受験の書き換えでおなじみ「Enable」に「容認する」の意味
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In the past, I’ll admit it, I was an enabler.
私の英語勉強史
私の英語勉強史(?!)は、大まかに2つに分かれると思います。学校での英語授業から始まって、受験勉強、そして社会に出てからTOEICの点数を上げることに注力し始めた30代中盤までの時代と、「これじゃ、あかん」と一念発起、海外ドラマを英語字幕で見始めて今に至る30代後半以降の時代。ま、後者を勉強と言うのはちょっと疑問ですけどね(笑)
最近偶然、複数のブログ読者の人からそのことを尋ねられて、その転換期のことを思い返しているんですけど、「海外ドラマを英語字幕で見る」って簡単には言うけど、今までやってきたことが全く通用しないんですから、そりゃ大変でした。冗談じゃなくパンゲア大陸が分裂するくらいの地殻変動が自分の中で起こったんです(笑)
「Enable」の意味
例えば、今回取り上げるenableなんかがその最たるもの。接頭辞en-を付けたable(可能な)の動詞形ですね。ちなみに、richを動詞にしてenrich(豊かにする)、dangerだとendanger(危険に晒す)など仲間がありますね。
いずれにしても、受験英語だと、enableは書き換え問題で登場したと思います。無生物主語の動詞enableの英文をpossibleで書き換えるってね。試験前にそんな練習した人も多いんじゃないかな。
でもさ、海外ドラマだとenableは「可能にする」の意味だけで出てこないんですよ。いや、誤解しないでほしいんだけど、もちろん出ることは出るんですよ。
ルーク: And it enabled us to drink and not drive.
ただ、他の意味で出てくることも多いんです。例えば、以下のようなセリフで。
Don’t enable him!
「可能にする」だとまったくもって意味わかりませんよね。「彼を可能にするな」って何?(笑)
これが今回紹介する「容認する」のenableなんです。
容認
(本来は認められないことを)よいと認めて許すこと
つまり、上で出した例文は「彼のこと容認したらダメ、ダメなことはダメと言え」と言う意味なのですね。
例えば、子供がお菓子食べまくって、それに何も言わない親は子供をenableしてるんですね。受験英語のenableとはちょっと違う感じ。
海外ドラマでも、『メンタリスト』の下記シーンでは、ジェーンが捜査令状も無しに家屋に入っていき、それに慌てるリグスビーの図。チョウにenableするな(=容認するな、見過ごすな)と言いますが、「問題は何?」と、とぼけるチョウです(笑)
チョウ: What’s the problem?
でも、受験勉強でenableとpossibleの書き換えをやらされてた私は、このenableの意味を取れなかったんです。まあ、当然ですよね。英語の文法で作ったパズルを必死に解いていたのですから。
逆に言うと、学校で英語ができたかどうかというのは、海外ドラマを英語字幕で見るのに影響はそこまで大きくないんですよね。どちらのクラブに属そうが、今までやってきた英語は通用しないという意味で(笑) だから、大変なのは誰も一緒なんです。
そういう意味では、学校での授業で英語なんてできないと諦めた人にこそ、英語字幕で海外ドラマ視聴を試してほしいと思ってます。誰もが同じスタートラインなんですから。TOEIC900点でも600点でもあまり違いはありません。
なお、enableネタに戻ると、enableに容認の意味があるなら、enablerが持つ意味もなんとなく分かりますね。相手にとって悪いと分かっていても容認してしまう人のことです。上の例でいうと、子供を甘やかす親ですね。
最近アメリカ政治では、トランプからバイデンに政権が交代しましたが、トランプを野放図にしてたのは誰なんだと、このenabler探しが始まっています(笑)
- California Republicans contributed to the disgraceful day by enabling Trump’s election lies
- Business leaders like Zuckerberg, Dorsey and Murdoch should be ashamed for enabling Trump
こういうの見ると、enableとpossibleの書き換えやってたんじゃ、そりゃ英語できるようになるわけないよな、と数十年たって思うのでした(笑)
そんな英語教育で良しとするenablerがきっとどっかにいるのでしょうね。それでは〜
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