はじめに

『ウォーキング・デッド』と言えばゾンビ。メチャクチャ怖いですよね。そして、それより怖いのが人間というのが裏の主題となってたりもします。ああいった現在の文明が一度没落してしまう世界観はpost-apocalyptic(ポスト・アポカリプティック) と言われますよね。もうすでに作品の一ジャンルとなってます。

文明破滅後の世界イラスト
Image by Camila Rodrigues from Pixabay

さて、当の『ウォーキング・デッド』内ではゾンビのことをゾンビと呼んでた記憶がないんですけど、ありましたっけ? 個人的にゾンビなんだからゾンビでいい気がするんですけど、ドラマの中だとなんかみんなバラバラの呼び方なんですね。それを今回紹介しようというわけ。

ちなみに、ゾンビコメディ(?)の『バタリアン』では普通にゾンビ(zombie)と呼ばれていますね。

『バタリアン』で、ゾンビ化した警察官
The Return of the Living Dead [Credit: Orion Pictures]

ところで、英語のイディオム表現に「call a spade a spade」と言うのがあります。ここのspadeはトランプのスペードではなく、農具ののこと。どうも鍬のことを遠回しにガーデニング用品とか呼ぶ人が居るみたいですね。でもさ「鍬なんだからそのまま鍬と呼べばいいじゃん」って考えからこのイディオムが出てきたのでした。つまり、言い換えると、婉曲的に表現したり、飾り立てたり、ぼかしたり、周囲に忖度せずに、そのものをありのままに呼べばいいってこと。

だからこのイディオムを借りると、私の上の意見は、call a zombie a zombieと言えるかもしれませんね(笑) まあ、この世界ではゾンビという呼称が元々なかったという設定なのかもしれません。

そこで、今回はそんなゾンビさんたちが番組内で何と呼ばれているかを見ていこうと思うんですけど、ちょっとその前に、この呼称が沢山あるっていう設定について感想を述べさせて下さい。自分はこの設定大好きなんです。この世界では、ゾンビ化が発症して急速に広がって、それで文明がほぼ壊滅したわけですよね。地表はゾンビたちがのさばって、生き残った人間たちは各地に点々と小さいコミュニティを作って、寄り添いながらなんとか生きながらえている・・・。だから、各々のコミュニティ内でゾンビに対する独立した呼び名が発生するってかなり自然な気がするんです。そして、現代のような高度情報化社会では既になくなっているので、そういった呼称はコミュニティ間で共有されないんですね。独立したまま。かなりリアリスティックじゃない? そして、更にもう一点。多分ですけど、ゾンビ化がパンデミックになった際に、テレビ等メディアで専門家が学術的な小難しい呼称を付けたと思うんです。単にゾンビじゃなく、○○症候群とか。あり得るでしょ(笑) でも、そういった専門用語は継承されないんですね。生き残った人はゾンビを表すのにふさわしい呼び名でただ呼ぶだけ。学者なんか知ったこっちゃない。この辺の設定も超現実的なんです。これはドラマじゃなく、元の原作のコミックからしてそうなっているので、クリエーターを褒めるべきかもしれません。

以上、自分の『ウォーキング・デッド』の好きポイントを述べたところで(笑)、実際ゾンビがドラマ内で何と呼ばれているのか見て、ボキャブラリー強化してみましょう。

『ウォーキング・デッド』で、戦車の上でゾンビに周囲を囲まれるリックの俯瞰シーン
The Walking Dead [Credit: AMC]

Walkers

ウォーカーは我らが主人公リックの呼び方ですね。歩く(walk)からwalkerってわけ。でも最初は小走りしてたりもしますよね(笑) 元々はリックじゃなくアトランタグループが言ってたのかもしれませんが、そこまでは調べておらず。ちなみに、walkerには赤ちゃんなんかの移動がままならない人向けの歩行器の意味もあります。それじゃ、歩行器を付けたまま死んでゾンビ化した人は繰り返してwalker walkerなのか?等疑問が出てきますね(笑)

