第一文型(SV)の表現力の無さ

英文法を勉強し始めると習う5つの「文型」ってありますよね、SV、SVC、…、SVOCとか。その中の最初に出てくるいわゆる「第一文型(SV)」ですが、これって使い所あまりないし、かなり蔑ろにされていますよね。だって、

-I walk.

-あっそ、で?、Duh

表現力が全然無いんです(笑) 宿題で、これで文作れって言われても、作れるわけがない。

でも、最近気がついちゃいました。

この表現力のなさが逆に深みを増すことに・・・

と言っても、言ってる意味分からないと思いますので、具体例で見ていきましょう。

具体例

Time Flies

最初は有名な「光陰矢の如し」の訳でおなじみTime flies.です。動詞がflyですから、ビュンと行っちゃう感じ。だから、「時は早く過ぎ去る→時間を大事にしなさい」というニュアンス。ほら、SVの癖に結構深いでしょ(笑)

Opposites Attract

Oppositesは正反対の物同士。それがattractするんだから、「引き合う」んですね。磁石のN、S極から、果ては凸凹カップルまで。自分に無いものを相手に求めるから、自然とOpposites attractになるのですね。って、ほら、人生訓まで作れちゃいます(笑)

Money Talks

最後は、自分が今回の記事を書くきっかけになったMoney talks。お金って生き物じゃないから話せないけど、比喩的に話せると言ってるんですね。つまり、「金がものを言う」って感じ。日本語でも同じ表現ですね。

実は、この表現ってネット上のコメント(reddit等)で頻繁に見かけるんです。「結局最後は金かよ」という庶民の嘆きとして。

例えば、アメリカの現司法制度は色々問題を抱えているんですけど、大きな問題の一つに「Two-Tiered Justice System」というのがあります。万人は法のもとで平等であるべきなのに、2層に分かれてるというんです、金持ち向けと一般向け・・・。全く同じ犯罪を犯したのに、金持ちはコミュニティーサービスくらいで許される一方、貧乏人は有罪になってしまう。そんな事件が発生すると、Money Talksがコメント欄にあふれるんですね。

以上、たった3つの例でしたが、私が言わんとするSVの「深み」のニュアンス分かってもらえたでしょうか? 探せばこれ以外にも第一文型(SV)で真理を述べている警句がいくらでもあると思います(笑)

説明しない=深みを増す

ちなみに今回の話って、ぶっちゃけ第一文型(SV)とか関係ないんです。

詳しく説明しない=相手の想像力に任せる=相手の想像力に応じて勝手に深みが増す

ってだけですから(笑) 俳句とかと同じ原理。

試しに、Money Talksを小学生に言ってどういう反応をするか考えると、これは分かると思います。彼らは社会経験があまりないから、Money Talksと言われてもピンとこないはずです。「お金は話せないよ、バカジャネーノ」と言われちゃうかも(笑)

ただ英語だと、第一文型(SV)の表現力の制限が、逆に深みを増す方向に働くんですね。

最後に

今回は第一文型(SV)の持つ深みを紹介してみました。これだったら、自分でもなんか作れそうな感じじゃない? コツは主語を無生物にすること。

ここまで書いてきて少し思うんだけど、そもそも第一文型(SV)を英語初学者に教えるのってどうなんでしょう? というか、今回この記事を書くに当たり洋書の英文法書を紐解いたんですけど、 第一文型(SV)とか全く載ってないんですよね。もしかして、第一、第二と番号振って分かった気になってるのって「日本だけ」なんじゃ・・・(笑)