イディオム「Long Face」

イディオム的表現のlong faceには浮かない顔・悲しい顔の意味がありますね。眉毛も目尻も口角も下がるので顔が長く見えるんでしょうか😩

例えば、英語には「バーに入っていった」から始まる「Walk into a Bar」ジョークがあって、このジョークのテンプレ的なネタにlong faceが登場:

A horse walks into a bar. The bartender asks, “Why the long face?

つまり、馬の長い顔と、イディオム表現の浮かない顔をlong faceで掛けているんですね。馬と相性がいいイディオムlong face(笑)

なので、馬が主人公のコメディアニメ『ボージャック・ホースマン』でも、このネタはキッチリ登場してます:

ボージャック: And he says… he says, “Why the long face?” And I say, “Hey, buddy, I can’t help it.” You get that? Long face. Horses have long faces.
『ボージャック・ホースマン』で、ボージャックは舞台でネタをやる
BoJack Horseman [Credit: Netflix]

ここで、「Why the long face?」というのは「何浮かない顔しているの?」という心配を表すテンプレフレーズとなってますね。

『ブレイキング・バッド』では、ドラッグビジネスの問題で悩むウォルターとジェシーを、ソウルがこのフレーズで励ましてました。二人なのでfacesと複数形です。

ソウル: Guys! Why the long faces here? You’re sitting on a gold mine.
『ブレイキング・バッド』で、ソウルはビジネスの問題で落ち込むウォルターとジェシーを励ます
Breaking Bad [Credit: AMC]

さて、ここまでが浮かぬ顔のlong faceの基本です。

「長い顔」の意味での「Long Face」

これを抑えたところで、この記事本題の 「long face」が「長い顔」を表す場面? に入りましょう。もちろん表せるんですが、馬のジョーク以外で登場することがあるのかと、個人的にふと疑問に思ったんですよね。

そこで、海外番組の字幕を検索しまくって、見つけたのが次の『クィア・アイ』の場面です。ジョナサンは依頼者のあごひげが顔を長く見せるので、切ろうとしています。やった、長い顔の方の「long face」だ(笑)

ジョナサン: The length here, it’s making the chin seem long, you don’t have this long face. So, I wanna take this down
『クィア・アイ』で、ジョナサンは依頼者のあごひげが顔が長く見えるから切ることにする
Queer Eye [Credit: Netflix]

ということで、ジョナサン的にも、long faceはオススメじゃないようですね(笑)

「ウキウキ」と「buoyant」

ちなみに今回、なんで日本語は「浮かぬ」なのかと考えたら、結局は「心が浮く・浮かない」ということで、英語の「buoyant(浮力がある、うきうきとした)」と似てるんですね。言語は違えど、裏にあるアイデアは同じなのでした。

それでは〜