about time
遅すぎる行動に

「It’s about time」の意味

It’s about time」の意味は「そろそろ~してもいい頃」と学校で習いましたよね。

次の『コブラ会』では、誰かが子どもたちに戦い方を教えてもいい頃と、父兄の一人が述べてますね。これが、「It’s about time」の典型的な使用例。もう、その時期だってこと。

父親: It’s about time somebody taught these kids how to fight.
『コブラ会』で、父親は子どもたちに戦いたかを教えるときだと言う
Cobra Kai [Credit: YouTube Premium]

「そろそろ」に合わない「It’s about time」の例

ただ、面白いのが、この「そろそろ~していい頃」に合わない使用例がちょくちょく海外ドラマで出てくることです。

『ブレイキング・バッド』から

次の『ブレイキング・バッド』では、ウォルターの金を取りに行かしたヒューエルがようやく帰ってくると、ソウルは「Finally」と言ってから、「It’s about time」。ここでは直前の「Finally」が「ようやく(来たか)」というニュアンスなので、「そろそろ」だと前後の整合性がつかないのです。

ソウル: Finally. It’s about time.
『ブレイキング・バッド』で、ソウルはウォルターの金を部下に運ばせる
Breaking Bad [Credit: AMC]

ちなみに、ヒューエルが仕事もせずにやってたのが次の画像。『ブレイキング・バッド』で個人的に好きなシーン(笑)

『ブレイキング・バッド』で、ヒューエルとクビーは大金の上に寝る
Breaking Bad [Credit: AMC]

『ビッグバン★セオリー』から

もう一つの例。『ビッグバン★セオリー』では、ペニーがギーク4人組が買ってくる中華料理を待ってるシーン。ようやく戻ってくると、「it’s about time」と言ってから「I’m starving」とお腹ペコペコです。全然「そろそろ」ではありません。逆に遅すぎるんですね。実際、男たちは中華料理でなく違うものを買ってきているので、それで時間がかかった事が分かります。

ペニー: Oh, it’s about time. I’m starving.
『ビッグバン★セオリー』で、お腹をすかしたペニーはギーク四人組の中華料理を待つ
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

『HOMELAND』の例

ここまで見た例でもまだ微妙とお思いの方は、次の『HOMELAND』の例なら納得するはず。

CIAのアジトに協力者が遅れてやってきます。クインが苛立って「About time」というと、男はすぐに「sorry」と謝ります。「タクシーで来た」と聞くや大激怒です。 これなんか、全然「About time」じゃないんですね。「遅い」と言ってるわけです。

クイン: About time.
男: Oh, sorry. My taxi got lost.
クイン: You took a fucking taxi to a CIA safe house?
『HOMELAND』で、クインはCIA協力者が仕事に遅れたのに苛立ちを表す
Homeland [Credit: Showtime]

「About Time」が持つ別の意味

さて、そろそろ「About Time」の裏の意味を辞書で引いてもいい頃合いかもしれませんね(←これがやりたかった笑)

about time

(イディオム的に)望んだ時間をとうに過ぎて。

(idiomatic) Far past the desired time.

そうなんです。「about time」は、時間がとっくに過ぎているときにも使われるんです(笑)

最後に

今回は「about time」が持つ裏の意味「遅すぎる」を紹介しました。こういうのは、自分が知っている知識と、海外ドラマ内で繰り広げられる状況に乖離があるのを見つけたら、チェックするといいと思います。それでは〜


「High Time」だと?↓