「Nail」の意味とは?

nail」には爪や釘の意味があります。例えば、nail biterなら爪を噛む癖のある人。そしてそこから派生して、イディオム的にハラハラ・ドキドキの試合や物語を意味します。思わず爪を噛んで見守るくらいの展開なんですね。

Oh, we got a tight one. This is a nail biter.
『デッド・トゥ・ミー ~さようならの裏に~』で、子どもたちがゲームセンターでレーシングゲームをして遊ぶ
Dead to Me [Credit: Netflix]

海外ドラマだと、nailは動詞で使われることが多いと思います。意味は「うまくやる」って意味。

nail

(他動詞、スラング)(課題を)完全に成功して成し遂げる。

(transitive, slang) To accomplish (a task) completely and successfully.

例えば、次は『ママと恋に落ちるまで』で、子供に嘘泣きをさせ、その後でロビンと子供がハイタッチする場面。ロビンは「You nailed it」でうまくやったと褒めます。

子供: How good was my crying?
ロビン: You nailed it.
『ママと恋に落ちるまで』で、子供に嘘泣きをさせたロビン
How I Met Your Mother [Credit: CBS]

このように、nailは頻繁に出てくるので、海外ドラマを英語で視聴する際は「nailの使い方」をnailして下さい(笑)

本当に「Nail」するパターン

ところで、先日YouTubeで「ボブ・ロスの絵はどこに行ったんだ?」という特集を見てました。ボブは、日本ではテレビ番組『ボブの絵画教室』で有名な風景画家。ここ数年、TwitchやYouTubeで無料に見られるようになって、人気が再興してるんだとか。でも、彼の本物の絵を買おうとしても現状買えないという現実があって、番組で描いたあの絵がどこに行ったのか調査するんです。

結局、Bob Ross Inc.という彼の作品を扱う会社がダンボールに入れて保存してるのですが・・・。しかも、下絵等含めて同じ絵が3枚あるんだそうです。詳しいことは実際のクリップをご覧ください。

いずれにしても、番組最後に、このボブ・ロスのYouTubeチャンネルの登録者数が100万人を突破したとして、YouTubeから金の盾が送られてくるんです。

Bob Ross Inc.の従業員の女性が壁に釘を打ち

YouTube金の盾を飾るため、壁に釘を打つ
Where Are All the Bob Ross Paintings? We Found Them. [Credit: The New York Times]

金の盾がハマります。そして、女性の上司は「You nailed it.」です(笑)

YouTube金の盾を壁に掛けて飾る
Where Are All the Bob Ross Paintings? We Found Them. [Credit: The New York Times]

これがダジャレ・語呂合わせになっているのが分かるでしょうか?

釘を打つの「nail」と、上で紹介したスラングのうまくやるの「nail」の両方の意味になっているんですね。

でもさ、よく考えたら、これがうまくやるの「nail」の語源っぽいですよね(笑)

ということで、ボブ・ロスの絵の行方を追っていたら、奇遇にも「nail」の語源にぶち当たってしまったお話でした。

正確なところは、イディオム「hit the nail on the head(釘の頭を打つ、正鵠を射る)」から派生みたいですけどね。

それでは〜