海外ドラマの前はアウトドアが趣味だった

今回は英語とは全く関係のない昔の個人体験談。

私は海外ドラマを英語で見始める前はアウトドアが趣味の一つで、山とかに泊まりで行ったりもしてたんですよね。実際、海外ドラマ見始めてからもoff the gridに向かったこともありましたし。そんなわけで、普段着も登山とかのアウトドア系の格好でいるようになりました。だって、着心地がよいんですもの(笑) といっても、本格的な登山専用革製ブーツに70リットルのバックパックではなく、街なかでも普通な感じに見えるカジュアルなアウトドアの服装をしていたんです。でも、登山はいつでもできる。この瞬間大地震が起きても俺だけは生き残る確率がちょっと高いと内心思いつつ・・・(笑)

山の岩の上に座る登山者
Image by Pexels from Pixabay

身分証としての車の運転免許証を求めて

そんな私は、当時は車の運転免許証は持っていなかったのです。元々車酔いする方だったし(運転主本人はしないと言われても・・・)、なにせ電車での交通が高度に発達した都内にいたので、わざわざ高い金と維持費を出して車を所有する意味もなかったわけです。年に数回車がどうしても必要なら高額でもタクシーを使えばいいと割り切っていました。そちらの方がコスパ的に断然お得なんですね。

そんな私が意を決して運転免許証を取ろうと思ったのは気まぐれでもなんでもありません。身分証明書を聞かれるのがうざくなったんですね。それまでパスポートで代用していたんですけど、それも期限が切れてしまい、時間もあるし車の免許証でも取ってみるかとなったのです。

そこで、近場の車の教習所に通い始めたわけです。全身タウンユースなアウトドアの格好で(笑)

ぬかるみにハマった車
Image by Gerhard G. from Pixabay

マニュアル車のペダルを踏む操作の悪夢

さて、そこからが地獄でした。私はせっかくだからとマニュアル車のコースにしたのですが、ペダル操作の踏む感触が全く分からないのですね。微妙な踏み加減なんてもってのほか。半クラッチなんてものは当時の私には存在せず、急アクセル、急ブレーキのオンパレードだったわけです。だから、エンストしまくりだし、坂道発進では上がったり下がったりまったく一定しないありさま。教習所内での車運転の実習も補習になりまくってしまい、教習所に通ってる間どうして自分はアクセル・ブレーキ・クラッチの踏む感触が分からないのだろう?なにか身体的な欠陥があるのだろうか?と考えるありさまでした。

そんな私でも、回数をこなすうちになんとかエンストの回数も減っていき、奇跡的に検定の時に坂道発進もうまくいき、路上教習まで行くようにはなったのです。人間は慣れる生き物なのですね。ただ、その時点でも未だに交差点の真ん中でエンストしたりはしていたのですが(笑) こんな運転下手な人をいくら仮免と言っても路上に出したら本来いけないのでしょうが、多分その時点で教習所側も私のこと匙を投げていたのだと思います(笑)

死を覚悟した高速道路実習

教官に怒られながらも路上教習の数をこなしていくと、いよいよ高速道路の実習が来ました。もう私の心臓はバクバクです。ペダルの踏み加減が分からないのなら、ハンドル操作だけでも正確無比にして事故を避けようとか思った記憶があります(笑) 今になって思えばかなり意味不明な決意表明ですが、当時の私は本当にそう思ったのです。だって、ペダルを踏んでも踏んだ感触がない不感症の足での高速道路で時速80kmですから。

いずれにしても、その後は幸運にも事故は起こさず、汗を滝のように出しながらも高速道路実習は終えられたのです。急アクセルでスピードオーバー何回かしつつも。

高速道路のインターチェンジ
Image by Pexels from Pixabay

さて、実はその後の教習所での教習のことはあまり記憶に残っていません。ペダルの効きが分からないというのはアクセル・ブレーキ・クラッチが壊れているようなものですから、そんな修羅場の高速道路教習で本当に死を覚悟した経験後は運転が一挙に楽になったのか、それとも、相変わらずエンストして教官に怒られつつ厭きられつつも路上実習をこなしていったのか、全く記憶に残ってないんですね。ただ一つ確かなのは、無事検定試験を合格して教習所を卒業できて、世界でも最も高価な身分証明証の一つであろう運転免許証を手にできたってだけ。

