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Image by kropekk_pl from Pixabay

子供と大人の世界の大きな違いに、嫌いなものをそのままにできるかというものがあります。

子供のときって、周りの大人、特に親がものすごく厳しくない限り、嫌いなものはそのままに横にどけることができたんですよね。ブロッコリーが嫌いなら別に食べなくても良かった。

しかし、大人になっていざ社会に出てみれば、そんな優しい世界では全くないわけです。嫌いな事でもやらなくてはならない。クライアントのこと嫌いでも付き合わないといけないし、最悪接待しないといけないかもしれない。英語が大嫌いでも、昇進のために勉強してTOEICの点数を取らないといけない(笑) 大人社会では、たとえ「嫌い」と意見表明したとしても、「好むと好まざるとにかかわらずこのプロジェクトは成功させないといけない」と上司から言われるだけなんですね。

そんなときに気づくのです、子供のときいつでも手元にあったあの魔法の「嫌い」カードがいつの間にか手札からなくなっていることに・・・

そんなわけで、大人はLike It or Not と言う表現をよく使うのかも知れませんね。意味は好むと好まざるとにかかわらず。君が好きであろうと嫌いであろうと。君の意思に関係なく

最初に選択肢を2つ与えて「どちらにしても、どっちにしても、最終的には」というeither wayに意味は近いですね。

以下、いつものように、海外番組でどのようにこのフレーズが使われているか見てみましょう。

ビッグバン★セオリー

シェルドンは大学で、研究に理解を示し寄付してくれる援助者向けのパーティーに参加するよう指示を受けます。もちろん、行きませんけどね(笑) そのことで学長から叱られ、不満を述べるシェルドンに恋人のエイミーは、好むと好まざるとにかかわらず他の人類に頼ることになるという衝撃(?)の事実を述べます(笑) 

エイミー: Sheldon, like it or not...

(中略)

you will be dependent on other members of the human race.

The Big Bang Theory/Season 4/Episode 15

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The Big Bang Theory [Credit: CBS]

プリズン・ブレイク

ソナ刑務所の電気が止まり、暑さのあまり囚人たちが暴動を起こす寸前。囚人ボスはマイケルにno-man's-land(電気系統がある所)に行ってこいと命令。マイケルは自殺行為としますが、ここではボスの命令は絶対です。ここでは、soldiers or notを後ろに追加してますね。お前が兵隊であろうがなかろうが。

刑務所囚人ボス: You listen to me, and you listen closely, water boy. Like it or not, soldiers or not, you're going out into no-man's-land.

マイケル: It's a suicide mission.

Prison Break/Season 3/Episode 4

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Prison Break [Credit: Fox]

ゲーム・オブ・スローンズ

ジョン・スノウ一行は壁を超えホワイト・ウォーカーの領域に入ります。前哨基地的に利用しているクラスター家で一泊してると、夜半に主人のクラスターが生まれたばかりの赤ん坊を抱え外に出ていくではないですか! そこでジョンは、ホワイト・ウォーカーに我が子を捧げるクラスターを見てしまいます。それを冥夜の守人のロード・コマンダーに伝えるのが次のシーン。壁を超えた世界ではクラスターみたいな人物は必要不可欠とロード・コマンダーはジョンを説得しますが・・・。ここのmonsterは血も涙もない方ですね。そのmonsterがここ壁の向こうでは生と死を分けるとはうまい言い回し。

ジョン・スノウ: He's murdering his own children. He's a monster.

ロード・コマンダー: Aye, many a time that monster has been the difference between life and death for our rangers, your uncle among them. We haνe other wars to fight out there. Like it or not, we need men like Craster.

Game of Thrones/Season 2/Episode 3

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Game of Thrones [Credit: HBO]

最後に

今回は、好むと好まざるとにかかわらずを意味するLike it or notを見てみました。全部の例が「嫌いでもやれ」という意味合いで使われてますね。

ところで、似た表現のbelieve it or notというフレーズの方が日本人の間では有名かもしれません。英語テキストによく出てくるし。でも、これも結局は、「君が信じようが信じまいが」ってだけ。そこから「信じられないかもしれないけど」になるわけでした。Like it or notと同じ要領ですね。

海外ドラマの字幕を検索すると、他にもlike it or hate itとnotではなく動詞のhateにしたり色々なパターンがあるようですね。

好むと好まざるとにかかわらず、この「AでもAでなくても」のパターンは英語で非常によく出てくるので、覚えたほうがいいでしょうね(←これがやりたかった(笑))

それでは〜