今回見ていくのは、様々な動物に特有な行動に関する英語のボキャブラリー。動物というのは太古の昔から、人類にとっては地表で一緒に過ごす敵であったり味方でありましたが、結局のところ共生関係(symbiosis)にあったことは間違いない事実。ですから、彼ら動物の行動・習性が我々の語彙に反映されているのは至極当然なんですね。

擬死 / Apparent Death, Playing(feigning) Dead

まずは死んだふりの擬死。apparent deathが学術用語で、海外ドラマの中ではplaying deadとしてよく出てきます。熊に襲われて死んだふりというのがおなじみかな? 「ただ友達より早く走れば良い」という格言があったりもしますね(笑)

以下の『リック・アンド・モーティ』のシーンでは、死んだと思ったリックが生きててびっくりのモーティ。リックはplaying deadしてただけと言います。

モーティ: Rick! I thought you were dead!
リック: No, no, no, I was just playing dead.
『リック・アンド・モーティ』で、死んだと思ったリックが生きてて驚くモーティ
Rick and Morty [Credit: Adult Swim]

なお、この死んだふりですが、イディオム的な表現でplaying possumというのもあるようです。possumは動物のフクロネズミのこと。フクロネズミの習性から来てるようですね。

このイディオムが出てくるのが『ビッグバン★セオリー』。赤の他人のスチュワートが赤ん坊の娘を泣き止ませるのに、母親の自分ができないことで、バーナデットは泣き崩れます。それを見た夫のハワードは、娘は相手がスチュワートなのでplaying possumしてるだけ、と斜め上の慰めをしますが・・・(笑)

バーナデット: How come Stuart can get her to stop crying, but I can’t?
ハワード: It’s Stuart. Maybe she’s playing possum until he goes away.
『ビッグバン★セオリー』で、バーナデットは赤ん坊の我が子をあやせず泣き崩れる
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

冬眠 / Hibernation

冬眠は熊などが行う冬の間の長い休みのことですね。そこから転じて、長期間の休みに対して使われたり、後はパソコンの一時休止にも使われますね。

次の『コブラ会』のシーンは、クリースの先を読んでジョニーが冬眠(hibernation)と言う場面。しかし、コブラは爬虫類なので、hibernationとは違う別の言い方があるようです。詳しくは、コブラ会シーズン2落ち穂拾いの記事で。

クリース: In the winter, some animals bury themselves in a hole and sleep there for months.
ジョニー: It’s called hibernation.
『コブラ会』で、クリースとジョニーが喫茶店で話す
Cobra Kai [Credit: YouTube Premium]

一匹狼 / Lone Wolf

狼が単独行動するというのは世界共通のようですね。実際、英語も日本語も、全く同じ「一匹狼 = Lone Wolf」になってるくらい。そして、ボッチな人、いつでも一人で居ることを好む人を指して使われるのも共通です。

なお、社交的でないことも同時に意味もするので、ネガティブな響きになることもあるので注意。

次の『名探偵モンク』では、自分のことをlone wolfと称するモンクです(笑)

モンク I work alone. I’m a lone wolf.
『名探偵モンク』で、自分のことを一匹狼とするモンク
Monk [Credit: USA Network]

共食い / Cannibalism

Cannibalismは一部動物だけに特有ではなく人類も行いますね。だから、cannibalと言えば、人食い部族を指したりします。更に、人里離れた地で食料がなく死直前の極限の状況下でのcannibalismも、映画などではおなじみのテーマ。

『ビッグバン★セオリー』では、ペニーが一晩泊まりたい(crash)と言うと、それに異議を唱えるシェルドン。というのも、緊急時の非常食がペニーの分無いからという理由。レナードは、カニバリズムにでもなるというのか?と反論です(笑)

レナード: Are you suggesting that if we let Penny stay we might succumb to cannibalism?
『ビッグバン★セオリー』で、ペニーの宿泊を嫌がるシェルドン
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

夜行性 / Nocturnality

夜行性も一部動物に特有の習性。そこから転じて、夜型の人間もnocturnalと呼んだりしますね。

次の『ゲーム・オブ・スローンズ』の場面は、タイウィンがオレナの孫が夜に行っている活動をnocturnalで表しています。こういう使い方は覚えておきたいですね。

My stomach remains quite strong, however. The only thing that might turn it are details of your grandson’s nocturnal activities.
『ゲーム・オブ・スローンズ』で、タイウィンはオレナの孫の活動を気にする
Game of Thrones [Credit: HBO]

喉鳴らし / Purr

ゴロゴロこと喉鳴らしはネコ科に特有の習性ですね。喜んでいる時だけと思いきや、そうでないときも鳴らすことがあって、正確なメカニズムはまだ分かっていないんだとか。

そんなpurrはその音の短さからか、purr-fectやらpurr-tyなど、ダジャレや語呂合わせで使われたりもします。

『ギルモア・ガールズ』では、目覚まし時計がpurrしなくて寝過ごしたと言い訳で使っていました。比喩的に、目覚ましの音をpurrとしてるんですね(笑)

ローレライ: The fuzzy clock, didn’t purr on time.
『ギルモア・ガールズ』で、目覚まし時計が鳴らなかったと言い訳するローレライ
Gilmore Girls [Credit: The WB]

吸血 / Hematophagy, bloodsucking

吸血も一部動物と吸血鬼におなじみの行動(笑) Hematophagyが学術用語で、一般大衆はbloodsuckingを使ってますね。blood(血)をsuck(吸う)とそのままの意味。

この吸血行動は、血も涙もない他人の利益を掠め取る人間の形容としても登場します。

その例では、次の『フレンズ』のシーンがまさにそれ。フィービーは自分が働いている場所をevil, bloodsucking corporate machineと形容します。お金だけを吸い上げるって感じですね。

フィービー: this is an evil, bloodsucking corporate machine.
『フレンズ』で、フィービーは利益しか目がない企業を非難
Friends [Credit: NBC]

縄張り / Territory

最後は縄張り。一部動物は非常に縄張り意識が強い(territorial) ですからね。他人が入ってこようものなら、必死に抵抗します。そういった人も、同様に、territorialと呼ばれたりしますね。

次の『オザークへようこそ』では、ウェンディが家の飾り付けでもなんでもすると不動産屋に仕事を求めると、男は母親が売るための装飾をするし彼女はterritorialと暗に拒否します。ここのterritorialは、不動産屋の母親はその仕事を他人に譲らないというニュアンスですね。会社でも、この仕事は自分が担当と絶対誰にもやらせない人は結構居ますね。それがterritorial。

不動産屋の男: my mom stages the houses for me, and she’s… pretty territorial.
『オザークへようこそ』で、仕事をやんわりと断られるウェンディ
Ozark [credit: Netflix]

最後に

今回は様々な動物の習性に関する英語ボキャブラリを見てみました。

調べていて面白かったのは、動物ドキュメンタリーの字幕が大量にヒットしたこと、って考えてみれば、そりゃそうですね(笑) でも、今回は敢えてドキュメンタリーからの引用はせず、日常会話から選んでみました。

多分、これ以外にもたくさんあると思うので、海外ドラマを見る際は注意意しているといいかもしれませんね。それでは〜