セックス・ダンジョンとは?

セックス・ダンジョン・・・。この、思春期にありがちな妄想から生まれたとしか思えない言葉ですが、実は海外ドラマにたまに出てくるんですよね。一体何の意味なんでしょう?

心を落ち着かせて、純粋な心持ちで考えてみてください。

って、絶対エロゲーのタイトルとしか思えませんよね?(笑)

そこで試しにこのタイトルのエロゲーがあるはずだと思って調べましたけど、幸か不幸か、ゲームじゃなくてそっち系の小説がヒットしました。『セックス&ダンジョン』と「&」が間に入ってますけど。

このサイト的にリンクを貼るのはちょっと憚られるので、惹句だけ引用しておきます:

我が家の地下室に突然現れた巨大迷宮の攻略に乗り出した創平。だがそこは女の子とエッチしてLv(ラヴ)を上げることでしか強くなれない特殊すぎるダンジョンだった!

セックス&ダンジョン!!

だいたい皆さんの想像した通りの内容じゃないでしょうか? ダンジョンだから迷宮、セックスだからエッチという感じ。それにしても、レベルのLvをラヴとしてるのは、悔しいけど上手いですね(笑)

ちなみに、エロゲータイトルとして『セックス・ダンジョン』は空いているようなので、開発者の方は次回作のタイトルに良かったらどうぞ。この記事を読むとだいぶ印象が変わると思いますけどね・・・

ところで、海外ドラマでこんな中二病が爆発した内容の言葉が出てくるって不思議ですよね。と言っても、もちろん、英語のsex dungeonはこんな意味ではありません。

実は、ここで出てくる英単語dungeonは地下牢の意味なんです。そう、牢屋。地下にあって、ジメジメ真っ暗なところ。

地下牢に日が差す
Photo by Agent J on Unsplash

中世の城住まいの貴族を想像して下さい。城の地下には当然地下牢があって、そこには犯罪者や奴隷が入れられていたかもしれません。そして、その貴族が変態さん(性倒錯者、pervert)なら、奴隷のうちの何人かは性奴隷だったかもしれませんね。って、だんだんエロゲー臭がしてきたぞ(笑) 気にせず続けましょう。その貴族は変態さんゆえ、自身の欲望を夜な夜な満たすため、様々な性具をその地下牢に取り揃えていたのでしょうね。よく分かりませんが、ムチとかろうそくとか三角木馬(?)とか・・・。

はい、その部屋(地下牢)がセックス・ダンジョン(Sex Dungeon) なのでした。

なんだ、やっぱエロゲーじゃん!

と思ったそこのあなた。その通り。やっぱりエロゲーのシチュなんです(笑) でも迷宮じゃなく地下牢なのが大違い。だから、「セックス・ダンジョン」というエロゲーを開発する際は、設定を迷宮じゃなく地下牢にしましょう。

endungeonという動詞に「地下牢に閉じ込める」の意味があるのも納得ですかね。中世が舞台のゲームなんかで登場します。

ゲームと言えば、あの不朽の名作RPGドラゴンクエストに、ローラ姫という囚われのお姫様がいるんですけど、彼女、迷宮の奥の地下牢に閉じ込められていませんでした? この状況って、dungeonの中のdungeonって言えるのかな?(笑)

『ドラゴンクエスト』で、ダンジョンの地下牢に閉じ込められるローラ姫
Dragon Quest [Credit: SQUARE ENIX]

閑話休題。

さて、話は現代に飛びます。もう誰も城になんて住んでいません。地下牢なんてどこにもありません。だから、Sex Dungeonは無くなったと思うじゃん? ところがどっこい、

人々の欲望が無くならない限り、Sex Dungeonは生き続けるのです!

って、なんだそりゃ(笑)

ここに、お金持ちの性倒錯者が居るとしましょう。でかいお屋敷に住んでいるのです。でも、誰にも知られていない秘密の部屋を持っていて、そこには自分の性的欲望を満たす性具の数々が並べられているのです。そして、夜な夜な街に出て女性をクラブで引っ掛けては、そこに連れて来て快楽を楽しむのです・・・

はい、その部屋が現代版のSex Dungeonなんですね。ヤリ部屋と訳したいのですが、変態要素がないので却下。日本語訳はそのままセックス・ダンジョンでいいんじゃないでしょうか。

このセックス・ダンジョンはニュースで耳にすることも多いようです。変態宗教家にセックスダンジョンで匿われていた若い女性信者が保護されたとか。最近だと、有名歌手が未成年を取っ替え引っ替えsex dungeonに監禁してたのが有名。

刑事モノ海外ドラマの典型的なストーリーだと、大金持ちが不審死してそのお屋敷が家宅捜査されると、本棚の後ろから秘密の部屋が出てきて、その部屋がセックス・ダンジョンだったりするパターンも見たことありますね。

個人的に、これぞセックス・ダンジョンと言えるのは、ネットフリックスのオリジナルドラマ『セックス・エデュケーション』にあります。主人公の母親は性カウンセラーなのですが、趣味で世界各地の性具を集めていて、自分のオフィスに飾っています。そんなことを全く知らない主人公の級友は、その部屋に足を踏み入れびっくり仰天。セックス・ダンジョンかと驚くんです(笑) これなんかも、単なる部屋をダンジョンと言ってるので奇妙な感じですけど、変態中世貴族の話を知っていれば納得ですね。ちなみに、下記画像キャプチャは危なくないシーンにしてあります。詳しくその部屋の模様を知りたい方はネトフリで直接ご確認下さい。

級友: You’ve got a sex dungeon.
『セックス・エデュケーション』で、性カウンセラーの部屋に入って、世界の性具に驚く級友
Sex Education [Credit: Netflix]

最後に

今回は「セックス・ダンジョン(Sex Dungeon)」について見てみました。それは迷宮のダンジョンとは大違い。現代のセックス・ダンジョンは性倒錯者の部屋ってニュアンス。地下牢が無くなった今でも、生き続けるのですね。

ちなみに上で偉そうに語ってますが、実は私もセックス・ダンジョンのこの意味は全く知らなかったんです。普通に迷宮だと思ってました(笑) でも、海外ドラマで5・6回出てきて、重い腰を上げ調べたら上記のような事実が出てきて興味深く思ったんですよね。

ですから、海外ドラマで分からない表現にぶち当たっても、それが何度も現れてから意味を探っても別に遅くはないんですね。最初から100%理解することを目指すと苦痛なので、海外ドラマの英語字幕での視聴は、愉しむことを前面に押し出したほうが良いと思います。それでは〜