句動詞「Add Up」が「納得いく、合点する」の意味になる理由
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句動詞「Add Up」の意味とは?
句動詞「add up」って、海外ドラマでは非常によく出てくるんです。 意味は「納得いく、合点する」
add up
(イディオム的、自動詞)辻褄が合う、合理的だ、一致している。
(idiomatic, intransitive) To make sense; to be reasonable or consistent.
これには最近慣れたんですけど、最初は結構混乱したんですよね。だって、addですよ、add。加えることがどうして納得になるのか?
と、その前に、ここの前置詞「up」は「全部〜し終える」的な意味ですよね。例えば、use upなら使い尽くすイメージ。だから、add upなら、数字をすべて加え尽くして合計を出す感じです。例えば↓とか。
ここから、add upに「合計が合う」的な意味が出るまでにはそんな遠くないです。
例えば、給料日前なのにお財布に一銭もないとします。いつもは余るのに今月はどうしてこんなに厳しいのか疑問に思ったあなたは、出費を計算することにしました:
用途 | 費用(円) |
---|---|
給料 | +30万 |
家賃 | −10万 |
食事 | −5万 |
携帯代 | −5万 |
交遊費 | −5万 |
光熱費等 | −5万 |
合計 | 0万 |
数字をadd upしてみた結果、お財布の中身とぴったし一致しました。つまり、合計が合ったんですね。支出の犯人は携帯代だったのでした(笑) 友達と長電話しすぎたのかも・・・。こんな感じで、add upに「計算が合う」的な意味が出てきました。
ここからadd upが「納得がいく」の意味を持つまでは、ほんのちょっとの道のりです(もう既に、その意味を薄っすら帯びていますけど(笑))。
あなたは刑事で、ある事件の犯人を追ってます。犯人に直接結びつく証拠は全く無い状況ですが、状況証拠から被害者の息子が怪しいと考えています。そこで、状況を表にして整理してみます。
状況証拠 | 息子の怪しさ |
---|---|
保険金が入る | ★★★ |
当日アリバイがない | ★★ |
事件後金遣いが荒くなる | ★★ |
事件直前に親と喧嘩 | ★★ |
事件直前に殺人方法をネットで検索 | ★ |
事件直前に大金が入ることを友人に匂わす | ★ |
携帯電話の任意提出を拒否 | ★ |
提出されたスマホのデータが全て消去 | ★★ |
捜査に非協力的 | ★★ |
他にめぼしい容疑者が居ない | ★★ |
合計(息子が犯人) | 100%? |
こうやって見るとどうでしょうか? 怪しさを計算してみたところ、息子が犯人であることが「add up」してきませんか? つまり、息子=犯人と考えると計算が全てうまくいくんです。だから、「納得・合点・得心する」という意味が出てくるんですね。
逆に、add upしないパターンもよく見かけます。というか、add upは否定の方での利用のほうが多いくらいです。例えば容疑者に動機が全くない時など。いくら状況証拠を積み重ねても、動機がないんじゃ納得できないし、裁判の公判も維持できません。海外ドラマだと、番組前半ではadd upしてなくても、番組後半で過去の因縁が突如浮上して、最終的には犯人であることがadd upすることもよくありますね(笑)
海外ドラマでの「Add Up」の例
それでは、海外番組での句動詞「add up」の使われ方も見てみたいと思います。
『探偵モンク』から
以下の『探偵モンク』の場面は、容疑者の事件当日の行動がadd upしないとモンクが言ってるシーン。itはその事件当日の行動のことを表しています。こんな感じで、add upの主語は人でなく行動や状況になります。
モンク: It doesn’t add up.
容疑者: Oh, yeah? What doesn’t add up?
モンク: The night she died, the two of you were going to a fundraiser at the Baker Street Pavilion.
容疑者: Yeah, that’s right. It was a fundraising concert. For this hospital.
モンク: Right, but she forgot the tickets and that’s why she went back upstairs.
『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』から
次の『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』は、議員が暗殺されそうということでジョンはシークレット・サービスに扮して議員を保護しますが、ジョンを攻撃してきた相手も実は議員を保護しようとしていたことが判明した場面。両者の目的はなんと一緒なんです。そうすると、何かが「add up」しませんね。つまり、計算に考慮すべきなのに見つかっていないミッシングピースがある感じです。
『モダン・ファミリー』から
次の『モダン・ファミリー』では、父ジェイが子マニーが飼っていた亀を日中の留守番中に殺してしまい、アライグマ(raccoon)の仕業に仕立てたシーン。マニーはnot make any senseと、ラクーンが犯人であることに納得しません。というのもラクーンは夜行性だからです。ジェイは、夜食(midnight snack)は誰でも食べると言ってから、It all adds up.とします。マニーは渋々同意します。ここを見ると、make senseとadd upは同じ意味で使われているのが分かります。
ジェイ: That’s him. Sorry, pal.
マニー: It just doesn’t make any sense.
ジェイ: Yep. Only the good die young.
マニー: But in school, we learn raccoons are nocturnal. They sleep during the day.
ジェイ: They sure do, and this one must’ve got up for a midnight snack. You know, we’ve all done that.
マニー: I guess so. Yeah.
ジェイ: It all adds up.
ジェイ: It all adds up.
最後に
今回紹介した句動詞「add up」の意味は納得するで、日常会話で頻出の表現です。合計して計算が合うところから、納得するの意味が出たみたいですね。make senseと同じ意味でした。調べたところ、海外ドラマでは否定での使われ方のほうが多かったです。だいたい8〜9割が否定での利用。最初はaddなので違和感ですけど、慣れれば結構簡単です。特に否定は、合計していったのに思った結果にならない時に使えます。例えば・・・明らかに自分より能力の低い同僚の方が先に昇進しちゃうとか?(笑) 嫌な例えですねw そうそう、たまに英語ペラペラに喋れるのにTOEICのスコアが低い人いますよね。あれはあれでadd upしない好例かも。まあ、テスト形式に慣れていないだけだと思いますけど。
いずれにせよ、add upの意味がこの記事でadd upすれば幸いです←これが言いたかった(笑)
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