人物を形容、イディオム「Loose Cannon」の意味とその語源
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「Loose Cannon」の語源
言葉に関するポッドキャスト『A Way with Words』にイディオム「loose cannon」に関する質問があって面白かったので紹介します。
A Way with Words: Loose Cannon⤴️
質問者の子供がアニメを見ていたら、その中の登場人物の一人がloose cannonと呼ばれていて、その意味がわからなくて番組に質問を寄越しました。
ホストの二人はloose cannonの語源から説明してくれました:
昔の船は敵との交戦に備え大砲(cannon)を装備していた。その大砲は船にしっかり固定されていたんだけど、その固定が緩く(loose)になると、どこに弾が飛んでいくか分からなくなってしまう。だから、loose cannonは比喩的に「何をしでかすか分からない危険人物」を意味するようになった。
というお話。単に意味を説明するのではなく、語源から解説するってのが素敵ですね。この話を聞いたら、この子供はもう絶対忘れませんからね。
自分はこのイディオムの意味は知っていたけど、語源が船だとは思わなかったので、非常に勉強になりました。なるほど、地上ならcannonがたとえlooseになっても狙いを定めるのはなんとかできそうですが、船の甲板上だと波があって難しいですからね。味方撃っちゃったりしちゃうかも(笑)
ところで、海外ドラマでは一体どんな人物がloose cannonと呼ばれているのか調べてみると、
『ビッグバン★セオリー』から
まず『ビッグバン★セオリー』のペニーが出てきました。
シェルドンは車のスピード違反で裁判所に呼ばれますが、自分の心証を良くするため証人ペニーに事前に決めた証言を練習させます。なんでそんなことしなくちゃいけないのかと問うペニーに、シェルドンはloose cannonと一言。つまり、練習しないと裁判所でとんでもない発言をすると暗に言ってるんですね(笑)
『ブレイキング・バッド』から
次は『ブレイキング・バッド』のリディア。マイクはリディアが自分たちを裏切ったのではと疑心暗鬼になります。そして、彼女のことを「loose cannon」と言ってから、いつ銃口をこちらに向けるか分からないとウォルター、ジェシーに説得を試みます。ここも、放っておくと何しでかすか分からないというニュアンスですね。
最後に
という感じで、イディオム「loose cannon」が使われていました。
船の甲板上の固定されない(=緩い)大砲はどこに弾が飛ぶかわからない=(人が)何をしでかすかわからないというの、はかなり納得できるのではないでしょうか?
なお、ここで注意しなくてはいけないのは、戦闘中に味方の船を撃ったら後日軍法会議ものなのに対し、日常生活で周りにいるloose cannonの皆さんは軍法会議も何もないので、その後も味方をずっと撃ち続けるという事実。我々としては被弾だけは注意したいものですね(笑) それでは〜
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