それはダブスタだよ!
非難して

「ダブルスタンダード」って英語?

実は「ダブスタ」ってずっと和製英語だと思ってたんです。もちろんダブスタという略し方は相当日本的ですが、正確には、その略す前のダブルスタンダードが和製英語だと思ってたんですね。

だって、2重のダブルと標準のスタンダードを繋ぎ合わせるこの単純明快さは、個人的に非常に和製英語っぽい響きなんです(笑) 更には、英会話でdouble standardって聞かないんですよね。ぶっちゃけ、日本語のダブスタのほうが頻繁に耳にするぐらい。

でも、最近double standardが正式な英語だと知って驚いてしまいました。やっぱし、ちゃんと辞書引かないといけませんね。

Double standard

ダブルスタンダードとは原則的に全く同じ状況に対し異なる原則を適用させること

A double standard is the application of different sets of principles for situations that are, in principle, the same

まさに日本語のダブスタそのものですね。

海外ドラマでの「ダブスタ」

そこで、海外番組の中でこの「double standard」が言及されている場面を調べてみたんですが、非常に面白い傾向を発見しました。なんと、男女の性別に対するダブスタがほとんどだったんですね。見た感じ約9割が性別です。

これって、日本の場合と全く違いますよね。だって、日本は前言と矛盾すればなんでもダブスタになるって感じですから(笑)

実際、上記英語版wikipediaのページにはダブスタの具体例として4つのパターンが載ってますが、

  1. Gender(性)
  2. Law(法律)
  3. Politics(政治)
  4. Ethnicity(民族性)

と最初に性別が来てることからも、性別間のダブルスタンダードがマジョリティであることが窺えます。

以下、海外番組中のdouble standard言及の実例を3つ見ていきます。

『フレンズ』から

まずがシットコム『フレンズ』。ジョーイは自身が毛深いことから手入れが必要かどうか心配します。それを「手がかかる」とフィービーに揶揄されると、ジョーイは「君だって髪を染めるじゃん」と反論。しかし、「私は女性だから」と逃げられると、それは「ダブスタ!」とジョーイが指摘する場面。もちろん、男はダメで女はOKというフィービーの意見に対して言ってるんですね。

ジョーイ: You dye your hair.
フィービー: I’m a woman.
ジョーイ: Double standards!
『フレンズ』で、ジョーイ、モニカとフィービー
Friends [Credit: NBC]

『ビッグ・リトル・ライズ』から

次は『ビッグ・リトル・ライズ』の学校の新学期の朝シーン。子供を学校に送る車中で、夫婦が会話します。母マデリンは、新学期には今まで培った母親の評判はリセットされるけど、父親はそうではない。学校に顔を出すだけで高評価になると、父母間に評価の基準の違いがあることをダブスタと指摘です。これは日本でもあるかもね。なお、all over againは「また一から」を意味する定番表現。

マデリン: we all get judged all over again. It’s a double standard. If a dad shows up, they’re like: “Wow, there’s a dad here. He’s involved.”
『ビッグ・リトル・ライズ』で、新学期の朝、マデリンは学校の不満を夫エドに漏らす
Big Little Lies [Credit: HBO]

『刑事コロンボ』から

最後は名作『刑事コロンボ』。容疑者の女性はコロンボ警部に、男好きを告白。そして、コロンボの持つであろう「男性の女好きは良くて、女性の男好きは”はしたない”」とされた古臭いダブルスタンダードに反したらゴメンと畳み掛けます。ま、コロンボはそんなタイプじゃないですけどね。

女性: I like young men, Lieutenant, lots of them.
If that shocks your ancient masculine double standard,
I’m sorry.
『刑事コロンボ』で、女性容疑者に反論されるコロンボ
Columbo [Credit: NBC]

最後に

と言う感じで、男女の性別に対する言及が多いことが調査したら分かりました。

とは言うものの、海外ドラマ内で「double standard」自体が言及される頻度は非常に少ないですけどね。

なお上の例では、double standardを単数・複数、両方のパターン出てきてるので、使う場合はどっちでも良さそうですが、wikipediaでは単数になってますね。

以下、調べてる際に個人的に考えたことを述べて終わります。

日本ではダブルスタンダードの定義 に当てはまらないものまで、ダブスタ呼ばわりされている気がします。そのため、ダブスタが非常に多いのではないかな。例えば、まったく原則がない、その場その場で発言が変わる風見鶏的なものまで、ダブルスタンダードとしちゃってる気もしますね。

この辺は、英語に関係なく調べてみると面白そうです。ま、本ブログの範疇を超えちゃうかな(笑)

それでは、また〜