カミングアウト記事3本目

このブログでは、今まで「カミングアウト」について2つの記事を書いてきました。

今回、そこに新たに記事を追加することになることの発端は、エレン・ペイジ改エリオット・ペイジのニュースなんです。現在は『アンブレラ・アカデミー』にヴァイオリニストのヴァーニャ役として出ていますよね。

『アンブレラ・アカデミー』で、ヴァーニャ役を演じるエリオット・ペイジ
The Umbrella Academy [Credit: Netflix]

彼(!)は元々同性愛者でしたが、昨年12月にトランスジェンダーであることを公表し、大きなニュースになっていました。更には数週間後の最近、その恋人と別れたということでまた話題になります。

そんなニュース記事の題名を眺めていると面白いことが分かってきます:

後ろに行くにつれ、英語以外の言語でのニュースになりますが、そこでも「coming out」が使われているのが分かります。つまり、カミングアウトはユニバーサルな表現にもうなってるんですね。

「out」単独でLGBTを明かすの意味に

そんな中、ある一つの記事タイトルが気になりました。「to be outであることを幸運だと言うのに飽き飽き」という(当時)エレン・ページの記事。

なんと、come outじゃなく、単にout一言で済ましているんですよ(笑)

この使われ方はまだ少ないですが、ちらほら見かけますね。

そこでWikitonaryを引くと:

out

(他動詞、LGBT)人がLGBT+(ゲイ、トランス、その他)であることを明らかにする。

(transitive, LGBT) To reveal (a person) as LGBT+ (gay, trans, etc).

とあるじゃないですか! つまり、

come out of the closet → come out → out

とイディオムの究極的な短縮がなされたんですね(笑) もちろん、背景には「クローゼットから表に出る」イメージがあるのは言わずもがな。

日本語での「アウト」の意味って?

それじゃあ、日本語でも「アウト」一言で「LGBT公表」を意味することになるのでしょうか? 個人的には、それは当分なさそうって感じです。だって、日本語の「アウト」って「失敗」というニュアンスを既に帯びてしまっていますからね。スポーツ界での表現が大衆化された際に一般化されてしまったのでしょうか。これもよく考えると不思議ですね。

以上、今回は 「カミングアウト」という表現が既に普遍性を持っていて、英語では out単独で「カミングアウト」を意味するようになっていることが面白かったので紹介してみました。それでは〜