私からの「海外ドラマ英語字幕視聴」アドバイス

このブログでは「海外ドラマを英語字幕で視聴しての英語学習」を熱烈に推薦してるんですけど、実はその方法論とか、推薦する海外ドラマとかは全く記事にしてないんですよね。というのも、

自分が夢中になれる海外ドラマを英語字幕で見て愉しめばいい

しか言えないからです。この海外ドラマはスラングが多いとか、あのドラマは教育的とか、こっちはfuck等の卑語が出てくるとかは全く関係ないんです。そんな些細なこと心配する暇があったら「好きな海外ドラマの次のエピソードを見て下さい」なんです(笑)

ただ、最近これに関して質問を受けることも多くなったし、上記だけじゃあまりにも不親切というのも分かるので、私の個人的経験を踏まえた方法論的なものをまとめて、トップページからリンクすることに決めました。FAQ的なものですね。

それをやる前に、一つだけ伝えたいことがあるので、今回それをシェアしたいと思います。それは、

そもそも、私はなぜ海外ドラマを英語字幕で見ようとしたのか?

です。実は私の場合、理由は「英語の勉強」ではないんですよ。「うっそー、どっひゃー、ズコー」って感じですよね(笑)

A Little Bit About Myself

とその前に、簡単に私と英語の馴れ初めを。

私が英語を習い始めたのは中1からでした。当時の義務教育での英語は中学生からでしたので。英語の1学期中間試験(人生初めての試験!)で90点取って喜んでたら、平均点が93点で唖然となったことが今でも記憶に残ってます。というのも、アルファベット「ABC,…」が書けて、「boy, good morning」等が書ければ100点取れるテストだったんですけど、中1の私は数問間違ったのでした(笑)

ただし、英語で平均点以下を取ったのはこの最初のテストだけで、それ以降高校を通しても、5段階評価で3と4の間を行ったり来たりするくらいの成績でした。私は、試験直前に効率よく勉強して平均以上を取るソツのない生徒だったんですね。

そして、数理的なことが好きだったこともあって、大学では理論物理を専攻。大学で英語の論文も読みましたが、理論系の論文はフォーマットがほぼ決まっていて、個人の感情のほとばしりとかは出てきませんので(笑)、辞書があればなんとかなるレベル。

それから、社会に出て就職するわけですが、20代後半にTOEICなる試験を受けさせられる羽目になるんですね。当時の自分は全くそんなテストのことは知らなかったので、何もせずにそのまま受けました。結果は450点くらい。それにすごいショックを受けたんです。半分も取れなかったって・・・。そしてそれ以降、TOEICの点数を上げる勉強をスタートするんです。幸い、1〜2年に1回くらいTOEICの団体テストを受けさせてもらえる機会がありましたので、休日暇なときなどに英語の勉強を開始します。私は本が好きなので、ブックオフで英語の学習教材をよく買ってましたね。だって、最初の数ページしか使ってない学習書が安く売ってましたので(笑)

そしてその後、TOEICを受ける度に点数が60点くらいずつ上がって行ったのです。自分の努力が点数に反映されるのを見るのが嬉しかったんですね。そして、頑張ってるうちに点数は670点まで上がったのでした。その数字を見て、自分はかなり得意げになったんです。今思えば670点程度て有頂天になりアホなんですが、当時は何も知りませんでした。

しかし、会社で海外出張者の応対や、私自身が海外出張をした時に全く英語が喋れなかったトラウマ的経験がありまして、自分の英語力に絶望するときが訪れたんです。TOEICの点数が上がっても意味ないじゃんって。一番辛かったのは、このまま、点数を700点、800点と上げていっても英語は一向に喋れるようにならなそうというのが直感的に理解できてしまったことでした。それからどうしたと思います? だから、英語の勉強を一切止めたんですよ。だって、そんな無駄なことに時間費やしても人生無駄じゃん、ってね(笑)

男が頭を抱える

私と海外ドラマ

ところで、私と「海外ドラマ」の関係についてもこの辺で述べておいたほうがいいかもしれませんね。実は、小学生時代私は海外ドラマが好きでした。当時は「刑事コロンボ」や「特攻野郎Aチーム」が好みというか、親が見てたのを一緒に見てたのです。当然日本語音声で見てました。後年、彼らの実際の肉声を聞いた時は、ちょっとイメージと違い過ぎてショックでしたけど(笑)

