「Liability」の意味

このブログは私が海外ドラマを見てる中で見つけた面白い英語表現なんかを紹介してるわけですが、一つ難しい問題を孕んでいることが最近分かってきたんです。それは、私が英語を勉強すればするほど、英語力が向上すればするほど、難し目の語彙も簡単に感じるようになり、結局枝葉末節なものを紹介しがちになるということです。この前のテフロンなんてまさにそれ。意味としては面白いけど、実用性皆無じゃないですか(笑) でも今更look forward toなんて記事にする気も起きないし・・・。うーん、どうしよう。自分の英語力が逆にマイナス要素になるなんて・・・

と、半分本気半分冗談の前口上で始まった今回の記事のお題は「liability」。意味はマイナス要素、お荷物のことです:

liability

足を引っ張る障害、欠点、世話をしなければならない者の重荷となる物・人;他者を危機に陥れる人物や行動。

A handicap that holds something back, a drawback, someone or something that is a burden to whoever is required to take care of them; an individual or action that exposes others to greater risk.

「Liability」の典型例

簡単な例は、運動会のリレーをしてるところを想像してください。あなたのチームのアンカーがレース直前に足をくじいてしまいました。この時、そのアンカーは「liability」なんです。だって、チームの勝利へのマイナス要素、お荷物になってしまうから。つまり、居ないほうがマシなくらいなんです。

実際、海外ドラマ内では「liability」と見なされると命の危険があったりします。マフィア末端のチンピラが組織の麻薬取引の全体像を偶然知ってしまったとして下さい。製造から配送販売まで全部です。そいつが警察にしょっ引かれ自白されてしまうと、組織壊滅の危機です。つまり、そのチンピラはマフィア組織にとってliabilityとなるわけですね。そして海外ドラマをよく見てる人なら、チンピラのその後の運命は容易に想像できるのではないでしょうか。そう、「東京湾に沈められる(sleep with the fishes)」んですね(笑) ←こういう表現が個人的に大好きなんです。現実で使い道あまりないですけど。

海外ドラマでの「Liability」の例

それでは最後に、海外ドラマ内でのliabilityの使われ方を見ておきましょう。

ビッグバン★セオリー

『ビッグバン★セオリー』のラジ主催のスカベンジャーハント回から。ゲームをするのに二人一組のチーム分けをするのですが、レナードは恋人ペニーと一緒のチームになりたくない様子。それに激おこのペニーは「私がliabilityになると思ってるのね」とレナードの心の内を見破ります。直後に「liability」を文章の中で正しく使えたと賢さもアピールです(笑)

ペニー: you don’t think I’m smart enough. You think I’m gonna be a liability. Even though I totally just used the word “liability” correctly in a sentence.
『ビッグバン★セオリー』でスカベンジャーハントに参加するペニーとエイミー
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

ブレイキング・バッド

次は『ブレイキング・バッド』のガスとマイクの会話から。ジェシーが人生破れかぶれになって手がつけられない状況になります。それをマイクは「liability」とし、手遅れになる前に何か手を打つ必要があると説きます。悪の組織が言うと、やはり東京湾行きが想像されますね(笑)

ガス: What can I do for you?
マイク: It’s Pinkman. He’s become increasingly incautious. He’s a risk. A liability.
『ブレイキング・バッド』で、マイクはジェシーが組織にとってマイナス要素になるとする
Breaking Bad [Credit: AMC]

メンタリスト

『メンタリスト』では、ジェーンが収監中の囚人の無実を証明しようと古い事件をほじくり返そうとするところ。上司はその行為を「liability」とし、これ以上事件に首を突っ込む場合はジェーンを追い出すとします。既に有罪になっている人物の判決を覆す事は警察のメンツを潰す行為でもあるわけで「liability」と言われても仕方ないですね。

ジェーン: He’s innocent.
上司: If you pursue this any further, I’m gonna have to throw you out of the CBI. We can’t take the liability.
『メンタリスト』で、ジェーンはレッド・ジョンの情報を知っている囚人の無実を証明しようとする
The Mentalist [Credit: CBS]

最後に

以上、今回は海外ドラマでは結構必須な語彙「liability」の意味と使い方を見てみました。「お荷物」と言う意味。題名の「マフィアの一員がなっちゃダメ」って意味が分かってもらえたと思います(笑)

なお、liabilityの反対はassetなんですけど、liabilityに比べるとあまり使われない印象です。 スパイの意味のassetは結構出てくるんですけどね。それでは〜