皮肉でも、賢い人への呼びかけ「Einstein(アインシュタイン)」
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はじめに
Einsteinの綴りは馴染みがないかもしれませんが、音を聞けば誰のことか一発で分かります。そう、アインシュタインのことなんですね。ちなみに、発音は「シュ」ではなく「ス」と聞こえるので、そこは日本語と違っているところかもしれません。
アインシュタイン博士は相対性理論など物理学に多大な貢献をしたことで知られています。ノーベル賞は1回受賞したっきりですが、4回受け取っててもおかしくない業績だったと巷では言われています・・・すごすぎ
そんな博士の名前は海外ドラマで出てくることがあります。賢い人への呼びかけとしてです。ニックネームとしてではなく、一時的におどけたり、あるいは皮肉を利かせて使われます。皮肉の説明は難しいんですが、次の例のような状況です。
鳴り物入りで会社にすごい学歴の新人が入ってきたとします。東大卒・ハーバードロースクール卒等の完璧なレジュメ。しかし、基本的な技能があれば対処できるタスクで彼がミスを犯してしまうんです。そんな時、海外ドラマの意地悪な上司はこういうのです:
上司: そんなことも分からないのか、アインシュタイン君
嫌味なボスですね(笑) もしかしたら、アインシュタインの呼びかけは、この皮肉での使われ方のほうが多いかもしれません。
そこで今回は、どんな状況でEinsteinが出てくるのか、海外ドラマの場面で見ていきたいと思います。
プリズン・ブレイクから
金はベルリックにやる代わりに、ティーバッグを自分のものとすることで合意するベルリックとマイケル。ベルリックはマイケルのことをアインシュタインと呼んで、次に何をするのか尋ねます。
ベルリック: All right, Einstein. What you thinking?
Prison Break/Season 2/Episode 21
SUITS/スーツから
Suitsの最初のハーヴィーとマイクの面接シーンから。ここから全てが始まった感じですね(笑)
ハーヴィーはマイクの才能を見抜き、即採用。彼のことをAlbert "frigging" Einsteinと呼びます。ここのアインシュタインは本当にマイクの知識に感服してる感じです。ここで、friggingはfuckingの婉曲表現で強調ですね。テレビ局的にfuckは使えないんだと思います。
ハーヴィー: You're Albert "frigging" Einstein and you couldn't manage to get into law school?
Suits/Season 1/Episode 1
ブルックリン・ナイン-ナインから
新しい署長がブルックリン・ナイン-ナイン署にやってきましたが、部下一同は不満たらたら。そこで、部下たちは一計を案じます。ジェイクを新しい署長に近づかせ、スパイするというのです。ジェイクが友だちになろうと署長の部屋に行くと、署長は琉球古武術の武器を取り出して、「これを俺の背中に忘れただろ?」と意味深の発言。ジェイクの頭の中が??なところへ、ジェイクをアインシュタインと呼んでから、「お前は裏切った(stab in one's back)」と言ってから、ジェイクが部下と交わしていた会話を再生します・・・。隠し撮りしていたのでした(笑) ここのアインシュタインは強烈な皮肉ですね。頭が良いとはこれっぽっちも思ってません(笑)
新しい署長: You also like Okinawan martial arts? Because you left this in my back.
ジェイク: Hmm?
新しい署長: What I'm saying, Einstein, is that you stabbed me in my back.
Brooklyn Nine-Nine/Season 3/Episode 2
最後に
今回は賢い人への呼びかけで使われるEinsteinと見てみました。実際本当に賢いと思っているかは文脈依存ですね。ブルックリン・ナイン-ナインの例では、相手のアホさ加減を際立たせるためにアインシュタインと呼んでいます。
今回のEinsteinのような表現は、別に賢い人への呼びかけの事実を知らなくても推測しやすいですよね。でも、皮肉で使われるというのは結構意外なんじゃないでしょうか?
海外ドラマを英語で見るのには、英語の能力はもちろん、こういった一種のお約束・テンプレも覚えていくと視聴が楽になりますね。
ところで、日本語だと賢い人を呼ぶのに何と声を掛けることが多いでしょうか? アインシュタインでは絶対ない気がします。うーん、誰だろ?(笑) 意外と難しいですね。諸葛孔明とか? ちょっと違うか。
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