「アルミホイルの帽子(Tinfoil Hat)」の意味

海外ドラマにはアルミホイルの帽子を被る人が出てきます。これは一体何を表しているんでしょうか?

『フレンズ』では、初期のエピソードで、ホームレスが「アルミホイルの帽子」をフィービーにプレゼントしようとします。

『フレンズ』で、フィービーはホームレスから「アルミホイルの帽子」をもらう
Friends [Credit: NBC]

実は、この「アルミホイルの帽子」には特殊な用途があるんです:

tinfoil hat

A piece of headgear made from one or more sheets of tin foil, aluminium foil, or other similar material, especially when worn in the belief that it shields the brain from electromagnetic fields, or against mind control and/or mind reading.

スズ箔、アルミ箔、または似た材質のもの数枚で作られたヘッドギア。電磁場やマインド・コントロール、読心から頭を防ぐため被られる

なんと、マインド・コントロールを防ぐ用途なんです(笑) といっても、もちろん、アルミ箔にそのような性質はありません。だから「アルミホイルの帽子」は、そういうことを信じている、電波な人を表す記号として海外ドラマで使われるんですね:

Tinfoil Hat

When a writer wants to establish a character as a Conspiracy Theorist, a Crazy Survivalist, or another kind of paranoid Cloudcuckoolander, they usually give them hats made out of tinfoil to wear, ostensibly to protect themselves from The Government’s Mind Control rays.

脚本家がキャラを陰謀理論家や頭おかしい人、他の妄想症として確立したい時、そのキャラにはアルミ箔の帽子が被るよう渡される、表面上は政府のマインド・コントロール電波から防護するために

『ブレイキング・バッド』の例

『ブレイキング・バッド』のハンクは、地元の名士グスタヴォ・フリングをメス(麻薬)作りで怪しみます。同僚から頭オカシイと言われて、「自分はアルミホイルの帽子を被っているのかも」と認めつつ、一つの例外(犯罪現場に彼の指紋)を指摘します。ここの「アルミホイルの帽子」は、電波(=頭いかれてる)ってことですね。

ハンク: Gustavo Fring, blue meth, you know. The whole thing is off-the-map nuts. I ought to be wearing a tinfoil hat, you know? Except…
『ブレイキング・バッド』で、ハンクはガスことグスタヴォ・フリングを怪しいと踏む
Breaking Bad [Credit: AMC]

『ビッグバン★セオリー』の例

次の場面は、シェルドンがホーキング博士がネットゲームの次の一手を着手するように念を送るシーン。念が通じないと、「アルミホイルの帽子を被ってるに違いない」と確信します。このシーンが面白いのは、ホーキング博士とアルミホイルの帽子の組み合わせの妙ですね。

He must be wearing a tinfoil hat or something.
『ビッグバン★セオリー』で、シェルドンはホーキング博士とゲームをしようと念を送る
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

日本語の「電波」と「アルミホイルの帽子」の差

なお、今まで「アルミ箔帽子」を被る人を「電波」と形容してきましたが、ここには日本語と英語で面白い違いがありますね。というのも、日本語の「電波」は「電波を受信した人=頭おかしい」ことを意味しますが、英語の「アルミホイルの帽子」を被る人たちは「存在しない電波を遮断しようとしてる=頭おかしい」を意味していますので。

「Tinfoil」の意味について

ついでに、英語の「tinfoil」についても。この記事では「tinfoil」をアルミホイル(アルミ箔)と訳してきましたが、「tin」は「スズ」なので本来はおかしいのです。

『オズの魔法使い』に出てくるブリキ男(Tin Man)はアルミ男ではないってわけ。

『オズの魔法使い』でブリキ男
The Wizard of Oz [Credit: Loew's, Inc]

でも、元々はスズ箔だったのがアルミニウムに置き換わったにもかかわらず、名称はそのままだったというのが理由みたいですね:

Tin foil hat

“Tin foil” is a common misnomer for aluminium foil; packaging metal foil was formerly made out of tin before it was replaced with aluminium.

「Tin foil」はよく目にする「アルミニウム箔」の誤称である;包装における金属箔は、アルミニウムに置き換わる前はスズで作られていた

「foil」の発音について

実は綴りを見てもらえれば分かるように、「foil」は/f/なんです。アルミホイルというより、アルミフォイル。これは、英語を勉強しているといつか気付くネタですね。

最後に

今回は海外ドラマで「アルミホイルの帽子」を被る人々を見てみました。結局は、頭おかしい人を表す記号として登場するんですね。

個人的には、アルミホイルだと逆に電波を受信しやすい感じがするんですけど(笑)、皆さんはどう思うでしょうか? ここには文化的な違いが潜んでいそうですね。それでは〜