YouTubeのコメント

前大統領夫人ミシェル・オバマのスピーチを扱ったCNNのYouTubeクリップのコメント欄に、orを使ったテンプレ的フレーズがありました:

Like her or not she has the…

Republican or Democrat, I feel…

共通点はもちろんor。最初の意味は「(あなたが)彼女のこと好きでも嫌いでも・・・」だし、次のは「(あなたが)共和党でも民主党でも・・・」ということを前置きしてるんですね。

実はこの言い回しって、英語ではかなり頻出パターンなんです。文法的に正しくするならwhetherを付けるんでしょうが、会話では省略されることも多いのですね。

以下、海外番組からの実際の例を拾ってみます。

『シリコンバレー』から

まず『シリコンバレー』。Hooliという企業のことをが嫌いなスタートアップのオタクたちを説得するモニカのシーン。ここでは「好きでも嫌いでも」というのをLove it or hate itで言ってます。これは、上のYouTubeの例のLike her or notと同じですね。

モニカ: Love it or hate it, at least Hooli is a real company.
『シリコンバレー』で、モニカはオタクたちの説得を試みる
Silicon Valley [Credit: HBO]

『ビッグバン★セオリー』から

お次は『ビッグバン★セオリー』。ペニーが過去に入籍していたという事実を知ったレナードは激おこ。ペニーが単なるお遊び(goof)だったと弁明するも、「遊びであろうとなかろうと、実際結婚してるじゃん」と怒りが収まりません。この例のように、相手が言い訳してきた時に「そうであっても、そうじゃなくても」という感じで使えますね。

ペニー: We just did it as a goof.
レナード: Well, a goof or not, you’re actually married.
『ビッグバン★セオリー』で、レナードはペニーが籍を入れていたことを許せない
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

『アンという名の少女』から

最後は『アンという名の少女』。失踪したアンを探し回るマシュー。しかし、馬がへばってしまいます。近くの厩舎で馬を借りられないか、お金は後で持ってくると懇願しますが、「Money or not」で拒否られてしまいます。金があろうとなかろうと駄目ってことですね。

マシュー: I’ll bring the money when I return. I live in Avonlea at Green Gables…
厩舎主: Money or not, I’m afraid I can’t help you.
『アンという名の少女』で、マシューは失踪したアンを探し回る
Anne with an E [Credit: CBC Television]

Believe it or not

最後に、今紹介したパターンA or B(not)で最も有名なフレーズを紹介して終わりましょう。それが

believe it or not

です。もちろん、これも上記で紹介したパターンと全く同じですよね。「(あなたが)信じようが信じまいが」という意味です。

多分、「believe it or not」というフレーズを知ってる人は多くても、それと全く同じパターンの「Like it or not」等まで気づいている人は少ないのかもしれません。でも、今回の記事を読めば、結局はbelieve it or notと同じことが分かっていただけたかと思います。

ちなみに、ここまで書いてきたところで、以前Like It or Not(好むと好まざるとにかかわらず)の記事を書いてたことに気づきましたw まあいいか、こっちは少し一般化されてるし(笑)

それでは、また〜