今回は奇遇にも日本語と英語で意味が完全に一致するネタ「uncalled for」です。意味は「お呼びでない、求められていない」。

句動詞「Call For」の意味

call forは「求める、必要とする」意味で頻出の句動詞。

例えば次の『スーパーガール』では、カーラが「そう言えば、アドバイス求めてたんだっけ?」と尋ねる場面。「求める・必要とする」の意味で「call for」が使われていますね。

Oh, and you called for some advice?
『スーパーガール』で、カーラは電話で話をする
Supergirl [Credit: CBS]

この「call for」は海外ドラマでは「call for help」として頻出しますね。意味は「助けを求める」ですが、日本語でも「助けを呼ぶ」としてcallでも使えます

アップロード ~デジタルなあの世へようこそ~』では、車が暴走した女性が助けを求める場面。

Something is wrong with my car, okay? Did you hear me? Call for help.
『アップロード ~デジタルなあの世へようこそ~』で、車が暴走して助けを求める女性
Upload [Credit: Amazon Prime Video]

Desperate Times Call for Desperate Measures

このcall forを使った有名な定型句に「Desperate times call for desperate measures」がありますね。非常事態は非常手段を求めるという意味です。

詳しくは↓

形容詞「uncalled for」の意味

さて、この句動詞「call for」ですが、接頭辞unで否定する「uncalled for」で「求められていない」を意味するんです。誰からも求められていない・状況にそぐわない物を形容するのに使われるんですね。

例えば、海外ドラマだと、葬式での死に関する冗談といったその場にふさわしくない行き過ぎた行動について使われたり。そういったジョークは葬式参列者は誰も求めていないんです。別に笑いたくて葬式に来てるのではないのですから。

ちなみに、ハイフンを付けて「uncalled-for」と1単語になることもあるようですね。

海外ドラマの「Uncalled-for」の例

『ビッグバン★セオリー』から

海外シットコム「ビッグバン★セオリー」では、シェルドンとクリプキの口論中にこの「uncalled-for」が使われていました。シェルドンがバリーの発音の悪さ(/r/が/w/になる、rhotacism)を皮肉ると、クリプキ自身は深く傷つきます。すかさずシェルドンは「uncalled-for」と言って、前言を撤回。こういった行き過ぎの発言に使われる感じですね。

クリプキ: That’s pretty hurtful. I… I can’t control it.
シェルドン: You’re right, That was uncalled-for.
『ビッグバン★セオリー』で、クリプキーの発音の悪さを茶化したシェルドンは謝罪する
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

『ギルモア・ガールズ』から

『ギルモア・ガールズ』では、リチャードが妻エミリーに「鼻を上にしたまま車道が見えるのか?」と売り言葉に買い言葉の口論に。そして、冷静になって言い過ぎを謝罪。自分の発言はuncalled forとします。

リチャード: Really? You can see the driveway with your nose way up in the air like that? I apologize. That was uncalled for.
『ギルモア・ガールズ』で、リチャードはエミリーに言い過ぎたことを謝罪
Gilmore Girls [Credit: The WB]

日本語の「お呼びでない」

さて一方、日本語の「お呼びでない」には「求められていない」の意味が既にありますよね。

「お呼びでない」といえば、コメディアン植木等のギャグみたいですが、Wikipediaにその誕生秘話があったのでチラッと紹介します:

小松政夫

小松が植木の付き人時代、『シャボン玉ホリデー』(日本テレビ)でのショートコントの最中に勘違いをして、出番前ではないのに「出番です」と植木に言ってしまい、植木がつい舞台に出てしまった。当然、周囲は植木の場違いな登場に唖然としたが、その瞬間に植木は機転を利かせて「お呼びでない……? ……こりゃまた失礼致しました!」とアドリブを放った

つまり、彼は「求められていない」のに舞台に出てしまったのですね(笑) だから「お呼びでない」なのです。

ところで、英語の動詞callには元々「呼ぶ」の意味があるわけですよね。だから、uncalled-forが「お呼びでない」になるのはよく考えたら・・・当たり前じゃ・・・ない??

これって、なんかかなり不思議なんですよ。「うわー、英語と日本語で一致してるー」みたいな感じ(笑) call forだと「求める」だからちょっと違うんだけど、否定にすると日本語となんか一致しちゃう。発想が同じなのかな? 結構面白いですよね。

ということで、「uncalled-for」に「お呼びでない」の意味があることが分かったところで、また次回。それでは〜