「At the Same Time」の意味(時間的同時性)

at the same time」は主に2つの意味があります。まず、時間的な同時性。同時に何かが起こることを表現できます。

例えば、『グッド・プレイス』では、タハニが「私達考えている事一緒?」と感じて、相手と同時に言おうと提案します。同じタイミングで考えていることを声に出すんですね。これが「at the same time」の基本的な意味です。

タハニ: Soulmate, are you thinking what I’m thinking? Should we say it at the same time? All right, one, two, three -
『グッド・プレイス』で、タハニはマイケルを助けると言い出す
The Good Place [Credit: NBC]

『アンブレラ・アカデミー』では、アリソンが子供にヒーローの活躍の寝物語をする場面。ベンは4人の悪者を同時にやっつけたとしています。触手が四本あるならできますね(笑)

Uncle Ben, he took down four at the same time
『アンブレラ・アカデミー』で、アリソンは子供にアンブレラ・アカデミーの話をする
The Umbrella Academy [Credit: Netflix]

「At the Same Time」の意味(別意見導入)

ここからが面白いんですが、「at the same time」は、時間的に同時に起こること以外に、意見などを導入する際にもよく使われます。

例えば、「A」というアイデアを話していて、そこに新たな「B」という「A」とは矛盾しないアイデアを導入するとき、

地球温暖化を防ぐには化石燃料の消費を抑えること

それと同時に

グリーンエネルギーに移行して行く必要もある

とかがそう。最初に述べていた意見と同時に成り立つ意見を「at the same time」で導入できるんですね。これは時間的な同時性から離れていますが、日本語でも「同時に」に似たような意味があるので、そこまで把握は難しくはないはず。

『ビッグバン★セオリー』では、ペニーがこの「at the same time」を使って、見たドキュメンタリー番組の話をします。「村人はダムから電気が必要、それと同時に、環境も保護」という使い方です。

ペニー: They need electricity from the dam… but at the same time, they wanna preserve the environment.
『ビッグバン★セオリー』で、ペニーはレナードが話したドキュメンタリーの内容をそのまま繰り返す
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

「A. At the Same Time, B」の時、AとBに開きがある

なお、「Aである、と同時に、Bでもある」という時に、「A」と「B」に同じ内容を入れることは通常あまりありません。というのも、話がそれほど面白くないからですね:

ケーキが好き、と同時に、チョコも好き。(だから、チョコケーキが大好物)

という話を聞いても、退屈ですし、「同時に」で付け加える意味が無いですね。一方、

ケーキが好き、と同時に、わざびも好き。(だから、わざびケーキが大好物)

ならば、ストーリーとしてはリスナーの興味も引けますし、「at the same time」を使う意味もありますよね。

なので、AとBには通常かなりの距離、時には正反対(矛盾)のことがよくあります。

『ママと恋に落ちるまで』では、ロビンがテッドに「I love you」を言えないエピソード。「hm hm hm(I love youのこと)は相乗り用レーンに入ることだ」と例えます。「出口に出たくはないけど、と同時に、相乗り用レーンに入る準備はできていない」と、自分の心情を「at the same time」を使って吐露です。

ロビン: “hm hm hm” is like getting into the carpool lane. And I don’t want to take an exit, but at the same time, I’m not ready to get into the carpool lane.
『ママと恋に落ちるまで』で、ロビンはテッドに「I love you」を言えない
How I Met Your Mother [Credit: CBS]

最後に

今回は、「at the same time」の使い方を海外ドラマの例を通して見てみました。時間的な同時性と共に、議論等での別意見の導入で使われます。どちらも非常によく使われますし、特に後者は、自分の意見を手軽に多角化できるので、使えるようになると、英語のスピーキングテストなんかで有用な気がします。

なお、慣れてくると、コメンテーターの議論の持って行き方で「at the same time」が来るのが事前に分かったりします(笑) ま、それほど頻出する表現ってことでしょうか。それでは〜