ジョークじゃない、扉を叩く時のオノマトペの「Knock Knock」
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「Knock Knock」といえばノックノックジョークが有名ですよね。見知らぬ人が尋ねてきて扉が叩かれたシチュエーションで、相手が誰なのか名前を聞いて、その名前が笑いにつながるという定番ジョーク。
例えば次の『フレンズ』の場面では、ロスの昼食のサンドウィッチが職場で盗まれますが、ロスはしっかりとサンドイッチにメモまで付けていました。その内容をチャンドラーが読むと、ノックノックジョークになっていて、持っていかないでと嘆願しています(笑) これはノックノックジョークとしての完成度は低い方かな。
ロス: I still can't believe someone ate it! Look, I left a note and everything.
チャンドラー: "Knock knock." "Who's there?" "Ross Geller's lunch." "Ross Geller's lunch, who?" "Ross Geller's lunch. Please don't take me. Okay?"
Friends/Season 5/Episode 9
しかし意外にも、この「Knock knock」ってジョークでないときにも普通に出てくるんです。
そんな例を3つ立て続けに紹介。
まず、『ウォーキング・デッド』からは、ローリが寝込んでるベスの元に食事を運んでくるシーン。部屋に入るときに「Knock, knock」と言ってます。
ローリ: Knock, knock.
The Walking Dead/Season 2/Episode 10
次は『HOMELAND』。フリーランスとしてCIAキャリーを助けるヴァージルは、寝込んでいるキャリーに食事を運んできます。彼女の寝室に入る際に「Knock, knock」
ヴァージル: Knock, knock. Your night nurse is here. I made spaghetti amatriciana.
Homeland/Season 1/Episode 12
最後はアニメの『リック・アンド・モーティ』。妻が馬の手術をしてる真っ最中に、半開きの扉から「Knock, knock」の声とともに顔を出したのは夫のジェリーでした。
ジェリー: Knock, knock.
ベス: Jerry?
ジェリー: My manager gave me an hour for lunch, and I thought, "Hey, why not swing by where your wife works?"
Rick and Morty/Season 1/Episode 1
いずれも親しい仲なので、わざわざドアを叩くような事務的なことはしないんですね。声を上げるだけで誰か分かりあえる仲。
そして、これらの例を見たら分かるんですけど、「Knock, knock」って擬音語(オノマトペ)だったんですね。つまり、あえて日本語訳すれば「トントン」。
自分はこの事実に気付いてちょっと感動してしまいました。だって、「knock」は動詞で「叩く」っていう固定観念が頭の中にいつの間にか出来上がっているし、英語って日本語と違い擬音語ってあまりないイメージだったから。
動詞自体が擬音語のニュアンスを含んでいるなんて想像の斜め上だったんです。
でも思い返せば、動詞のshhは日本語と同じ「しー、黙れ」という意味だったりするから、英語って最初からオノマトペが動詞として機能してたんですね。自分は今まで全然気付きませんでした。
日本人からすると、「叩く」と「トントン」が「knock」一語の中に同居してるのはすごく不思議な感じ。だって、意味的には同じでもなんとなく別モンだから、って超感覚的ですね(笑) でも、こういう気付きが言語勉強の一番面白いところだったりすると思うんですけどね、どうでしょう?
今回はこの辺で。それでは、また〜
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