「Sastuma」の意味とは?

この単語「satsuma」を辞書をひくと、なんと、

このSatsumaは「ミカン」の意味

なんだそうです。確かにオレンジ色だけどさ・・・。

satsuma

種無しの剥くのが容易な日本原産マンダリンオレンジの栽培品種。同意語:ミカン

A seedless and easy-peeling cultivar of mandarin orange of Japanese origin. Synonym: mikan

「Sastuma」の語源

でも、なんでミカン🍊が「さつま(薩摩)」になったなんでしょう? 以下のページ(アーカイブ済み)に「sastuma」の語源もありました:

The Satsuma Mandarin

歴史

薩摩オレンジは中国が起源かもしれない、しかし700年以上前に日本で初めて報告された、そこでは現在主要な柑橘類である。米国フロリダへの記録された最初の導入は1876年ジョージ・R・ホールによる。「さつま」という名前は在日本アメリカ公使ロバート・B・ファン・ファルケンブルグの妻の功績である、彼らは1878年、薩摩(旧名、現在の九州の鹿児島県)から母国にミカンの木を送ったのだ、ミカンの原産はそこであると信じられている。

History

Satsuma mandarin may have originated in China, but it was first reported in Japan more than 700 years ago, where it is now the major citrus species grown. The first recorded introduction into the United States was in Florida by George R. Hall in 1876. The name “satsuma” is credited to the wife of a United States minister to Japan, General Van Valkenberg, who sent trees home in 1878 from Satsuma, the name of a former province, now Kagoshima Prefecture, on the southern tip of Kyushu Island, where it is believed to have originated.

ということで、昔みかんの木をフロリダへ送ったアメリカ人が居て、贈り元となった地名が薩摩だったことから英語で「sastuma」となったのでした。

海外で売られるミカン(薩摩、satsuma)
Image by No-longer-here from Pixabay

アメリカでのミカン栽培の凋落

その後、このsastumaはアメリカへ大量に輸出されます、3年間で100万本のミカンの木だそうです(笑):

Citrus unshiu

1908年と1911年の間に、100万本のウンシュウミカンの木が低い湾を持つ州経由で輸出された。

Between 1908 and 1911 about a million Owari mikan trees were imported throughout the lower Gulf Coast states.

しかし、幸せな日々は長続きしませんでした。アメリカでの気候が微妙に合わなかったのです:

しかし、この民間の産業は1911年の零下13.3度の寒気、1915年のハリケーン、そして1930年代後半の寒期で被害を被ることになった。

However, the commercial industry was damaged by a −13.3 °C (8.1 °F) cold snap in 1911, a hurricane in 1915, and a very cold period in the late 1930s.

ということで、寒さでアメリカでのミカン産業が大打撃を受けたのでした。

最後に

今回は海外ドラマで唐突に出てきた「sastuma」という単語の意味と語源を深堀りしてみました。一言で言えば、薩摩から送られたミカンなのでした。

英語で海外ドラマを見ていても、やはり本質は日本人なので日本語が出てくるとすぐに分かりますね。次に出てくる日本語は何なのか、興味津々です。それでは〜


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