海外ドラマでの英文法ネタ

海外ドラマ、特にコメディでは、英語の文法ネタがたまに出てきます。そんななかで、最も出てくる文法ネタが「文章の最後を前置詞で終わらす」ことについて。

気になる人は非常に気になるみたいで、相手が文を前置詞で終わらすやいなや、即ツッコミを入れる有様だったりします。もちろんそれは、そのキャラの特徴づけ(神経質)に一役買っているのですが・・・。でも、英語学習をしてる身としては、文を前置詞で終わらしたら本当にいけないのかどうかは非常に気になるところ。

そんな「文を前置詞で終わらす」ことが言及されている海外番組の場面を見てみると、

『ギルモア・ガールズ』の例

『ギルモア・ガールズ』はエール大学の新聞部の場面。先輩が後輩の文をgoodと褒めた後、前置詞で終わらさないほうが良いとアドバイスしますが、それを聞いたパリスは、前置詞で終わってる文がそもそもどうして良い文になれるんだ?と疑問を呈します。ここは、パリスの気むずかしさが出てますね。

男: It’s a good sentence, but you want to make sure never to end with a preposition.
パリス: If she ended the sentence with a preposition, how could it have been a good sentence?
『ギルモア・ガールズ』で、パリスは前置詞で終わらす文は良い文でないと主張
Gilmore Girls [Credit: The WB]

『ビッグバン★セオリー』の例

次は『ビッグバン★セオリー』。キムに前置詞で文を終わらす傾向を指摘されるレナード。その直後、「What are you talking about?」と前置詞で終わらす文で疑問を呈します。これはコメディでの一種のお約束みたいなもんですね(笑)

レナード: You speak English really well.
キム: So do you. Except for your tendency to end sentences with prepositions.
レナード: What are you talking about?
『ビッグバン★セオリー』で、キムはレナードの前置詞で終わらす癖を指摘
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

『ブルックリン・ナイン-ナイン』の例

最後は『ブルックリン・ナイン-ナイン』のシーン。レイモンド署長がエイミーに完璧主義者をやめるようアドバイス。しかし、familiar withと前置詞で文を終わらすものだから、完璧主義者のエイミーはそれを指摘しちゃいます(笑) これもコメディの王道進行ですね。なお、英文法では、前置詞で文を終わらすことをdangling prepositionとかhanging prepositionというそうです。というのも、目的語がないので宙ぶらりんになっているから。

署長: if you stop being such a perfectionist. A concept you should become familiar with.
エイミー: “Familiar with?” A dangling preposition?
『ブルックリン・ナイン-ナイン』で、レイモンド署長はエイミーに完璧主義者をやめるようアドバイス
Brooklyn Nine-Nine [Credit: Fox]

いいの? いけないの?

というように、前置詞で終わる文に対するツッコミはたくさんあるんですけど、これって本当にいけないことなのかはイマイチ分かりません。

そこでぐぐってみると、多くのページがヒットしました。みんな気になっているのですね(笑)

その中で、分かりやすそうだったのがwww.thefreedictionary.comの解説。

Dangling Prepositions

前置詞で文を終わらすこと

「前置詞を目的語から分割してはいけない」、「それはいつだって間違い」というのは、英文法教師の間で広まっている神話だ。この「ルール」は、ラテン語で前置詞を目的語から反してはいけないということに基づいている。しかしこれは、明らかに英語では事実ではないし、ほぼすべての英語文法書が、前置詞を最後に持ってくることを回避するため変な文章になるより、前置詞が最後でも普通の文になることの方を良しとしている。

Ending a sentence with a preposition

There has been a prevailing myth among English grammar teachers that prepositions should never be split from their objects, and that it is always incorrect to end a sentence with a preposition. This “rule” is based on the fact that in Latin (from which English derives some of its structure), prepositions can’t be stranded from their objects. However, this is decidedly not the case in English, and nearly every grammar guide (including this one) agrees that it is acceptable and often more correct to end a sentence with a dangling preposition, rather than rewriting a sentence specifically to avoid it.

以上まとめると、前置詞が最後でも全然問題ないんです。面白いのが、ラテン語から来てるってところ。ラテン語って語彙だけじゃなく、こんなところにも影響があるなんて驚きですね。

なお、記事にはチャーチルから来ている有名な文の例が載っていました:

“This is the sort of nonsense up with which I will not put!”

確かにこれは変ですね(笑) put up with(耐える)は固まってるほうが分かりやすいですし。

最後に

ということで、文の最後を前置詞で終わらすネタは海外ドラマでよく出てきますが、一般的には終わらしてもとくに問題なし。やはり、海外ドラマ内でのキャラの性格付けのギミックや笑いのネタとして使われているだけみたいです。

それでは、また〜