「Dead to Me」の意味

dead to me」は初見だと脅迫しているように聞こえますが、辞書によると意味は「絶交、金輪際口を利かない」。それを表現するのに、英語では「dead」を使うのが面白いですよね。でも、「お前は死んだも同然→存在しないと見做す」ってことだから、意味はそんなに遠くはない感じです:

dead

(人が)とても憎いので完全に無視される。

(of another person) So hated that they are absolutely ignored.

海外ドラマの中の「Dead to Me」

それでは、海外ドラマの中でどう使われているか、確認してみましょう。

『ビッグバン★セオリー』では

実は、『ビッグバン★セオリー』の次のシーンを紹介したかったのでした。というのも、シェルドンがdead to meの意味をものの見事に説明してくれているから。

状況はこうです:バーで引っ掛けた女の子を研究室に連れてくるハワード。これからというところで急用が入り、友人のレナードに女の子を家まで送ってもらうことに。しかし、女の子はレナードに寝取られます。そのことを後日知ったハワードがお冠で、レナードに対しYou are dead to me。その後の別シーンでもレナードのことを無視し続けるハワード。そして、その状況をわざわざ事細かに説明するシェルドンです(笑) シェルドンのセリフは全訳を載せておきます。schoolyard paradigmというところで、この表現が子供っぽさを含んでいることが分かりますね。

ハワード: You are dead to me.

[…]

レナード: Hi, Howard.

ハワード: (無言)

シェルドン: Howard is employing a schoolyard paradigm in which you are, for all intents and purposes, deceased. He intends to act on this by not speaking to you, feigning an inability to hear you when you speak and otherwise refusing to acknowledge your existence.(ハワードは校庭での実例を採用しているんだ。その中では、君は実質的には「お亡くなり」になっている。彼は、君に話しかけないことと、君の声を聞けない振りをすること、あるいは君の存在を認識することを拒否することで、これを実行しているんだ。)

ハワード: You are dead to me.
『ビッグバン★セオリー』で、ハワードがシェルドンに絶交を宣言
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

『リック・アンド・モーティ』では

夫婦仲がうまくいかない夫ジェリーと妻ベスは、リックによって宇宙人の夫婦セラピーに連れてこられます。そこで、まずお互いをどう見做しているのかを調べるため脳内スキャン。ベスは、強めにスキャンしろと指示します。というのも、夫は「dead to me」だからです。つまり、ベスの頭の中では存在すらほぼないってわけですね。ちなみに、相当酷い生き物としてスキャンされます(笑)

宇宙人セラピスト: Now, we scan for Beth’s perceptions of Jerry.
ベス: Scan hard. He’s dead to me.
『リック・アンド・モーティ』で、ベスの考える夫ジェリーが表示される
Rick and Morty [Credit: Adult Swim]

『ママと恋に落ちるまで』では

感謝祭回から。リリーの疎遠になっていた父親が突如現れます。しかし、リリーには良い思い出は無いそうです。フラッシュバックの一つに、リリーが父に激怒する状況が述べられます。その時のリリーの顔を、ナレーションは「you’re dead to me look」と形容します(笑) 実際のその時の顔を貼っておきますけど、これがすごいんです。

ナレーター: her “you’re dead to me” look.
『ママと恋に落ちるまで』で、怒りに顔が豹変し目を赤く光らせるリリー
How I Met Your Mother [Credit: CBS]

最後に

今回紹介したdead to meは、辞書には「絶交、口を利かない」と載ってましたが、実際のシーンを見るとそれ以上ですね。普通に、「死んだも同然」でよさそうです。日本語の絶交は交流を絶つだけで、存在自体を消すまでは行かない感じですから。ちなみに、dead to someoneと一般化されて辞書には載ってましたが、使用例がほぼdead to me一択だったので、これをタイトルとして採用しています。

なお、今回の紹介例にはありませんでしたが、条件文で「○○したら、dead to me.」という釘を刺すパターンもありました。打ち明けた秘密を他人に漏らしたら、とかですね。

まあ、現実では他人から「dead to me」されないようにしたいものですね(笑) それでは〜


(追記)検索エンジン経由のアクセスで気づきましたが、ネットフリックスで同名の『デッド・トゥ・ミー』なる海外ドラマをやると今知りました(笑) 偶然とは恐ろしい・・・。