瞬間移動でなく「歪む」という意味の「ワープ(Warp)」とは?
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SFにおける「ワープ」
「ワープ」は既に日本語になってますよね。SFなんかで宇宙船が今いるA地点からB地点に瞬時に移動する方法として。
元々英語では、20世紀初頭warp drive(ワープ・ドライブ) という名前でSF小説内でこの瞬間移動の概念が導入され、それが日本に入ってきたときに後ろのdriveが欠落したみたいですね。だから、単に「ワープ」なんです。
「Warp」もともとの意味
と言っても、この「warp」は新しく作られた(coined)用語ではありませんでした。元々あった英単語warpをSF小説に転用したのです。それでは、本来のwarpの意味はなんだったのでしょう?
それが記事題名の「歪む、たわむ、曲がる」の意味でのwarpなんです。
木材なんかが水に濡れてまっすぐだったのがたわむとか、高熱で歪むなんてよくありますよね。そんな時に今でも使われます。
海外ドラマでは、次の『ベター・コール・ソウル』で、マイクが銃を購入する時に、木製の銃床が曲がることをwarpで言います。
『インターステラー』での説明
さて、それでは何故大元のSF小説内でwarpを借用したかですが、以下の名作映画『インターステラー』のシーンでこのことが紙を使って明快に説明されていました(今回の記事は、このgifからヒントを得たのバレバレですねw)
平坦な紙上(宇宙空間の例)でA地点からB地点に行くのに、そのままがむしゃらに直進すると時間がかかる。でも、紙自体(宇宙空間)の方を曲げれば(warp)、鉛筆でA地点とB地点を貫いたように最短で行ける・・・。だからwarpなんですね。曲がる対象は宇宙空間なのでした。(インターステラーではワームホールの説明で使ってますが、アイデアは同じなので借用しました)
こういうのを知ると、英語学習って楽しくなりません?
既に日本語化されて我々が既に知っている単語「ワープ」が本来別の意味「歪む」を持っていて、その意味が密接に関係してるなんて
「Warp」で曲がるもの
まだ楽しくならない人向けに、もう一つ面白い事実を紹介してこの記事を終わりにしましょう。
実は、warpで曲げられるものは物理的なものだけじゃないんです。心だって曲げられるんです(笑)
人間の心・態度・性格等なんでもOK。でもそれって、日本語でも「あいつの心は歪んでいる」とか言うじゃないですか。発想の根本は全く同じですね(笑)
最後に
「ワープ(warp)」1語からこんだけのことが学べるんだから、英語って面白いです。
いずれにせよ、気になったカタカナ語は一度調べてみると意外な発見があるかもしれませんね。それでは〜
追記
有名なローグ系戦略ゲーム『FTL: Faster Than Light』で「ワープ」は重要なギミックですが、面白いことにWarpではなくFTL Driveになっているんですよね。Driveの方が取れた日本語と比較すると面白いです。
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