『シーラとプリンセス戦士』で料理同士が接触

福原かれんが声優やっているので先日からなんとなく見続けているアニメ『シーラとプリンセス戦士』に面白いシーンがありました。プリンセス・フロスタが開いたプロムエピソード。食事をお盆に載せて給仕がやってくると、フロスタが雪の豆とクッキーがくっついているとイチャモンつけるんです。

フロスタ: The snow peas and the cookies are touching. Do it right.
『シーラとプリンセス戦士』で、プリンセス・フロスタは料理が接触しているのが気に食わない
She-Ra and the Princesses of Power [Credit: Netflix]

もちろん、これはフロスタの神経質な一面を表すため描かれていて、今後のアドーラの交渉が一山も二山もありそうなことを視聴者に匂わせているんですけど、個人的に料理が接触しているのを嫌がるってのに興味を持ったんです。だって、海外ドラマで同じ気質の人出てくることがあるし、かといって現実では自分の周りにそういう人居ないんですよね。自分も含め、みんな「お腹に入れちゃえば同じさ派」に属しているんです(笑)

海外ドラマで料理の接触を嫌がる人

そこで、まず、海外ドラマでどんな人々が料理が触れるのを嫌がっているのか調べてみます。

モダン・ファミリー

ジェイが作ってくれたサンドイッチを食べられないとはマニー。なんでも、ピックルが触れているからとか・・・。

マニー: I can’t eat that.
ジェイ: Why not?
マニー: The pickle’s touching it.
『モダン・ファミリー』で、ジェイの作ったサンドイッチが食べられないマニー
Modern Family [Credit: ABC]

名探偵モンク

モンクはレストランで男の話を聞きます。話が終わると同時に料理が運ばれてきます。モンクは一言「It’s touching.」。男は当然自分の話が感動的(touching)と言っているのと勘違いしますが、実はモンクが言っていたのは、料理が接触していることでした(笑) 確かにOCD(強迫症)のモンクは気にしそうです。ここは脚本上の語呂合わせ(pun)ですね。

モンク: It’s touching.
男: It is. It’s great. After all those years.
モンク: No, I mean the food… It’s touching.
『名探偵モンク』で、料理同士が接触しているのを気にするモンク
Monk [Credit: USA Network]

正式名称:Brumotactillophobia

ところで、この料理同士がくっついていることを恐怖する症状はBrumotactillophobiaと呼ぶみたいですね:

Fear of Food Touching is Manageable with Compartmentalized Containers

食べ物に触れることへの恐怖の実際の名前は「brumotactillophobia」だ。この食べ物に関連する恐怖症は強迫神経症の軽症と多くの人に考えられている。

The actual name for fear of food touching other food is brumotactillophobia. This food-related phobia is considered by many to be a mild form of obsessive compulsive disorder.

接尾辞「-phobia」があるので「恐怖症」ということですが、日本語名称は分かりませんでした。まだ付けられていないのかな?

上記リンク先は、実はお弁当箱の通販サイトですね。なるほど、通販サイト側からすればBrumotactillophobiaの人々は絶好のお客さん。それで、ブログで取り上げているみたいです。

また、記事にはOCD(obsessive compulsive disorder、強迫症)の軽症という言及もあって、名探偵モンクがそうなのも、むべなるかな。

Brumotactillophobiaについて書かれた他の記事でもOCDの他、ASD(自閉症スペクトラム障害)やsensory processing issue(感覚処理障害)も言及されていたのを追記しておきます。

I Don't Like My Food Touching

・・・しかし、一つ気づいておいて欲しいのが、異なる食べ物が触れ合うことに耐えられない人々には多くの理由があることに。自閉症スペクトル障害、感覚処理障害、そして強迫神経症はその中の数例だ。

…But please do be cognizant that there are myriad reasons people really, truly can’t stand to have their different foods touch—ASD, sensory processing issues, and OCD among them.

なお、上記記事のサブタイトル(副題)

Grossgrossgrossgrossgross!!!!!

になっているのが興味深いですね。口語英語でgrossはキモい、うげげげってニュアンス。吐きそうになっているんですね。この人にとって、料理同士が触れ合っているのはそのくらい耐えられないってこと。

最後に

今回は海外ドラマで見つけた料理同士が触れ合うのを許せない人々を見てみました。学術的にはBrumotactillophobiaと言って、OCDやASDと考えられているということでした。

そういった人は、ラーメンのどんぶりの汁に親指を突っ込んで持ってくるような店員がいる店には行けないんでしょうね。というか、私も絶対行きませんが(笑) それでは〜