「Be Supposed To」って・・・

be supposed to」の使い方って皆さんご存知なんでしょうか? 存在自体は知ってるけど、いざ使えとなったら自信がない人も多いかもしれませんね。実際、自分も海外ドラマ見始める前までは全く分からなかったし(笑) shouldとどう違うのよと。

でも、意外なことに、海外ドラマに「be supposed to」ってめちゃくちゃ出てくるんですよね。

そこで今回は、海外ドラマの実例を通して、「be supposed to」の使い方を見ていきたいと思います。たぶん、「なんだ、そんなことかよ」と拍子抜けすると思います。それが海外ドラマで英語学習の力なんですよね。

Shouldと同じ「すべき系表現」

まず重要な点。be supposed toはshouldなんかと同じ「(義務で)することになってる、(ルールで)しなければならない」等の「すべき系表現」なんです。

ここは基本なので抑えておきましょう。「アッハイ、知ってた」という方も、もうちょっと我慢して下さい。

実際、この2つはよく同時に出てきます。

次の『モダン・ファミリー』のセリフで、クレアが父親に「ロックスターになるべき、ギターかなんか弾くべき」と言ってます。shouldもbe supposed toもほぼ同じように使われていますね。ネイティブに言わせればこの2つには微妙な違いはあるのでしょうが、すべき系なのは変わりません。

クレア(父に): Supposed to be a rock star. I think you should do, like, a guitar or something.

Modern Family

Shouldと異なる点

それでは、一体何がshouldと異なるのでしょうか? 2つの海外ドラマを使って確認してみます。

『メンタリスト』の例

『メンタリスト』の次のシーンを見て下さい。容疑者宅の外で見張ってるリグズビーとヴァンペルトコンビ。しかし、なにか様子がおかしい。リグズビーは腕時計をちらっと睨んでこう言うのです「They were supposed to be here.(突入部隊(entry team)はここに居るべきだった)」。でも、誰もいませんね・・・。

リグズビー: Where’s the entry team? They were supposed to be here.
『メンタリスト』で、リグズビーとヴァンペルトは容疑者宅の張り込みをする
The Mentalist [Credit: CBS]

そうなんです。be supposed toはすべきなのにそうならない時に使われるんです。多分、事前のブリーフィングの際に「○○時に容疑者宅前で合流、△△時に突入」と作戦を練ったはず。しかし、その通りにならなかったのです。ちなみに、このあと二人だけで突入することになります(笑)

もう一つ、同じ海外ドラマの『メンタリスト』から。リズボンは事件で負ったトラウマから、精神科医の元に通うよう上司命令を受けます。しかし、自分は平気と自負しているリズボンは、わざと遅れて行くんです(海外ドラマあるある)。精神科医は「42分前にここに居る約束だった」と「be supposed to」で述べます。もちろん、この裏には「(でもお前は来なかった)」が含まれているわけですね。

精神科医: You were supposed to be here… 42 minutes ago.
『メンタリスト』で、リズボンは精神科医のオフィスをわざと遅れて訪ねる
The Mentalist [Credit: CBS]

両方の例とも「be supposed to」の後ろの動詞がbe(居る)でしたので、次は別の動詞のパターンも見てみます。でも、ここまでくれば、どんな動詞が来ようと、その意味は大体予想付くのではないでしょうか?

『名探偵モンク』の例

次は『名探偵モンク』から。モンクと助手のシャローナは結婚カウンセリングの施設に潜入調査を行います、仲がうまく行ってない夫婦に扮して。そして、二人の仲を温めるピクニックをしましょうというセッションが次のシーン。

この場面を見て下さい。モンクの潔癖症が原因で、なんか変な構図になってますね(笑) 男が敷物の上に座らず距離をとってる。とても夫婦には見えませんね。でも、潜入調査で夫婦に扮しているんですから「outdoor intimacy thing(アウトドアの愛情を温めるセッション的なの)をやらないといけない」とシャローナは主張してるんですね。ここがshouldだと、単にカウンセリングのセッションとしてoutdoor intimacy thingをやることになっていると響きますが、be supposed toなので、すべきことができていないというニュアンスが追加されているのが分かります。

