始まりは『ホームランド』の黄色いリボン

この前『ホームランド』を見直していたら面白いシーンがありました。ドラマ冒頭、ブロディが8年の囚われの身から解放されて我が家へ戻ってくる際に、黄色いリボン🎗️が結ばれた木の前で記念撮影をするシーンがあります。

『HOMELAND』で、黄色いリボンが結ばれた木の前で記念写真を取るブロディ一家
Homeland [Credit: Showtime]

昔見た時(4年前くらい?)は英語を理解するのに精一杯で細かいところまで気にしてられなかったのでしょうけど、今はリスニングもある程度慣れて余裕が出てきたためか、これに何の意味があるのか疑問を持ちました。いや、兵隊として派遣された夫の無事を願ってるとかそういう意味なのは容易に推測できますけど、この黄色いリボンの正確な意味を知りたくなったんですね。

木に黄色いリボンの由来

それでググったら、Wikipediaに「黄色いリボン」というそのもののページがありました:

Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree

The symbol became widely known in civilian life in the 1970s. It was the central theme of the popular song “Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree”, Written by Irwin Levine and L. Russell Brown and recorded by Tony Orlando and Dawn (among many others), as the sign a released prisoner requested from his wife or lover to indicate that she would welcome him home. He would be able to see it from the bus driving by their house, and would stay on the bus in the absence of the ribbon. He turned out to be very welcome: There were a hundred yellow ribbons.

簡単に訳せば「囚人が刑期を終えて家に戻ってくるときに、家の前の木に黄色いリボンが結んであるかどうかで、妻(恋人)がその彼との今後をどうしたいのか意思表示する」ってわけですね。リボンが結ばれていなかったら、家に立ち寄らずに別の道を歩んでくださいってこと。それが歌の中で歌われて大衆化したみたい。

映画『幸福の黄色いハンカチ』との関係

でもさ、これって、

映画『幸福の黄色いハンカチ』のプロットそのものじゃん(笑)

しかし、どうして日本はハンカチなのでしょう? アメリカと違い日本は敷地が狭く「うちの木」と呼べる木がないから、竿にハンカチとなったとか? そこで調べてみると・・・

幸福の黄色いハンカチ

1971年に『ニューヨーク・ポスト』紙に掲載されたピート・ハミルのコラム『Going Home』をベースに・・・

Yellow Ribbon

In October 1971, newspaper columnist Pete Hamill wrote a piece for the New York Post called “Going Home.” In it, college students on a bus trip to the beaches of Fort Lauderdale make friends with an ex-convict who is watching for a yellow handkerchief on a roadside oak. Hamill claimed to have heard this story in oral tradition.

なんだ、出どころは全く同じニューヨーク・ポスト紙のコラムですね。米国ではリボンだったりハンカチだったりの複数のバージョンがあって、そのうちのハンカチ版が日本に入ったってことかな。

黄色いリボンの大衆化に貢献した曲

ちなみに、下記がその「木に黄色いリボンを結ぶ」事象を大衆に広めるのに貢献した歌『Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree』です。 うーん、どっかで聴いたことあるようなないような、絶妙なメロディライン。OleはOldの訛った言い方ですね。

(追記:)カラオケで練習したら普通に歌えるようになりました。かなりの名曲でアメリカ人受けも良いです(笑)

『ギルモア・ガールズ』での黄色いリボンの例

他の海外ドラマだと、この木に結ぶ黄色いリボンへの言及は『ギルモア・ガールズ』にありました。

大学敷地内で読書するのにいい木が見つかったと娘ローリーが報告すると、母ローレライは黄色いリボンを買わなくちゃとおどけます。ローレライはこういうの好きですよね(笑)

ローリー: Okay, fine, I have to go.
ローレライ: Yeah? Gonna go shopping for a nice yellow ribbon?
『ギルモア・ガールズ』で、キャンパスの紅葉した大きな木の前座って本を読むローリー
Gilmore Girls [Credit: The WB]

最後に

今回は木に結ばれた黄色いリボンの意味を調べてみました。結局は待つ側の受け入れの意思表示ってことですね。

冒頭の『ホームランド』で言えば、妻は夫ブロディの帰りを長年待ち続けたってこと。でも、このシーン、上記キャプチャ画像を見てもらえれば分かるように、黄色がかなり色褪せているんですよ。それはいくつもの季節が巡ったことを示す演出だけではありません。妻の想いも・・・。おっと、ネタバレになるのでこれ以上はやめておきましょう(笑)

一度見た海外ドラマも、たまに見返すと新しい発見があって面白いですよ。それでは〜