Whichのタグ

関係代名詞のwhichには、直前に話した内容全体を受ける用法もありました:

He always sends an electronic payment... which I hate, because I'm a real-paper person.

Breaking Bad/Season 4/Episode 9

ここのwhichは彼がいつも電子送金をしてくることを意味して、この人物はそれが嫌いなんですね。

このwhichは非常に便利なため、会話で多用されます。ときには、which..., which..., which...と連続して繋がることもあるくらいです(笑) 連想してる感じですね。

また、speaking of whichと言った使われ方もありますね。「そういえば・・・」という会話でおなじみのフレーズ。

さて、このwhichですが、面白いことに相手の話の先を促すのにも使われるんですよ。例えば

あなた: ハイキング行ったら野生動物に襲われちゃったよ。

相手: Which is?

であれば、相手は野生動物に襲われた内容を詳しく知りたいのです(笑) ここのwhichは「どっち」の意味ではないので注意です。

このパターンは日常会話で頻出のため、是非とも使いこなせるようになって欲しいですね。

以下、どんな感じで使われるのかを海外ドラマから列挙していきます。

フレンズ

レイチェルがフィービーに真実を話すべきだった(けど話さなかった)と言うと、フィービーは「Which is?」で真実を話すことを促します。

レイチェル: I should have told you the truth.
フィービー: Which is?
『フレンズ』で、フィービーに真実を話し出すレイチェル
Friends [Credit: NBC]

ギルモア・ガールズ

クリストファーが自分が何をしたいのか見出すのに10年かかったと言うと、ローレライは「Which is?」でそれを尋ねます。

クリストファー: Only took me 10 years and several failed business ventures... to figure out what I wanted.

ローレライ: Which is?

Gilmore Girls

ローレライ: Which is?
『ギルモア・ガールズ』で、クリストファーに話の先を促すローレライ
Gilmore Girls [Credit: The WB]

HOMELAND

もちろん、これは過去形でも使われます。

『HOMELAND』では、父との思い出の場所にやって来る娘。そこで、父は真実となる最後のメッセージを娘に伝えたのでした。ボーイフレンドの「Which was?」に「"Good-bye."」ですから、それ以来会ってないのですね。

娘: We're here... because this is where it happened. The last true statement he ever said to me.

娘のボーイフレンド: Which was?

娘: "Good-bye."

Homeland

娘のボーイフレンド: Which was?
娘: "Good-bye."
『HOMELAND』で、父親ブロディの思い出をボーイフレンドに語る娘
Homeland [Credit: Showtime]

glee/グリー

最後はglee/グリー。エイプリルが細かい合意事項を盾に自分の主張を長々と述べる場面。対しスーは「Which means?」でそれがどういう意味なのかを尋ねます。このように動詞meanもよく使われますね。なお、ここのスーのセリフを消去してエイプリルのセリフだけにすると、「The agreement clearly states that..., Which means, as long as...」となって、冒頭に述べた直前の文全体を受ける関係代名詞になっているのが分かります。

エイプリル: The agreement clearly states that the provider of the funds, in this case, the April Rhodes Charitable Foundation... independent LLC... is, quote, "solely responsible "for the maintenance and operation of this facility until such funds are no longer provided."

スー: Which means?

エイプリル: Which means, as long as I'm paying for that auditorium, I gets to say who performs there.

Glee

スー: Which means?
『glee/グリー』で、スーに法律議論を吹っかけるエイプリル
Glee [Credit: Fox]

最後に

今回は会話で頻出の「関係代名詞whichで相手の話を受けてその先を促す」用法を見てみました。どうでしょうか? 結構簡単ですよね。今からでも使えると思います。

なお、何故which is?、which means?が頻出なのかですが、これは相手の話に興味を持っているという合図でもあるからなんです。

ちょっと想像してみて下さい、こちらが一生懸命話してるのに、相手が欠伸してたら・・・。普通、話す気なくなりますよね。

実は会話で興味津々であることを表現するのは非常に重要なんです。そして、相手に話の先を促すのは、まさに興味持ってる証拠なんですね。別に、whichじゃなくてもいいんですけど。頷いたり、アイコンタクトでも。そういったことが、英会話とか以前に本質的だったりします。その辺は海外ドラマを見てるとすぐに気づけるので、海外ドラマ視聴おすすめですよ。

それでは、また〜