シャローナ: We’re supposed to be doing that outdoor intimacy thing now.
『名探偵モンク』で、モンクとシャローナは結婚カウンセリングを受ける
Monk [Credit: USA Network]

他にも、『名探偵モンク』の同じエピソードの別の場面では、いっぺんに2つものbe supposed toが使われています。

シャローナがチェックインしたホテルルームのトイレを使おうとすると、モンクは自分のトイレと言ってシャローナに使わせようとしません(笑) これもモンクが潔癖(略)。立腹したシャローナはどこのトイレを使えばいいのかとbe supposed toでモンクに食って掛かります。そして、階下のを使えと冷たく言われると、be supposed toで「私達は結婚してることになっているのよ」とします。

モンク: This is my bathroom.

シャローナ: What am I supposed to use?

モンク: There’s another bathroom downstairs.

シャローナ: Well, how’s that gonna look? We’re supposed to be married.
『名探偵モンク』で、モンクとシャローナは結婚カウンセリングに潜入調査を行う
Monk [Credit: USA Network]
Monk [Credit: USA Network]

まず、初めのbe supposed toをshouldにしてみましょう。モンクの言う使用禁止令に納得して、「そういうルールなら、他にどこを使えばいい?」と聞いてるように響いてしまいます。でも、ここは違うんです。本来使えるべきトイレなのに使えないと言われて、納得いってないんですね。だからbe supposed toが選ばれているんです。最後のWe’re supposed to be marriedも、別々のトイレに行ったら結婚してる風に見えないと暗に言っているわけです。

最後に

今回は英会話でよく出てくる「be supposed to」の使い方を海外ドラマの実例で見てみました。基本の意味はすべきなのですが、そのすべきことができていない時に使われるのでしたね。つまり、予定通りいかないで、なにか問題がある時に使われるのです。そして、通常裏には感情(怒り、イライラ等)がありますが、この感情を文字で説明するのは結構難しいんですよ。

でも、海外ドラマの実際の場面を見れば、教科書の文字を読むより理解は遥かに簡単なんですよね。こんな感じで、海外ドラマってめちゃくちゃ英語の勉強になるんです。だからこのブログでは、海外ドラマ視聴での英語学習を猛プッシュしています。今は昔に比べれば、視聴するのも安いですしね。

海外ドラマで「be supposed to」頻出の理由

さて、記事冒頭で「be supposed to」が海外ドラマで頻出すると書きましたが、上記を踏まえるとその理由が分かります。

予定通り行ったら、番組が10分で終わってしまうからです(笑)

そうなんです。『メンタリスト』で突入部隊が時間通り現れたら、容疑者を捕まえてそれで番組はおしまいなんですね。しかし、海外ドラマなんだから、そんなことはありません。物語を面白くするためにハプニングが必要なんです。

『名探偵モンク』の例で、モンクが夫としてちゃんと振る舞ったとしましょう。そんなの茶の間は面白くないんです!

だから「be supposed to」が海外ドラマではいっぱい出てくるんですね。

他にも、「自宅謹慎になった子供が家をこっそり抜け出し、深夜に戻ってきて裏口から家の中に入ろうとすると、居間の明かりが突然ついて、そこには父親が座ってる」なんてのも洋ドラよくあるシチュエーションですけど、その際、父親から呟かれるセリフが

You were supposed to stay home.

なのも、自宅に居るはずなのにそれをしなかったから。ね、簡単でしょ。

逆に言えば、自宅謹慎をしっかり守る子供に上記セリフを言うと、おかしなことになります。というのも、子供は家に居るんですから。父親が頭狂ったか幻覚か何かを見たかで、子供が外に出たと思っているように響いてしまうんです。

俺のペンが・・・

最後に、日本で一番有名な英語フレーズ「This is a pen」をこれに変えて遊んでみましょう:

This is supposed to be a pen.

なんか、本来ペンであるべきなのにペンじゃないような響きになりません?(笑)

そのニュアンス、忘れないで下さい。それが感じられたのなら、この記事を書いたかいがあたっというものです。それでは〜


海外ドラマを使った英語学習法↓