「Near」と「Nearby」の違い(意味・文法)を調べてみた
広告
先日、「近い」を意味できるNearとNearbyの違いについて尋ねられたんですけど、いやー、これが答えられなかったんですよ(笑) よく考えてみると、なんか同じじゃね?って・・・。そこで帰ってから徹底的に調べて、自分の中では一応納得できましたので、以下、自分が理解した内容を整理して共有させていただきます。そして、ついでに、海外ドラマの中の実際のセリフを使って説明してみます。なお。自分が主に参照したサイトは以下の2つです:
Nearは「時間的近さ」へも拡張可、Nearbyは「物理的近さ」のみ
まず最初の大きな違いはどういった「近さ」を表しているのかについて。nearは「物理的近さ」のみならず、「時間の近さ」等も表せるんですね。その一方、nearbyは「物理的近さ」のみなんです。定規で図れる距離だけ。
次の『ゲーム・オブ・スローンズ』では、「終りが近い」とnearを使ってます。終わりって場所まで近いのではありませんね。
一方、『刑事コロンボ』では、「近くで待つ」のを表すのにnearbyです。つまり、その場所から近いところに居るってことです。
前置詞として使えるのはNearのみ
次の違いが、前置詞句を作れるのはnearのみという事実。nearbyには前置詞としての使われ方はありません。ただし、誤用で使ってる人はいるみたいですけど。
例えば、次の『フレンズ』では、ロスは電車車両のドアの近くに座ったのですね。これはclose toで言い換えられます。
副詞として使われる場合に両者に違いはなし
私がnearとnearbyが同じと混乱したのはこれが原因でした。なんと、副詞のときはこの両者、使われ方は全く同じなんですね。
形容詞として使われる場合、Nearは定型句として、Nearbyは距離の近さ
最後に両者の形容詞のパターンを見てみます。
まず重要なのは、形容詞としての利用はnearbyがほとんどな点です。nearが形容詞として使われるのは定型句のみ。
次のドキュメンタリー番組『殺人者への道』では、捜査官が尋問してるテープ映像。近くの酒場を表すのにnearby tavernとしています。
つまり、nearbyに関しては、形容詞型にしたり副詞型にしたり結構融通が利くのですね。
spend time in a tavern nearby(副詞)
spend time in a nearby tavern(形容詞)
その一方、nearを形容詞的に使うのは通常は定型句になります。
次の『ブレイキング・バッド』では、近々警察のガサ入れが入ることを密告するウォルター。in the near futureという定型句を使っていますね。他にも、near deathやnear collisionなんかが頻繁に使われていました。どれも、「距離の近さ」とは関係ない使われ方ですね。
形容詞Nearで距離の近さを表す例外パターン
と言っても、形容詞nearで距離の近さを意味する例外もあるんです。それが、複数のものを念頭に置いて、そのうちの比較的近いものを指す場合。
以下の『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』では、ドラマ内のテレビから流れてくるスポーツ実況が引っ掛かりました(笑) アメフトの実況で、ボールに近い方のサイドをnear sideで表しています。もちろん、サイドは2つあるので、複数のサイドを念頭に置いていますね。
そして、比較するとなったら、比較級・最上級の出番ですよね。
『ベター・コール・ソウル』では、マイクが一番近い病院を聞くのが次のシーン。近所の複数の病院を念頭に入れて最も近いのを聞いているのでnearが使えるんです。
以上のようなことが冒頭に挙げた2つのサイトに書いてありました。なかなかおもしろくない?(笑)
ちなみに、nearとnearbyでどちらがより近い距離を指すのかについては、違いはないようでした。まあ、近さの定義なんて人によって違いますからね。毎朝10km歩いて学校通ってる人にすれば、1km近い距離だろうし、近くのコンビニ行くのにも車を使う人にとっては、10mですら遠く感じるのかもしれません。
それでは〜
広告