Parrot of the Sea

先日面白いセリフがタイムラインに流れてきました:

he talked nonstop, like a parrot of the sea

というもの。海のオウムみたいにノンストップで話す。

ここのparrot of the seaというのは海賊のオウムを指しているんでしょうけど、その瞬間、そもそも「なんで海賊の船長っていつもオウムを肩に乗っけてるんだ?」って疑問に思ったんです。

だって、色んな作品で出てくる海賊船長って、ほとんどオウム飼ってますよね?(笑) 飼ってないのって、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウくらいじゃね?って感じ。

そこで、この映画・海外ドラマでおなじみのお約束「海賊船長がオウムを肩に乗っける」 を調べてみたところ、面白い事実が判明しました。

TV Tropesでの「海賊とオウム」の説明

TV Tropesサイト⤴️の次の記事にこのお約束の背景が載ってます:

Pirate Parrot

Pirate Captains have the Pirate Parrot. Expect these colorful feathered companions to be chatty and demand crackers. Pirate Parrots usually ride on the shoulder of their pirate owner.

海賊の船長はオウムを飼っている。このカラフルな羽を持つ仲間は、おしゃべりでクラッカー好きであることが期待される。海賊のオウムは通常所有者の肩に乗っかることが多い。

The parrot may or may not:

  • Be named “Polly”.
  • Ask for crackers, “Polly wants a cracker, Polly wants a cracker”.
  • Say something about “pieces of eight” (a Spanish dollar or piastre — a large silver coin worth eight reals).

このオウムは次の要件を満たすかもしれない(満たさないかも)

  • 名前はポリー
  • クラッカーを求める、「ポリーはクラッカーが欲しい、ポリーはクラッカーが欲しい」
  • 「スペインドル銀貨」について喋る

という感じで、「海賊+オウム」って既に広くお約束として認識されているんです。ポリーという名前が多いかは分かりませんが、お喋りというところが冒頭に出てきたツイートと一致してます。海賊のオウム=お喋りってイメージが確立されているんです。

でもさ、そもそもなんで昔海賊はオウムを飼っていたんでしょうか

海賊とオウム

海賊とオウムの起源

記事はさらに続きます:

In Real Life, it is not known if many pirates actually kept parrots for pets. Parrots are high-maintenance animals that serve no benefit on a ship (unlike, for example, cats, which keep the vermin population down). However, there are records of the occasional (non-pirate) Caribbean sailor keeping parrots and even monkeys as pets, so it’s not too unlikely.

現実では、多くの海賊が実際オウムをペットして飼っていたかは不明である。オウムは手間がかかる動物であり、海の上で飼うことに全く利益がないからだ(例えば、猫などは逆に、害獣の数を減らす効果がある)。しかし、非海賊の船員がオウムや猿をペットとして飼っていた記録は残っているので、海賊がオウムを飼っていたとしても、それほど非現実的ではないのかもしれない。

とあって、通常オウムをわざわざ海の上で所有することに意味はないのですが、海賊以外の船で飼っていたという記録はあるみたいです。

そして次の箇所で、この「海賊+オウム」という黄金コンビが、とある有名作品から始まったとありました:

The whole concept of a pirate and his parrot companion likely started with Treasure Island.

海賊がオウムを仲間にするという概念全体は、スティーヴンソンの『宝島』 で始まった可能性が高い

とあって、なんと古典的冒険譚の『宝島』由来の可能性大。調べると、小説の挿絵にオウムがちゃんと載ってました(笑)

スティーヴンソンの『宝島』でのオウムの挿絵
TREASURE ISLAND Illustrated by Louis Rhead

なぜ「オウム」なのか?

さて、ここで問題は「なぜオウムか?」に絞られたと言って過言ではないでしょう。上述のとおり、海の上でオウムを飼うメリットは皆無。なぜ作家スティーヴンソンは、鳩でなく、烏でなく、オウムに白羽の矢を立てたのでしょう?

記事は次のように結論します:

parrots in Real Life do naturally prefer to stand on a person’s shoulder. It’s also worth noting that at a certain point of time pet parrots commanded huge prices in Europe, so it is not inconceivable for a sailor wanting to settle down to trade in several parrots as a retirement benefit of sorts, probably leaving one to himself — which is probably where it all started.

現実世界のオウムというものは、自然と人の肩の上に乗るのを好む。もう一つ注目に値する情報としては、歴史上ある時点では、オウムはヨーロッパで高値で売れたということだ。だから、引退したい船員が船から降りる際に退職金がてら取引用のオウムを何匹も入手していたとしても、全くありえない話ではない。そして、そのうちの一匹を自分用としていたとしても。多分、そこからこのお約束は始まったのであろう。

とあって、これが「海賊+オウム」のゴールデンコンビの始まりのようです。なるほど、たしかにエキゾチックな動物を母国へ持ち帰って高く売れるなら、船の上で全く役に立たないとしても、世話くらいはするかもしれませんね。退職金の足しにするくらいですから、結構高く売れたのでしょうか。そこから、この意想外の組み合わせ「海賊+オウム」の映像的な妙ゆえ、オウムの価値が安くなった後も、今まで残り続けたんでしょうね。

『アーチャー』での「海賊+オウム」

そんな「海賊+オウム」の組み合わせはそれこそいろんな海賊映画で使われていますよね。海賊があるところにオウムありって感じです。

次のアニメ『アーチャー』では、主人公のアーチャーが海賊になるエピソード。もちろん、オウムは必須のギミックですね(笑)

アニメ『アーチャー』で、アーチャーは海賊となりオウムに餌をやる
Archer [Credit: FX]

最後に

ということで、今回は海賊船長とオウムがどうしてコンビを組み始めたのか?、その由来をみてみました。そこには、海賊稼業から足を洗う海賊の切実な思いが詰まっていたのでした。ってそれは違う(笑)

それでは〜