その次に「海外ドラマ」にハマるのが社会人数年目でしょうか。当時はNetflixやHuluなんてものはあるはずもなく、ツタヤなどの地元DVDレンタル屋で海外ドラマを借りて見るのが趣味になってました。その当時夢中になったのが『NUMBERS 天才数学者の事件ファイル』。次のシーズンが来るのをずっと心待ちにしてました(笑) というのも、私は根っからの理系なので、数理的な理論がドラマ中で扱われ、それが事件解決に繋がるのを爽快に感じたんです。そして次に『メンタリスト』にハマります。今はちょっと分かりませんが、当時はDVDを借りると、他の海外ドラマの1話目が無料で付いてくるというサービス(撒き餌)があったのですね。それで『メンタリスト』を見たら、ものの見事にハマってしまいました。ちなみに、これらは「英語音声の日本語字幕」で見ておりました。

そして、その次の私の「海外ドラマ」ブームは、上述の「英語の勉強を止めた」後30代前半に訪れるのです(笑) 英語の勉強を止めたので時間が出来たんですね。そこで、当時はまだ目新しかったNetflixを始めたんです。DVDレンタルするよりは安いだろうって軽い気持ちで。当時ハマったのは『LOST』や『プリズン・ブレイク』だったかな。後者は、毎回本当にハラハラの連続で、マイケルの兄貴のアホさ加減に、モニターの前でいつも怒ってましたっけ(笑) これらも、当然「英語音声+日本語字幕」で視聴してたんですね。

そして、あらかためぼしい海外ドラマを見終わると、次にシットコムにハマるんですね。それが有名な『ビッグバン★セオリー』なのでした。というのも、私は理系(以下略)。この『ビッグバン★セオリー』には本当に夢中になりました。出てくるキャラはみんな個性豊かだし、出てくる理系ネタも面白いし、主人公のシェルドンとレナードが自分と同じ物理系というのもスムーズに感情移入出来た原因でしょうか。オタクネタはちょっと理解できなかったけどね。この番組でシットコムの面白さを初めて理解できたと思います。各エピソードは2回は繰り返し見ました。そして、私の運命を永遠に変えるあのエピソードがやって来るのです。

私の運命を変えた『ビッグバン★セオリー』のエピソード

『ビッグバン★セオリー』には、シェルドンが避難訓練で真夜中にレナードを起こすエピソードがあるんです。これも、「英語音声+日本語字幕」で視聴してました。

『ビッグバン★セオリー』で、シェルドンはレナードを避難訓練で起こす
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

しかし、これを視聴中不思議なことが起こったんです。避難訓練の避難の原因が日本語字幕では「ゴジラが攻めてきた」とかなってたんですけど、シェルドンは一言も英語で「Godzilla」とは言わなかったんです。目は日本語字幕を見てはいますが、耳は(理解できないながら)英語を聞いていて、しかも「ゴジラ」という特徴的な音なので、聞き逃すはずはないんですね。そこで気になって、字幕を英語にして見直したら、これが驚いたのなんの。英語字幕に「ゴジラ」なんて一言も出て来てないんです。「カナダが攻めてきた」だったんです。なんと、日本語訳が超意訳されてたんですね。今になって思えば、日本人視聴者向けに分かりやすくするため、翻訳者は「ゴジラ」に筋を改変したんでしょうけど、当時の私はそんなこと知りません。『ビッグバン★セオリー』のことが好きだったので、この出来事は私にとって相当のショックでした。「こちらは一字一句足りとも見逃さないと決めて見てるのに、なんだ日本語字幕がそもそも違ってるじゃん!」って。

だから、英語字幕で見始めたんです(笑)

日本語字幕がおかしいのなら、自分が英語字幕を拙く訳しながら見たって理解度はあまり変わりないって思ったんです。そして、『ビッグバン★セオリー』を第一話のエピソードから英語字幕で見返し始めたんです。これが何を隠そう、私が海外ドラマを英語字幕で見始めた理由です。英語の勉強は全く関係なかった。ただ自分の大好きな番組をちゃんと理解したかっただけ。それだけなんです。

