「Cancel Culture(キャンセル・カルチャー)」とは?

最近、ニュースなんかで見かける「キャンセル・カルチャー」って用語が気になったので調べてみました。

Netflixの文化のことではない(笑)

海外ドラマ好きからすると、Netflixのことかなと思ってしまいますよね?(笑) だって、そこそこ面白い(decent)海外ドラマがたくさんキャンセルと言う名の「打ち切り」の憂き目にあってますし・・・。自分が残念と思う海外ドラマだけでも、すぐ6つ上がります。

『アンという名の少女』『GLOW』『アメリカを荒らす者たち』のポスター
Credit: Netflix
『欲望は止まらない!』『カレッジ・フレンズ』『サンタクラリータ・ダイエット』のポスター
Credit: Netflix

ニューヨーク州知事クオモの例

でも、それとは違うみたいですね。というのも、最近のニュースでは、アメリカのニューヨーク州知事のクオモ(弟はCNNのアンカーで、以前「フレド」vs「N-word」論争で登場)が、使っているからです:

彼は現在セクハラで7人9人(更新)の女性から訴えられていて、その他、新型コロナ患者を病院から老人ホームへ送り返して死者を増やし、そしてその死者数を隠蔽したことで党内からも非難され、日に日に辞任を迫る声が内外から高まっている状況。

そんな彼が打ち上げたのが「Cancel Culture」批判。つまり、自分への抗議活動や辞任要求を彼は「キャンセル・カルチャーだ」として非難しているんですね。

Wikipediaでの「Cancel Culture」の説明

さて、この「キャンセル・カルチャー」ですが、Wikipediaを見てみると、バッチシ載ってますね:

Cancel culture

「キャンセル・カルチャー(または、コールアウト(非難)・カルチャー)」とは現代の村八分である、そこで、該当者は社会的専門的な集団から弾き出される、それはオンライン上かもしれないし、ソーシャルメディアや対面で、かもしれない。この村八分の対象になった者は、「キャンセルされた」と呼ばれる。「キャンセル・カルチャー」という表現は大体が否定的な含みを持ち、よく言論の自由や検閲に関する議論で使われる。

Cancel culture (or call-out culture) is a modern form of ostracism in which someone is thrust out of social or professional circles – whether it be online, on social media, or in person. Those who are subject to this ostracism are said to have been “cancelled”. The expression “cancel culture” has mostly negative connotations and is commonly used in debates on free speech and censorship

ということで、日本語だと「村八分」のことでした。

上のクオモの例で言えば、彼の様々な疑惑を受け、人々が彼をこの社会から追放(キャンセル)しようとしているとして、クオモ本人はその風潮を非難しているんですね。

なお、Wikipediaには続きがあって、

キャンセルカルチャーの概念は非難カルチャーの変種で、疑問がある行動や言動をした個人に関連するものをボイコットする形でなされる

The notion of cancel culture is a variant on the term call-out culture and constitutes a form of boycotting involving an individual (usually a celebrity) who is deemed to have acted or spoken in a questionable or controversial manner

とあって、日本でもよくあるパターンであることが分かります。例えば、不倫したタレントが出演していたテレビや宣伝してる商品をボイコットする活動なんでものは、ネット上でよく見かけますからね。

「キャンセル(Canceled)」のスタンプ

クオモの例に戻ると

なお、クオモは自分への非難を一律「キャンセル・カルチャー」としてかわそうとしてますが、ネット上では、「政治家がしでかした失敗の責任を求めることが、いつからキャンセル・カルチャーと呼ばれるようになったのか?」という辛辣な意見もあって、しばらくは話題を振りまく感じです。

最後に

今回紹介した「キャンセル・カルチャー(cancel culture)」は、結局のところ、何か問題がある(と思われる)行動や言動をした人をボイコットするという「村八分」の意味で使われるのでした。ネットなんかと相性いい感じ。そして、ネガティブな含みなので、そういう軽薄な風潮を非難している文脈で使われるんでしょうね。

ただ、日本語の「村八分」は火災と葬式の2つは例外なので、「キャンセル・カルチャー」よりは緩いのかもしれません。って違うかw

「cancel」という単語チョイスが、個人的には面白いと思います。日本語「キャンセル」ではありえないの使い方ですからね。ただ、海外ドラマ好きからすれば、番組の打ち切りは「cancel」ですから、そこまで変ではないかも。

それでは〜