時は流れて自動車を運転する機会を得る

運転免許証を取った後ですが、別に車を所有するつもりもなく、自分に自動車運転は合ってない(not my speed, pun intended)と信じて、身分証明書としてのみ使って生きていました。

ただ、しばらくしてから、不運にも車を運転する機会を得ます。免許を持ってるけど実際運転したことないと聞くやいなや、友人は私にちょっと運転してみろと勧めてきたのです。田舎で信号も交通量もない、道端で野生動物が欠伸をしているような真っ直ぐな道。私は教習所での悪夢のような経験を伝えてその責務から逃れようとしましたが、その友人は意固地です。そこで折れて、私は5分だけと運転したのです。

そこで何が起こったと思います? なんと運転が簡単だったのですよ。あれほど苦痛だったペダル踏みが楽ちんになっていたのです。もしかして、教習所の車は生徒達を苦しめるために特別に改悪されたサディスティックな乗り物だったんでしょうか? それとも友人の車は特別にできているのでしょうか? 狐につままれた不思議な感じで運転したのを今でも覚えています。

その短時間の車の運転を無事終えて路肩に止まってからも、運転席で足元のペダルを訝しげに眺めていたんです。教習所の車と何が変わっているのだろうかって。

なお、その時は山へ行った帰りだったのですが、私は泥まみれの登山靴から楽ちんな安いスニーカーに履き替えていたのですね。車での登山では、このような贅沢ができるのです(笑)

答え合わせ:登山靴

そんなことを考えていたら、その瞬間にアハ体験です。車のペダルはどこも悪くなかったのです。悪いのは私の登山靴だったのです! 靴が違っていたのです! 数万円する高機能の登山靴じゃなく、その辺で980円で売っている安物の靴の方が車の運転には合っているのです!

結局、私はメレルのハイキングシューズを履いたまま自動車教習所を卒業していたのでした(笑)

この事実に私はショックを受けます。教習所では下駄やハイヒールを履いての運転は禁止されていたと思いますが、登山靴がいけないとはどこにも書いてないのです。車の運転に慣れている人にとっては、これは自明な事実なのでしょうが、運転初心者の自分には履く靴がそこまで運転に影響を及ぼすなんて考えは全く無かったのでした。

車の運転における靴とペダルの関係

この瞬間、ようやく、教習所で悩んだアクセル・ブレーキ・クラッチペダルに関する全ての謎は解決されました。私の足に欠陥は特になく、普通の靴を履けばペダルの感触は手(足?)に取るように分かるのですね。

その一方、登山靴だとソールはやたら厚底ですし、その厚さも一定でないですし、底は平らでないですし、滑り止めでスパイクっぽいのも付いてますし、石等を踏んでも痛くないようになっている。つまり、ペダルの感触が足の裏に伝わりにくくなっているのです。結果的に、運転するのに最悪の靴なんです(笑)

登山靴を履いてハイキング
Image by analogicus from Pixabay

私からの警察・教習所関係各位への提言

さて、私のようなお馬鹿な初心者運転手を今後排出しないようにするためにも、自動車教習所やその上部統括団体、更には警察関連部署の皆さまにおかれましては、車の運転をするのに適切な靴についての情報を周知したほうが良いかと思います。下駄とハイヒールでは絶対足りません。今はもう昭和の時代ではないのですからこの際ラインナップを見直しましょう。いくつかの交通事故を未然に防げると思います。

そして、願わくば、仮免取ったばかりの登山靴を履いたド素人が高速道路を運転する車の助手席に乗る自動車学校の教官が居なくなればよいと思いますね。少なくても私は乗りたくありません(笑) それでは〜