もちろん、最初はものすごく大変でしたよ。一回一回一時停止しながら視聴してましたし。でもこれが苦痛にならなかったんです。だって、自分の好きな番組をしっかり理解できる喜びの方が勝ったから。当然、最初は試行錯誤の連続でした。ご多分に漏れず、大失敗に終わる英単語帳も作ったし(笑) でも、100%の完璧さを途中で諦めて、あの日本語字幕より理解出来れば御の字という気分になってからは、視聴が格段に楽になりました。分からないものを分からないままにしておくことも必要なんですね(笑) よく映画とか見てる時に、主人公が長々と喋ってるのに、日本語字幕は一言「それじゃダメなんだ!」とかなってたりしますけど、それだって3割しか訳せてないわけですよね。英語字幕で視聴する際は、ある程度理解できたら十分として、先に進むべきなんです。

『ブレイキング・バッド』、他の海外ドラマへ

それからはダムの門が開いたがごとく、次から次に海外ドラマを英語字幕で視聴していきました。私が特にハマったのは『ブレイキング・バッド』。なぜかみんなスカイラーのことが嫌いみたいですけど、私は途中から主人公のウォルターのことが大嫌いになっていき(笑)、「早く捕まれー」と願いながらエピソードを見ていた記憶があります。彼の理系とは思えない場当たり的な行動が許せなかったんです。だって私は理(略)

そして、ついに、待ちに待ったその時が訪れるのです。

『ブレイキング・バッド』で、ハンクはウォルターを逮捕する
Breaking Bad [Credit: AMC]

あの憎きウォルターが逮捕される瞬間。しかもハンクにですって!(笑) この時のことは今でも鮮明に覚えています。朝起きなくちゃいけないのに、こうなったらもう眠れませんよね? 深夜2時半に上のシーンですから(笑) もうこっちの心臓はバクバクドキドキ。嬉しすぎて嬉ションしちゃうくらいの心境です。「え?そこでマリーに電話する?? それは後にしようよ」とかハンクの一挙手一投足を心配しながら、ノートパソコン片手に布団の中で祈りながら視聴してました。

かーらーのー、あれですよ。アレ。ネタバレはしませんが、もうね、その後起こったことは自分にとって悪夢でしかありませんでした。夢であったら醒めて欲しい! そこから最終話まで徹夜で見終えたのは言うまでもありませんね(笑)

ここで重要な点が一つあります。皆さんお忘れかもしれませんが、私はこれを英語字幕で見てるんです。別に英語勉強をしようとはこれっぽっちも思ってない。ドラマを心底愉しんで、単に続きが見たいだけ。つまり、愉しさは英語の辛さに打ち勝てるんです。

再掲:私からのアドバイス

最後にもう一度言わさせて下さい。結局、

自分が夢中になれる海外ドラマを英語字幕で見て愉しめばいい

のです。私にとっての『ビッグバン★セオリー』や『ブレイキング・バッド』を皆さん自身で見つけて下さい。

私と趣味も性格も歩んできた人生も異なる皆さんが『ビッグバン★セオリー』や『ブレイキング・バッド』を好きになるとは到底思ってません。だから私は勧めないんです。でも、どこかに、自分が好きになり、夢中になり、惚れる海外ドラマ・番組があるはずなんです。それを是非とも見つけて英語字幕で愉しんで欲しい。それが「海外ドラマ英語字幕視聴」を成功させる唯一の秘訣です。特に、最初見る海外ドラマは「海外ドラマ英語字幕視聴」の成否を左右するので、つまらない海外ドラマなら視聴をやめて下さい。いくら、高名な○○さんが推薦してても、どっかの○○さんが英語学習に役立つと言っても、皆さんの脳が拒否反応を起こしたら見なくていいです。

私がよく使う定番ネタですが、映画『アマデウス』の皇帝になった気持ちでOK。あくび3回で視聴は止めましょう(笑) モーツァルトのオペラだって上演中止になるのです。私が『ブレイキング・バッド』を見てた時どうだったかですって? 欠伸したわけないじゃないですか(笑)

映画『アマデウス』で皇帝があくびをする
Amadeus [Credit: Orion Pictures]

以上、私が海外ドラマを英語字幕で見始めた理由でした。コツは、自身が日本語で楽しめそうな海外ドラマを見つけて、視聴する直前に英語字幕に切り替える。そのくらいで心持ちでいいと思いますよ。逆に英語勉強と思ってはダメです。失敗します。

個人的体験談ですが、参考にしていただければ幸いです。それでは〜


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