「アブラカダブラ」と海外ドラマ

アブラカダブラ」といえば、手品の際に、手品師が発する「呪文」として知られていますよね。何かトリックをしたと同時に呟かれるので、観客側としては、そこが目をかっぽじって見るべきポイントというキュー(cue)の役割も持ってます。まあ、実際は、 「アブラカダブラ」言われた時には既にトリックは終わっていることがほとんどですが(笑)

abracadabra

Interjection

Used to indicate that a magic trick or other illusion has been performed.

間投詞

手品や他のイリュージョンが行われたことを示して使われる

だから、ある意味「ジャジャーン」的な意味合いですね。「ta-da」「voila」と似た感じ。

海外ドラマでは、次の『名探偵モンク』で、奇術師が「アブラカダブラ!(Abracadabra!)」と言うと、手に持っていたカードが消えます。

Abracadabra!
『名探偵モンク』で、手品師が「アブラカダブラ」というと、カードが消える
Monk [Credit: USA Network]

実は、海外ドラマの刑事モノ・シリーズなんかだと、犯人がマジシャンというパターンも結構あって、そんな時にこの「abracadabra」が出てきますね。

上の『名探偵モンク』の別シーンでは、「アブラカダブラ」をモジッた芸名の男が奇術を行ってました。

『名探偵モンク』で、「アブラカダブラ」にモジッた名前の男が手品を行う
Monk [Credit: USA Network]

「アブラカダブラ」の語源

さて、そんな「アブラカダブラ(abracadabra)」ですが、語源は諸説あって不明のようなんです:

アブラカダブラ

しかしながら、オックスフォード辞典オンライン版(2017年)によると「様々な予想を裏付ける証拠は見つかっていない」とあり、依然として語源は不明である。

しかし、海外ドラマの『ダッシュ&リリー』に、「アブラカダブラ」の一つの語源についての言及があって面白いので、ちょっと紹介してみましょう。

場面はダッシュがリリーに指定されたクリスマス・デコレーションされた場所に行く場面。ナレーションでリリーがこの「アブラカダブラ」について語ります:

リリー: I told myself I didn’t fit in anywhere and just kept hoping that one day something would magically change. But, little-known fact, the word “abracadabra” comes from an Arabic phrase, “avra kadabra,” meaning, “I create as I speak.” We make our own magic. This notebook is magic, and we see what we look for. I hope you’ll keep looking for the good stuff But, to help you out, be at the last house on the block when the clock strikes five. I’ll send you a sign. I believe in you, Notebook Boy. Do you still believe in me?

リリー: little-known fact, the word “abracadabra” comes from an Arabic phrase, “avra kadabra,” meaning, “I create as I speak.”
『ダッシュ&リリー』で、ダッシュはリリーに指定されたクリスマス・デコレーションされた場所に行く
Dash & Lily [Credit: Netflix]

つまり、「アブラカダブラ」はアラビア語の「話すように作る」から来てる説。『ダッシュ&リリー』の文脈で言えば、交換日記してるので、「書くように作る」ってところでしょうか?

「アブラカダブラ」の刑事モノ海外ドラマ以外の例

さて、上で述べたように、刑事モノ海外ドラマで、手品師の犯人が「アブラカダブラ」言うのは『名探偵モンク』以外にもあるので、ここでは別ジャンルから「アブラカダブラ」を集めてみました。

『奥さまは魔女』から

今回驚いたのが『奥さまは魔女』で「アブラカダブラ」が出てきたこと。ただ残念なのが、言うのがサマンサではなく、ハロウィーンでお菓子をもらいに来た子供。タバサに「アブラカダブラ、木になる」と言って、本当に木になってしまうタバサのシーンでした。ちなみに、画面切り替えは、あの独特な魔法効果音が使われています。

子供: Abracadabra, you’re a tree.
『奥さまは魔女』で、タバサは子供に木になると言われ、本当に木になる
Bewitched [Credit: ABC]

『ウィッチャー』から

『ウィッチャー』では、冒頭のお城のダンスのシーンで「アブラカダブラ」が使われていますね。王様は、退屈なダンスパーティー(shindig)に「アブラカダブラ」が必要と言います。お妃によれば、消える奇術のことみたいですね。

王様: These shindigs need a touch of the old abracadabra.
家来: At your service, Your Majesty. Tricks and illusions to delight.
お妃: He means to pull a disappearing act. don’t you?
『ウィッチャー』で、王様はダンスが気に入らない様子
Witcher [Netflix]

『ベター・コール・ソウル』から

『ベター・コール・ソウル』では「アブラカダブラ」の持つニュアンスがうまく使われているシーン。キムが総攻撃(full-court press)を行うも、うまく行かず。すると、アブラカダブラ、どこからともなくキムのボーイフレンドが現れるのです。もちろんジミーのこと(笑) ここなんか「じゃじゃーん」でも通用します。

you put the full-court press on Kevin to change sites. That doesn’t work, and abracadabra, your boyfriend’s opposing counsel.
『ベター・コール・ソウル』で、キムに休養を迫る上司
Better Call Saul [Credit: AMC]

Google 日本語入力の「アブラカダブラ」

なお、この記事を書いている時に気づきましたが、Google 日本語入力だと、「アブラカダブラ」と入力すると「→アブラカタブラ <もしかして>」と不思議なサジェストが出ますね。「abracadabra」が「アブラカブラ」って、おかしすぎる気がします。「アブラカタブラ」って名称のものがあるわけでもない。ネット上でみんな間違ってるんだけど、これ、大丈夫なんでしょうか?(笑)

Google 日本語入力で「アブラカダブラ」のサジェスト候補が「→アブラカタブラ <もしかして>」になる
Google 日本語入力で「アブラカダブラ」のサジェスト

最後に

今回は手品師の呪文「アブラカダブラ(Abracadabra)」について見てみました。裏でなにかトリックが行われるニュアンスですね。

日本人としては、聞いたことはあるけどなんだか実際は分からないということで、面白かったんじゃないでしょうか。そういうことが学べるのが、海外ドラマの良いところなんですよねー。それでは〜