人名の前に付く「The」の意味

日常会話では、人の名前の前に「the」が付けられることがたまにあります。その時の意味は、「(以前から名前が上がって知っている)あの○○さん」という意味。

例えばThe Taroなら、どこにでもいるその辺歩いてる太郎さんではなく、私達が前から話題にして度々名前が挙がっていた特定の太郎さん、といったニュアンス。この特定してる感じがtheに含まれています。

使い所は、基本的には前から話には聞いていたけど、実際本人にお目にかかったときなどが海外ドラマでは多い感じ。「あなたが、あの」「あの人が噂の」とでも日本語訳できますね。

海外ドラマでの「The+人名」

それでは、この「The+人名」が実際の海外番組でどのように使われるか見てみましょう。

『フレンズ』から

モニカは帰ってくるなり、フィービーに大ニュースを知らせます。それが、道でリチャードとばったり会った件。フィービーがwhichでどのリチャードかと尋ねると、モニカは元カレでフィービーも知ってるリチャードであることを「The Richard」とthe付きで表現。フィービーはというと、シットコムのお約束で当然ボケます(笑)

モニカ: You can’t tell Chandler. I ran into Richard.
フィービー: Which Richard?
モニカ: The Richard.
Friends [Credit: NBC]

『ブルックリン・ナイン-ナイン』から

ジェイクは新しい署長を死なせてしまい、その葬式に参列。遺族にお悔やみの言葉を述べてると、どうやら未亡人はジェイクという名に心当たりがある様子。「私の夫を殺したあのジェイクか?」とthe付きで確認です(笑) この場面の未亡人は、事前にジェイクという男が原因で夫が死んだ事実は伝えられていましたが、実際のジェイクの顔は知らなかったことがこのtheから分かりますね。それが、実際のジェイクを目の前にして一致したのです。

ジェイク: My name is Jake. And your husband was only my captain for, like, a day.
未亡人: Wait a second. Are you the Jake that killed him?
『ブルックリン・ナイン-ナイン』で、ジェイクは署長の未亡人に会う
Brooklyn Nine-Nine [Credit: Fox]

最後に

今回は人名の前に冠詞「the」を付けるとどんな意味が付け加えられるかをみてみました。結局、以前から話に挙がっていたってニュアンスですね。上の『ブルックリン・ナイン-ナイン』では悪い意味ででしたけどね(笑)

ところで、この「the」の使用法は別に覚える必要はない感じです。だって、冠詞the自体に話者と聞き手双方が共通に知っているって意味合いが入ってますからね。それを知っていれば

Which Richard?

The Richard.

のセリフの理解は可能です。「あの」とか「例の」が日本語的にはしっくりくる訳になるでしょうか。

ところで、これと似た表現で、the +苗字の複数形というパターンで「○○一家」とその家族を表す言い方もあるので、それにはちょっと注意が必要です。例えば、「the Gellers」といえば、ゲラーさん一家。モニカからロス、お父さん、お母さんまで含んだ家族を指せます。これに関しては、また別の記事に譲るとしましょう。それでは〜