子供用の歩行器(walker)
Image by Janeke88 from Pixabay

Biters

バイター。これはガバナー(総督)グループが使ってた呼称ですね。噛む(bite)からbiter。アルバイトしてる人ではありません(笑) ちなみに、ゾンビたちの噛む行為は、番組内ではbiteで統一されていますね。噛まれるとbittenです。

女性: Armed guards on the fence and patrolling the perimeter to keep the biters away.
『ウォーキング・デッド』で、ガバナーの街を案内してもらうアンドレア
The Walking Dead [Credit: AMC]

Roamers

この辺からボキャブラリの勉強になってきます。roamは当て所もなく彷徨ってるイメージ。動物が餌を求めてウロウロしてるのにも使われますね。ゾンビもそんな感じなのでroamer。そういえば、スマホなんかのローミングサービスのroamがまさにこれのこと。地表を彷徨ってどこに行っても通信が繋がるってことなんでしょうね。

There’s 10 roamers there.
『ウォーキング・デッド』で、ゾンビ(roamers)がバスを襲う
The Walking Dead [Credit: AMC]

Geeks

geekは通常オタクの意味なので、ゾンビに使うのはふさわしくない感じですよね。でも、英辞郎によると、

geek

サーカスの見世物師(生きているヘビやニワトリの首を食いちぎって見せる、ランクの低いパフォーマー)
英辞郎

とあるので、ゾンビのことをそう呼んでも、そこまで外れてはないかもしれませんね。

The other geeks came and ate all the flesh off his legs.

The Walking Dead/Season 2/Episode 3

以下は『レモニー・スニケットの世にも不幸なできごと』で、サーカスの見世物になるボードレール家の3姉弟妹。まさに、geek。ゾンビっぽくも見えます。

『レモニー・スニケットの世にも不幸なできごと』で、サーカスの見世物になるボードレール家の3姉弟妹
A Series of Unfortunate Events [Credit: Netflix]

Lurkers

lurk潜伏するの意味。つまり、物の影や暗闇、死んだふり(?)なんかをして急に襲いかかってくるタイプですね。ドラマを見てるとBGMも相まって、このタイプがめっちゃ怖いんです(笑)

研究者: They’re… they become docile in a sense.
ガバナー: Lurkers.
『ウォーキング・デッド』で、ガバナーはゾンビで実験する
The Walking Dead [Credit: AMC]

The Infected

infect感染するの意味なので、infectedは感染した。それにtheを付けると名詞になって「感染した者」。これは、疾病対策センターの研究者が使っていました。最後爆発したビルディングに居た生き残り研究者です。でもさ、生き残ってる全人類は既に感染済みだと思うんですけどね。死んだらゾンビになるんだから。

Creepers

creepは日本語の音的にはコーヒーに合いそうですけど(笑)、英語だと「ゾッとさせる物」のこと。動詞で「こっそり近づく」の意味があるので、そういう動物にゾッとするのは万国共通なんでしょうね。日本人的には、形容詞形のcreepyの方が馴染みがあるかもしれません。気付いたらゾンビが真後ろに忍び寄ってたらゾッとするでしょ。だからcreepersという呼称はかなりいいところをついていますよね。ちなみに、『マインクラフト』の爆発する緑の奴もクリーパーですね。

『マインクラフト』のクリーパー
Minecraft

最後に

今回は『ウォーキング・デッド』内でゾンビがどう呼ばれるかを見てみました。色々な呼称がありますけど、自分はやはりゾン(略)

ところで、日本語だったらなんと命名しますかね、もちろん「ゾンビ」禁止で。意外と難しい気がします。歩く死体じゃwalking deadそのものだし(笑) ちなみに、中国だったらキョンシーなんでしょうかね(笑) それでは〜


本格的ボキャビル本↓