海外ドラマで英語勉強の数少ない欠点を発見

私は海外ドラマを見続けたらいつの間にか英語が身についていたので、このブログで海外ドラマの字幕を使った英語勉強を猛烈にプッシュしているんですけど、この勉強法に少なからず欠点があるのも事実なんです。

そんな中の一つが「全く役に立たない語彙を覚えること」です(笑)

本当に、日常的に絶対出てこなさそうな単語を知らずと覚えてしまうんですよね。もちろん、それらが海外ドラマでよく登場するからなんですけど・・・

「Conjugal Visit」の意味

今回は、そんなボキャブラリーの1つ「conjugal visit」です。これを経験したことがある人は世間では相当少ないと思います。なのに、海外ドラマ、特に刑務所モノでよく出てくるんです。その理由を述べる前に・・・

まず「conjugal」、意味は「夫婦の、結婚の」と言う意味の形容詞。

例えば、次の『HOMELAND』のシーンは、ブロディ夫妻が「conjugal spat」の真っ只中(in the middle of)と言われます。spatはちょっとした口論の意味なので、結局、夫婦喧嘩の最中ってことですね。

He and his wife are in the middle of a conjugal spat.
『HOMELAND』で、ブロディ夫妻が喧嘩中であることを述べるCIA幹部
Homeland [Credit: Showtime]

そして、「visit」は訪問の意味ですから、「conjugal visit」は夫婦の訪問。

でもさ、この世界で夫婦が訪問する場所なんてあるでしょうか? 実はあるんですね。それが刑務所。だんだん見えてきましたね。

ヨーロッパの古い刑務所の独房群
Image by jraffin from Pixabay

刑務所では囚人の配偶者が定期的に訪れて来て良いルールがあるんです。その訪問のことを「conjugal visit」と言うのでした。海外ドラマの刑務所では単にconjugalと略されることもあります。まあ、楽しみもない檻の中の世界では、conjugalと言ったらconjugal visitしか指さないであろうことは容易に想像できますね。

刑務官: It’s time for your conjugal. Your wife is here.
『プリズン・ブレイク』で、マイケルのもとに妻が訪問
Prison Break [Credit: Fox]

「Conjugal Visit」が普通の訪問と違う点

でもさ、囚人って普通に外部者と面会できますよね。間に透明ガラスが入りますけど。

『アンブレイカブル・キミー・シュミット』で、ラッパーがカルト教祖と刑務所での面会
Unbreakable Kimmy Schmidt [Credit: Netflix]

それなら、わざわざ特別に「conjugal visit」として会う必要があるのでしょうか? それは、もちろんあるんです。なぜなら、そこには通常夫婦の営みが含まれるからですね:

conjugal visit

刑務所に収監されている囚人が訪問者(通常、配偶者)と管理された状況下で性行為をすることが許可される定期的な訪問。

A scheduled visit during which an inmate of a penal institution is permitted to have sexual intercourse with a visitor (usually his or her spouse) in a closely controlled setting.

例として、『プリズン・ブレイク』のマイケルの「conjugal visit」を見てみましょう。マイケルと妻が通された部屋には・・・、ちゃんとベッドがありますね(笑)

『プリズン・ブレイク』で、マイケルと妻が「conjugal visit」で面会する
Prison Break [Credit: Fox]

そして、もう一つ海外ドラマの筋書きとして典型なのが、「conjugal visit」が外部から刑務所内に禁制品を持ち入れるのに利用されること。これは刑務所ドラマでよくあるコテコテのプロットですね。

実際、『プリズン・ブレイク』では、クレジットカードを持ち運んでいましたっけ。

『プリズン・ブレイク』で、マイケルの妻は刑務所内にクレジットカードを持ち運ぶ
Prison Break [Credit: Fox]

「Conjugal Visit」ロールプレイ

これで、記事冒頭でconjugal visitの経験がある人が相当少ないと述べた理由も分かりますね(笑)

なお、一部のカップルにとってconjugal visitはある種のファンタジーになってたりもします。

例えば、『ママと恋に落ちるまで』のマーシャルとリリー夫妻は、以下のセリフから、conjugal visitのロールプレイを多くしたことが窺えるといった具合。

マーシャル: I can’t be in a marriage where one of us is in prison. I know that we role-play conjugal visits a lot, but I can’t do that for realsies.
『ママと恋に落ちるまで』で、マーシャルは刑務所に行くようなことはできないとリリーに話す
How I Met Your Mother [Credit: CBS]

最後に

今回は「conjugal visit」という耳慣れない語彙を紹介しました。はっきり言って覚えても何の特にもならないと思います(笑) なお、日本の辞書では「夫婦の営み」まで踏み込んで説明してるものはあまりないみたいですね。でも、英語ではそれが入るんです。

『コミ・カレ!!』でconjugate(動詞を活用する)という単語を聞いて、「Conjugal. Visit.」とニヤニヤ笑い出すのは、この理由ですね。

それでは〜

ブリッタ: So for the essay, we conjugate…
男: Conjugate? Conjugal. Visit. Ha-ha-ha. Lame.
『コミ・カレ!!』で、謎の男が勉強会グループに参加する
Community [Credit: NBC]