「With great power comes great responsibility」の意味

今回は『スパイダーマン』の中の有名な台詞「With great power comes great responsibility」を紹介。意味は、「大きな力とともに大きな責任がやって来る」。つまり、大きな力を手に入れたら正しいことに使え、ってことかな。これは何にでも言えますよね。政治家にだってそうだし、大人になることだってそう。もしかしたら、皆さんの会社の上司にも言えるかも知れません。得てして、人は権力を手に入れると乱用(abuse)しがち。しかも無意識にやるので、更にタチが悪いのですが・・・。

英語文法的にこの格言正しい?

さて、文法ナチスの方なら、前置詞から始まるこの文が文法的に正しいのか気になるかもしれません。調べると結局、Great responsibility comes with great powerの倒置なので、正しいんだそうです。修辞法の一種なんだって。

以下にそのまんまのスレッドがありましたので、気になる方はリンク先をどうぞ:

Is 'With Great Power Comes Great Responsibility' grammatically correct? - Quora⤴️

「With great power comes great responsibility」の語源

ところで、この台詞ですが、初出は漫画でのナレーションだったみたいですね。しかも、現在広く知られているのと少し違っています。With Great Power There Must Also Come — Great Responsibility! アンクル・ベンの死を止められず自責の念に駆られて肩を落とし去っていくスパイダーマンに、ナレーターが語りかける構図です。

『スパイダーマン』で、アンクル・ベンの死を止められず、自責の念に駆られて肩を落とし去っていくスパイダーマンにナレーターが「With Great Power There Must Also Come --- Great Responsibility!」
Amazing Fantasy #15 [Credit: Marvel Comics]

痩せて静かな人影は、深まっていく闇の中にゆっくりと溶け込んでいく、「大きな力には、いつだって伴うーー大きな責任が!」ってことを自覚しながら

そして、伝説は生まる。ファンタジーの世界をドキドキの領域に変える男たちの名簿に新しい名前が追加されたんだ!

海外ドラマでの「With great power comes great responsibility」

もちろん、この台詞は超有名なので海外ドラマの中にも出てきますね。ここだけの話、実は自分は『スパイダーマン』由来とは今回調べるまで知りませんでした(笑)

ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア

次の『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』では、仕事の内容をこのフレーズを使って紹介。

Like they say, with great power comes great responsibility.
『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』で、スパイダーマンの「with great power comes great responsibility」を引用
The Sopranos [Credit: HBO]

あなたの知らない卑語の歴史

あなたの知らない卑語の歴史』の「Bitch」回では、b-word(bitchの意)という単語を使うときは大きい責任が伴うと、有名セリフを引用して述べます(笑)

Still, we can’t deny that the b-word holds great power, and with it comes great responsibility.
『あなたの知らない卑語の歴史』で、bitchを使うときは責任が伴うと述べる
History of Swear Words [Credit: Netflix]

オレンジ・イズ・ニュー・ブラック

そして『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』では、responsibilityとpowerを逆にして引用していますね(笑) これは絶対あるある。だって、既に倒置されちゃってるので、どっちが先か混乱しますから。でもこれだと、責任と一緒に力が来るとなるので、意味合いが少し変わってしまいます。

-With responsibility comes great power.
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』で、With great power comes great responsibilityを間違って引用する
Orange Is the New Black [Credit: Netflix]

最後に

今回はスパイダーマンのセリフナレーション「With great power comes great responsibility」 についてでした。修辞法による倒置で、文法的にも問題ないんですね。

ところで、こういう有名な台詞はスピーチなんかの〆で非常に使い勝手がいいと思うんですけど、どうでしょうか? 先にも述べたように、政治家・親・先生・国連なんでも当てはまりますからね。責任とか権力とかがテーマの時に使えるか検討するのもいいかも。

でも使う場合は、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のように逆にしないこと。せっかくの決め台詞が台無しで、mic dropできずに、womp wompされてしまいます(笑)

それでは〜