このブログと海外ドラマのエピソードタイトル

このブログでは、これまでも海外ドラマのエピソードタイトル(サブタイトル)について記事を書いてきました。

初回エピソード題名が「パイロット」ネタや、

「Pilot」以外で最も多いエピソードタイトルが「フィナーレ」ネタなど。

実は、このブログ初期の記事でも、『メンタリスト』のタイトルに赤が関連してる記事も書いてたりするんですよね。

なんで偏屈なエピソードタイトルが許されるのか?

でもさ、そもそも、なんでこんなことが許されるんでしょう? なんか、制作陣は明らかにタイトルで遊んでますよね?(笑)

動画ストリーミングサービス上では、日本語表示だと分かりませんが、英語表示にするとこの遊びの一端が垣間見れるので、お気に入りの番組は英語表示してみるのをオススメします。

『名探偵モンク』では、全部「Mr. Monk」が主語だし、

Hulu上の『名探偵モンク』の表示
Monk on Hulu

『フレンズ』では、全部「The One」で始まると言った具合。『フレンズ』の場合、エピソードタイトルの日本語訳は端から放棄されていて、「第一話」「第二話」とそっけなくなってますねw そりゃ、こんなの訳せませんよね(笑)

ネトフリ上の『フレンズ』の表示
Friends on Netflix

個人的に、エピソードタイトルってこんな適当でいいのかなーとも思うんですよね。制作者にとっては自分作品の一部じゃないですか。

そうしたら、TV Tropesに面白い記事を発見しました。それが「Idiosyncratic Episode Naming(独特なエピソードの名付け)」:

Idiosyncratic Episode Naming

多くの番組では癖のあるエピソード名の名付けの慣習を持っている。エピソードタイトルは通常番組と一緒に放映されないが(アニメはこの限りではない)、このエピソードタイトルの情報は報道発表や字幕、TVガイドの情報などから収集される。

Many shows utilize quirky episode naming conventions. Though the episode title is usually not even broadcast with the show (usually only Animated Series do this), this information is gleaned from press releases, closed captioning, and guide information.

とあって、エピソードの名前ってどうも重要じゃないみたいなんです。なんか、拍子抜けの感が・・・。だから、初回エピソードを「Pilot」とか名付けても怒られないわけですね(笑)

ところで、アニメはエピソード名が一緒に放送されるとありますが、これは皆さんおなじみの、番組冒頭の1枚画のことですね:

『カルメン・サンディエゴ』のエピソードタイトル
Carmen Sandiego [Credit: Netflix]
『ヒルダの冒険』のエピソードタイトル
Hilda [Credit: Netflix]
『魔法が解けて』のエピソードタイトル
Disenchantment [Credit: Netflix]

その一方、海外ドラマではこのエピソードタイトルが画面上表示されることは無いと、上記記事では言っているわけです。

新聞のラ・テ欄

それでもなんとか抗いたいと考えてたら、新聞のラ・テ欄はどうなんだろうとふと気付きました。ラテ欄には何かエピソードタイトル書くはずじゃないですか。番組名だけの真っ白のはずはない!

そこで、アメリカの新聞のラ・テ欄をググったんですけど、これが全然ヒットせず。もしや、ラ・テ欄って習慣は日本だけなのか??と諦めかけた瞬間、redditの古いスレがヒット。

アメリカの新聞のテレビ番組欄
新聞のテレビ番組欄 by u/That-Computer-Guy

チャンネル数あり過ぎて、エピソードタイトル書く枠がないじゃん(笑)

なんと、基本は番組タイトルと録画用(?)のコードが書いてあるだけですね。出演が誰かも、エピソードタイトルも全くありませんでした。映画の場合に、製作年やレートが付くくらいでしょうかね。

なるほど、これならエピソードタイトルが疎かにされるのも分かりますね。だって、どこにも使われないんだから。

一話完結型連続ドラマ

それでもなんとか抗いたい私は、例外を探してネット上をさまよい続けます。このまま、ネット上の無機生命体として一生さまよい続けるのかと思い出したところ、一話完結型連続ドラマはどうなんだろうと思い当たります。毎週放送はされるんだけど、一話で完結するドラマです。これなら、エピソードタイトルはものすごく重要なはず。だって、視聴者はどんな内容か知りたいじゃないですか。

そこで白羽の矢を立てたのが、『ヒッチコック劇場』。映画じゃなくドラマの方。

調べてみると、なんとアニメと同じ一枚画がドラマ冒頭に出るパターンでした。まあ、『ヒッチコック劇場』は番組冒頭にヒッチコックがドラマの内容をおもしろおかしく解説するから、それが一枚画以上の意味を持ってますけどね。

『ヒッチコック劇場』のエピソードタイトル
Alfred Hitchcock Presents [Credit: CBS]

まとめ

今回は海外ドラマのエピソードタイトルが偏屈な理由を調べてみました。結局、テレビではエピソードタイトルは重要でないということなんですけど、一話完結型ドラマやアニメでは、未だに作品の一部として練られているのが分かります。

なお、今後ネット上でのストリーミングサービスが番組視聴の常識になってくると、エピソードタイトルも視聴者の目のつくところに出てくるわけですから、以前より重要になってくるのは間違いないでしょうね。

そうなったら第一話「パイロット」が見られなくなるのかな。そう思うと、ちょっと寂しいですね。それでは〜