Talking Pointの意味とは?

talking point」は聞き慣れないフレーズかもしれませんが(辞書にも載ってない・・・)、ネットの政治系の掲示板なんかで非常によく使われていて、意味は「アジェンダ」です。政治家が使えば「政治課題」と言っても良いかもしれません。

ただし、裏には「本人が推し進めたい、広めたい、洗脳したい!」というニュアンスが含まれていますので、相手を批判するときによく使われるイメージです。「あの政治家のトーキングポイントは素敵だわー、はぁと」みたいに使われることはありません(笑)

これだけの説明だと意味がわからないと思うので、以下具体的な例で述べたいと思います。

例えば、工場誘致を推進しようとしている政治家が政治討論の場に出てきたとします。もちろん、彼は環境の話なんて一切したくないんですよね。だって、それは彼のtalking pointでないから。一銭の利益にもならないし。工場に関連する話題、そしてそれが地域にもたらす経済効果だけを繰り返し述べたいんです。これが彼のtalking pointなんです。

このtalking pointは別に政治家だけのものではありません。マスコミだってそう。彼らは、スポンサーの意向や、社の方針(?)などで、それぞれtalking pointを持っています。そして、それが喫緊の課題と大衆に信じ込ませようとします。まるで、他に重要なことがないかのように・・・。世界はそのテーマを中心に回っているかのように。これだって正真正銘talking pointなんです。

こんな感じで使われる故、talking pointは批判的、皮肉的な文脈でよく登場するんです。

壇上で自身のトーキングポイントを演説する政治家
Image by Mustafa Kücük - v. Gruenewaldt from Pixabay

Urban Dictionary上でのTalking Pointの説明

ちなみにネット辞書Urban Dictionaryには、相変わらずおもしろい「talking point」の定義が載っていますので、ちょっと見てみましょう。

talking points

政治的・倫理的道しるべ、歩く屍のための。

Political and Moral sign posts for the walking dead.

最初は道しるべ。この方針に従えばいいという道標。それは歩く屍のための・・・。もちろん、これは、考えることをやめたお馬鹿さんのための道標と暗に言ってるわけですね。逆に言えば、talking pointは、そんな愚民に上から与えられて盲目的に信じる指標ってこと。かなり冷笑的ですね。

次はメディアが対象。

talking point

新しく作られたフレーズや口上、主要メディアが繰り返し繰り返したれ流す、君の頭にあるアイデアを叩き込むために。しばしば嘘や誇張であることが証明される、しかし大衆は信じてしまう(buy)、何回も繰り返されているので。

An often newly coined phrase or jingle the mainstream media regurgitates over and over again to pound an idea into our heads. They are often are proven to be false or exaggerations, but by that time everyone’s buying it because it’s been repeated so many times.

こちらは、マスコミがあなたを信じ込まそうと繰り返すフレーズというニュアンスで、やはり否定的。

実際のニュースからも、「サンダース陣営がバイデン陣営にやり返す:彼は不誠実な保険会社のtalking pointを売り歩いている」と使われていました。

Sanders campaign hits back at Biden: 'He is once again peddling dishonest insurance company talking points'

これなんかも、保険会社が喧伝したいことをバイデンが吹聴してるとネガティブな文脈ですね。

最後に

ということで、今回はネットの政治掲示板に頻繁に登場するボキャブラリー「talking point」を見てみました。

ちなみに、うまい日本語訳を考えているんですけど、なかなか思いつきませんね。なんかピッタシのがあるはずなんですけど。逆の意味なら、報道しない自由が近いかもしれないですね。情報を取捨選択してるイメージで。

カタカナにすれば「トーキングポイント」、そのまま訳せば「話す+点」ですが、裏にはネガティブな意味が隠れているのが分かっていただけたら幸いです。

それでは〜