荒れ狂った馬に乗りロデオをするカウボーイ
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「This is Not One’s First Rodeo」の意味

今回紹介するイディオムは「This isn’t one’s first rodeo」。直訳は「これは○○の最初のロデオではない」ですが、ロデオ以外でも「以前に経験がある、これは初めてではない、同じような修羅場はくぐった」ことを言うのに使えます。

not one's first rodeo

特定の状況にいるのは初めてではない;過去の経験を示唆するのに使われる。

Not the first time one has been in a particular situation; used to indicate past experience.

海外ドラマでの「This is Not One’s First Rodeo」の例

海外ドラマでの使用例は、次のような状況が典型的。

FBIに他部署から異動してきた人がいるとします。そして着任早々、ドラッグ製造現場へのガサ入れに参加させられるとします。防弾チョッキ着て拳銃構えて「FBI! FBI!」と突入する直前に、ベテランの同僚がその人に言うんです:

ベテランの同僚: ガサ入れは初めてか? おしっこちびるんじゃないぞ

異動者: This is not my first rodeo.

つまり、この人は以前同じようなガサ入れの状況を経験しているんですね。それを「初めてのロデオではない」で言っているのです。なんかかっこよくない?(笑)

『GOTHAM/ゴッサム』から

実際の使用例は、まず『GOTHAM/ゴッサム』から。

しがない食器洗いのペンギンは、マフィアボスのサルに敵アジト侵入のアドバイスをします。それを聞いたサルは、ペンギンが単なる食器洗いでないことに気付く場面。ペンギンが「this isn’t my first rodeo」で以前経験があることを匂わします。ここでのvibeは雰囲気の意味

サル: Are you just a dishwasher? ‘cause I don’t get that vibe. You come off as all humble, but… You got a little player in you, huh?

ペンギン: That’s very perceptive of you, sir. I guess that’s why you’re the don. I’m not a dishwasher.

And this isn’t my first rodeo, so to speak.
『GOTHAM/ゴッサム』で、レストランで食事中のギャングボスのサルにペンギンが助言をする
Gotham [Credit: Fox]

『メンタリスト』から

『メンタリスト』では、恋路を上司に相談するおなじみのパターン。でも、上司は既にそのことに気付いています。ベガをデートに誘ったことをなぜ知ってるのか聞かれた上司は「this is not my first rodeo」です(笑) つまり、以前別の部下からも同じようなことを相談受けてるんですね。

上司: You asked Vega out.
部下: How’d you know?
上司: Uh, this is not my first rodeo.
『メンタリスト』で、FBI捜査官はベガとのデートのことで上司に相談
The Mentalist [Credit: CBS]

『アンブレイカブル・キミー・シュミット』の例

『アンブレイカブル・キミー・シュミット』では、このイディオムに掛けたコメディならではのダジャレ

ゲイのタイタスはデート中。街なかをブラブラしてると屋台があります。デート相手の男は自分の分を注文すると、タイタスにも何か頼むか尋ねます。するとタイタスは、「デート中に食べるような罠には引っ掛からない」と言ってから「This is not my first rodeo」です(笑) 以前デート中に食べてなにかやらかした経験があるんですね。最後に、屋台のおじさんが肉はロデオ(馬)の肉でないと言って、笑いに昇華されます。

デート男: Hey, can I get fries and a chicken shawarma pita? You want anything?

タイタス: I will not be tricked into eating on a date. This is not my first rodeo.

屋台のおじさん: Hey, hey, this is not meat from rodeo.

タイタス: This is not my first rodeo.
『アンブレイカブル・キミー・シュミット』で、タイタスがデート中の相手と屋台の前
Unbreakable Kimmy Schmidt [Credit: Netflix]

最後に

以上のように、シリアスな場面からコミカルな場面まで、普通に使われる「This is not one’s first rodeo」の紹介でした。一応、字幕を調べてみると、9割が「this is not my first rodeo」と自分の経験ですね。ただ、第三者が「これは奴の初めてのロデオではない」というパターンも少なからずありました。

皆さんも、会社で経験値があるプロジェクトにアサインされたら、是非とも「This is not my first rodeo」を使ってみてください。え?逆に仕事をたくさん振られそう?!(笑)

それでは〜