「I do.」が持つ意外な意味

I do.」は、英語を勉強してるとYes/No疑問文を習ったときに出てきますよね。

-Do you…?

-Yes, I do.

これは相手が使った動詞を繰り返さないで、ただdoで代理しているだけです。

しかし意外なことに、「I do.」には特別な意味が実はあるんですけど、皆さんお分かりになるでしょうか?

分からない人のためのヒントを:

この「I do.」を言うのは通常生涯一度であったのですが、ここ最近の社会環境・道徳の激変で、一度も言わない人や複数回言う人も近年では出てきています。

まだ分からない? それじゃ、Urban Dictionaryからも引用します:

I do

人が人生で犯せる最大の過ち。

The biggest mistake a person can ever make in their lifetime.

人生最大の過ちだとか(笑) Urban Dictionaryらしい捻くれた見方です。

さて、ここまでくれば薄々人生のどんな行事に関連してるか予想が付くのではないでしょうか? そう、結婚なんです。そして、結婚式で「I do.」を言う瞬間は唯一つ。神父に「<相手>を妻(夫)とすることを誓いますか?」と訊かれ、それを誓う時なんですね。

I do

伝統的なフレーズ、結婚を承諾する時に使われる。

A traditional phrase said upon acceptance of marriage.

フレンズでの「I do.」

実際、『フレンズ』のフィービーとマイクの結婚式から実例を拾ってみましょう。神父が来れずジョーイが神父役をしているだけですが、フィービー、マイク共に「I do.」ですね。ちゃんとpronounceしています。

ジョーイ: Mike, do you take this woman to be your wife
マイク: I do.
ジョーイ: I now pronounce you husband and wife.
『フレンズ』で、フィービーとマイクの結婚式での誓い
Friends [Credit: NBC]

フルハウスでの「I do.」

もう一つの例を見てみます。お次はかなり古いシットコム『フルハウス』から、ジェシーとレベッカの結婚式。

神父: do you take this woman to be your lawfully wedded wife,
to love and to cherish for as long as you both shall live?
ジェシー: I do.
『フルハウス』で、ジェシーとレベッカの結婚式
Full House [Credit: ABC]

こんな感じで「I do.」には特別な意味「結婚式の誓い」があるのでした。だから、前述のUrban Dictionaryは人生最大の過ちと皮肉ってたのですね(笑)

「I do.」の応用問題

さて、ここから先はボーナスセクション。今まで見てきたことを使って海外ドラマのとある一場面の意味を考えてみましょう。

そのドラマの題名は『世にも不幸なできごと(A Series of Unfortunate Events)」です。子供向け小説が原作のドラマですね。ボードレール三姉弟妹に次々と災難がやってくるストーリーです。ちなみに、三姉弟妹は莫大な財産を相続する権利を保有してますが、ある年齢になるまでお金を自由に扱えないようになってます。

次は、三姉弟妹がオラフ伯爵に引き取られた後の場面。オラフ伯爵は彼らの財産を狙っており、そこで一計を案じます。自分が主宰する劇団で劇を公演して、三姉弟妹の長女ヴァイオレットを出演させるというのです。その役は自分と結婚する女性。そして、台詞はたった1行。オラフが「君ならその台詞が何か分かるさ」と言うと「分からない(I don’t.)」とヴァイオレット。オラフ伯爵は「違う、違う、”I do.”」だと返します。この会話の何が面白いのかを考えてみて下さい。

オラフ伯爵: you only have one line, and I think you know what it is.
ヴァイオレット: I don’t.
オラフ伯爵: No, no, no. It’s “I do.
『世にも不幸なできごと』で、オラフはヴァイオレットと劇の中で結婚しようと画策
A Series of Unfortunate Events [Credit: Netflix]

もちろん、オラフの「I do.」は結婚式の誓いの意味なんですね。でも、ヴァイオレットはYes/No疑問文「知ってるか?」に対する否定の回答をしたのです(笑) そこですれ違いが発生しているんですね。

最後に

今回は「I do.」に秘められた意味・ニュアンスを見てみました。結局は、結婚の誓いの際の「I do.」なのでありました。

こういうのって日本人が把握するのってかなり難しいと思うんですよ。自分もこの前まで知りませんでしたし。ただ『世にも不幸なできごと』を見ているときに、上記場面で何かがピンとこなかったんです。二人の会話がすれ違っていると言うか・・・。まあ、その時は「I do.」の意味を知らないのですから当然ですね。そこで、いろいろ調べて、最終的にこの記事が出来上がったというわけです(笑)

こういう教科書にないことを学べるのが、海外ドラマ視聴の良いところですよね♪

『世にも不幸なできごと』も、要所要所で難しい英単語の意味を視聴者に説明してくれたりして、不思議&面白い海外ドラマで、おすすめです。それでは〜